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「JIKODA!」」(2006/12/05 (火) 21:16:32) の最新版変更点

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僕は今、トラックに乗せられて戦地へ運ばれている。 周りの皆は拳銃を空に向けて撃ち続けたり、練習なのか双眼鏡を覗いて砲撃要請を連呼している兵士達がいる。 僕はそんなノリに付いていけず、これから始まる地獄を想像すると怖くて仕方が無かった。 ガタガタと震えていると、隣に座っていた大柄な男が話しかけてきた。 「ヘイ、ブラザー!なに死人みたいな顔をしてんだ」 「俺達はこれから敵さんをぶっ殺しに行くんだぜ?」 「なのに殺す前に死んでたら話にならないぜ!」 やたらとテンションの上がってる様子に、引き気味ながらも話を聞いていた。その方が恐怖を忘れられると思ったからだ。 「なんだ初めてか?」 「あぁ・・・」 「そんなに心配すんなよ」 「戦闘が始まったら敵に向かって撃ってりゃいいんだ」 「そうしている内に戦争なんてすぐに終わって、俺もお前も故郷へ帰れるさ!」 そう言うと彼は、親指を立てて片目を閉じた。 「そして故郷へ帰ったら、俺はケーキ屋を開くんだ」 「へぇ、そいつは可愛い夢だな」 「なんだよ馬鹿にしてるな?」 「こんななりしてるが、近所じゃ俺のケーキは評判だったんだぜ」 こんな大柄なやつがエプロンを着けている姿を想像して、少し恐怖が和らいだ。 「俺の事よりお前は故郷へ帰ったらどうするんだ?」 「そうだな、まだ考えてないよ・・・」 「そうか、着たばっかりだし、ゆっくり考えるといいぜ」 「無事に帰れたら俺の店に来いよ、ご馳走してやるからよ」 「あぁ」 気が付くと、肩の振るえが止まっていた。 感謝しなきゃな・・・と思っていると突然誰かが叫んだ! 「敵の潜水艦を発見!!」 場が凍りついた。が、すぐさま 「F1F2!」 このトラックが走っているのは地面の上、潜水艦がいるわけがない。 きっと不安で気が動転して叫んでしまったのだろう。 自分もそうなっていたかもしれない、と思うと何も言えなかった・・・。  ヒュゥゥゥゥゥゥ・・・ドグォォォォォォォォォォン!!!! 一瞬、何が起こったか理解出来なかった。 トラックに乗っていたのに、そのトラックが目の前で炎上している。 自分の体は地面に倒れていて、周りを見ると血まみれでも必死に立ち上がろうとする者や、背中が燃えているのに叫び声さえ出さない者がいる。 「おい!アレを見ろ!!」 声をした方を見ると、隣に座っていた男だった。 男が指している空を見ると、ジープが空を飛んでいる。 そのジープが変な軌道を描きながらこちらに向かってくる。 男が言った。 「振ってくるぞ!逃げろッ!!」 次の瞬間、激しい閃光を見た気がした。 気が付くと、僕はベッドの上にいた。。 「あら、気が付いた?」 一瞬、天使かと思ったがよく見るとナースだった。 「あなた2ヶ月も眠っていたのよ」 「良かったわね、もう戦争は終わったわ」 2ヶ月!? 戦争は終わった!!?? お前は何を言っているんだ 最初は夢でも見ているのかと思ったが、ナースの説明によると僕が運ばれてきて、そのすぐ後に我が国は敗戦したと・・・。 敵の新兵器によって戦局が大きく変わったらしい。 「そうか、アレが・・・そうなのか」 ・・・ッ!思い出した。 「そうだ、アイツはどうしたんだ!?」 「え?」 「アイツだよ!俺の隣に座ってた大柄な男だよ!!」 僕はナースの両腕を掴んだ。 「お、落ち着いて!」 「ここにはあなたしか運ばれてこなかったわ」 そんな・・・嘘だろ? 僕のすぐ近くにいたのになんで・・・ッ 「その男の人の名前はなんていうの?」 「わからない・・・」 「そう・・、とりあえず先生を呼んでくるわね」 ナースは部屋を出て行った。 そういえば名前を聞いていなかったんだ。 名前も知らないけど、僕は彼に助けられた。 恐怖に震える僕を助けてくれた。 ちきしょう!なんで俺だけが生き残ったんだ!! 僕は泣いた。 泣きながら、あの瞬間の事を思い出そうとしていた。 たしか、気を失う時に誰かが言っていた。 「JIKODA!」 そうか、アレはJIKOなんだな。 説得力のある言葉にいつしか涙は止まっていた。
