夏休み、三女が二度寝を楽しんでから起きだしてくると、リビングから軽快な交響曲が流れてくる。
何事かと、大方の予想は付いてはいたが、リビングを覗き込むと、
予想通りTVには人気のRPGが流れ、その前には長女がコントローラーを握ったまま横たわっていた。
ゆさゆさと揺すってみるが、返事がない、まるで屍のようだ。
「はぁ・・・。起きて、起きなさいってば」
何事かと、大方の予想は付いてはいたが、リビングを覗き込むと、
予想通りTVには人気のRPGが流れ、その前には長女がコントローラーを握ったまま横たわっていた。
ゆさゆさと揺すってみるが、返事がない、まるで屍のようだ。
「はぁ・・・。起きて、起きなさいってば」
今度は幾分強めに起こしてみる。
「んん・・・・・・・いかりくん・・・ここじゃだめ・・・・・ん?ルリ・・・・・?」
ようやく気が付いた。良い夢を見ていたのか、うらめしそうな目でじとっとこちらを見ている。理不尽だ。
「今日は用事があるから、お昼までには起こしてと言ったのは、姉」
静かにそう告げると、くるりと顔だけを器用に回して時計を見る。
びくっっとした後、大慌てで服を脱ぎだす。「シャワーシャワー」とつぶやきながら。
「んん・・・・・・・いかりくん・・・ここじゃだめ・・・・・ん?ルリ・・・・・?」
ようやく気が付いた。良い夢を見ていたのか、うらめしそうな目でじとっとこちらを見ている。理不尽だ。
「今日は用事があるから、お昼までには起こしてと言ったのは、姉」
静かにそう告げると、くるりと顔だけを器用に回して時計を見る。
びくっっとした後、大慌てで服を脱ぎだす。「シャワーシャワー」とつぶやきながら。
その服を拾いながら、姉が出てくる前に朝飯を用意しようと殊勝な事を考えつつ、一声かける。
「ゲーム」
それを聞いた長女は、無造作に足でスイッチを押した。「あっ!」と言う間もなく。
「ゲーム」
それを聞いた長女は、無造作に足でスイッチを押した。「あっ!」と言う間もなく。
そして上半身はTシャツを脱ぎかけ、片足をゲーム機に乗せた姿勢のままこちらを見る。
「・・・・・セーブ・・・・してない」
余りに泣きそうな目に思わず同情を覚えるが、ふるふると首をふる。わたしは悪くない。
「・・・・・セーブ・・・・してない」
余りに泣きそうな目に思わず同情を覚えるが、ふるふると首をふる。わたしは悪くない。
今度は丁度起きてきた次女を見て、何か言いたげな目で見つめている。
「有希・・・・?」
「無理。完全に失われた情報は再構築出来ない。時空に干渉する事も出来るが、推奨はしない」
それを聞いて、とぼとぼとバスルームに消えて行く。既に裸の背中がとても寂しそうだ。
「有希・・・・?」
「無理。完全に失われた情報は再構築出来ない。時空に干渉する事も出来るが、推奨はしない」
それを聞いて、とぼとぼとバスルームに消えて行く。既に裸の背中がとても寂しそうだ。
この姉が学校ではクールビューティーで通っているらしい、ほんとに世の男子は、ばかばっか。