僕は今、トラックに乗せられて戦地へ運ばれている。 周りの皆は拳銃を空に向けて撃ち続けたり、練習なのか双眼鏡を覗いて砲撃要請を連呼している兵士達がいる。 僕はそんなノリに付いていけず、これから始まる地獄を想像すると怖くて仕方が無かった。 ガタガタと震えていると、隣に座っていた大柄な男が話しかけてきた。 「ヘイ、ブラザー!なに死人みたいな顔をしてんだ」 「俺達はこれから敵さんをぶっ殺しに行くんだぜ?」 「なのに殺す前に死んでたら話にならないぜ!」 やたらとテンションの上がってる様子に、引き気味ながらも話を聞いていた。その方が恐怖を忘れられると思ったからだ。 「なんだ初めてか?」 「あぁ・・・」 「そんなに心配すんなよ」 「戦闘が始まったら敵に向かって撃ってりゃいいんだ」 「そうしている内に戦争なんてすぐに終わって、俺もお前も故郷へ帰れるさ!」 そう言うと彼は、親指を立てて片目を閉じた。 「そして故郷へ帰ったら、俺はケーキ屋を開くんだ」 「へぇ、そいつは可愛い夢だな」 「なんだよ馬鹿にしてるな?」 「こんななりしてるが、近所じゃ俺のケーキは評判だったんだぜ」 こんな大柄なやつがエプロンを着けている姿を想像して、少し恐怖が和らいだ。 「俺の事よりお前は故郷へ帰ったらどうするんだ?」 「そうだな、まだ考えてないよ・・・」 「そうか、着たばっかりだし、ゆっくり考えるといいぜ」 「無事に帰れたら俺の店に来いよ、ご馳走してやるからよ」 「あぁ」 気が付くと、肩の振るえが止まっていた。 感謝しなきゃな・・・と思っていると突然誰かが叫んだ! 「敵の潜水艦を発見!!」 場が凍りついた。が、すぐさま 「F1F2!」 このトラックが走っているのは地面の上、潜水艦がいるわけがない。 きっと不安で気が動転して叫んでしまったのだろう。 自分もそうなっていたかもしれない、と思うと何も言えなかった・・・。  ヒュゥゥゥゥゥゥ・・・ドグォォォォォォォォォォン!!!! 一瞬、何が起こったか理解出来なかった。 トラックに乗っていたのに、そのトラックが目の前で炎上している。 自分の体は地面に倒れていて、周りを見ると血まみれでも必死に立ち上がろうとする者や、背中が燃えているのに叫び声さえ出さない者がいる。 「おい!アレを見ろ!!」 声をした方を見ると、隣に座っていた男だった。 男が指している空を見ると、ジープが空を飛んでいる。 そのジープが変な軌道を描きながらこちらに向かってくる。 男が言った。 「振ってくるぞ!逃げろッ!!」 次の瞬間、激しい閃光を見た気がした。 気が付くと、僕はベッドの上にいた。。 「あら、気が付いた?」 一瞬、天使かと思ったがよく見るとナースだった。 「あなた2ヶ月も眠っていたのよ」 「良かったわね、もう戦争は終わったわ」 2ヶ月!? 戦争は終わった!!?? お前は何を言っているんだ 最初は夢でも見ているのかと思ったが、ナースの説明によると僕が運ばれてきて、そのすぐ後に我が国は敗戦したと・・・。 敵の新兵器によって戦局が大きく変わったらしい。 「そうか、アレが・・・そうなのか」  ・・・ッ!思い出した。 「そうだ、アイツはどうしたんだ!?」 「え?」 「アイツだよ!俺の隣に座ってた大柄な男だよ!!」 僕はナースの両腕を掴んだ。 「お、落ち着いて!」 「ここにはあなたしか運ばれてこなかったわ」 そんな・・・嘘だろ? 僕のすぐ近くにいたのになんで・・・ッ 「その男の人の名前はなんていうの?」 「わからない・・・」 「そう・・、とりあえず先生を呼んでくるわね」 ナースは部屋を出て行った。 そういえば名前を聞いていなかったんだ。 名前も知らないけど、僕は彼に助けられた。 恐怖に震える僕を助けてくれた。 ちきしょう!なんで俺だけが生き残ったんだ!! 僕は泣いた。 泣きながら、あの瞬間の事を思い出そうとしていた。 たしか、気を失う時に誰かが言っていた。 「JIKODA!」 そうか、アレはJIKOなんだな。 説得力のある言葉にいつしか涙は止まっていた。

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