ルリ「また等身大フィギュアですか」
レイ「これでまた我が家の家計が潤うわね」
ルリ「ぶっちゃけ相当稼いでますよね」
有希「私達3人の収入はもはや天文学的数字」
ルリ「でも、それをあっという間に食いつぶす人がいますから。食費で」
有希「……」
ルリ「グッズ集めに夢中になる人もいるし」
レイ「もっと碇君のフィギュアが出してもらうためのお布施よ」
ルリ「ハァ……。ていうか、等身大のフィギュアなんて置いてどうするんですかね?」
レイ「……あまり考えたくない」
ルリ「ですよねー」
有希「恐らく、購入するのは一般人より、懐に余裕のある様々な『業界』の人間」
ルリ「そういえば、大人ぐらいの大きさのガンダムのフィギュアを持ってる芸能人とか、かなりいますね」
レイ「あっても邪魔になるだけだと思うけど」
ルリ「……ま、我が家には本物がいますから……」
レイ「……何? その間は」
ルリ「別に」
レイ「……私、邪魔?」
ルリ「そうは言ってません」
レイ「そう……邪魔なのね……。生きて寝て食べて喋るからフィギュアより更に邪魔だって言いたいのね……。
いい。私、一人に慣れてるから」
ルリ「ちょっとー。もしもーし」
有希「現在、綾波レイは妄想が暴走している。早急に慰めるべき」
ルリ「どんだけ手の掛かる姉ですか……。……レイ姉。誰も邪魔だなんて思ってませんよ。一緒に暮らし始めてから
一度もそんな事は考えた事はありません」
有希「(コク」
ルリ「レイ姉と一緒にいると、飽きないですし。楽しいです。それに、優しいです、レイ姉は。
だから、ただ突っ立ってるだけのフィギュアなんかよりいいに決まってます」
レイ「そう……?(チラ」
ルリ「そうです」
有希「そう」
レイ「そう……。『ありがとう』、ね……こういう時は……」
ルリ「いいです。家族ですから」
レイ「じゃ、ルリの等身大フィギュアは部屋に買うわね」
ルリ「何が『じゃ』、ですか。邪魔になるとか言ってたのは、どこの誰?」
レイ「妹は別腹よ」
有希「激しく同意」
ルリ「私はデザートですか。そしてここぞとばかりに有希姉も同意しないで下さい」
レイ「いつでも可愛い妹といたいっていう姉心、わかって」
有希「そうだそうだ」
ルリ「なんですか『そうだそうだ』って。とってつけたような棒読みで」
有希「……キーワードの選択ミス……。『そうよそうよ』」
ルリ「だからキャラが違うと思うんですけど……。あいっかわらずいいシーンを台無しにしますね」
レイ「いいシーンって?」
有希「詳しく」
ルリ「いいです。言いません。判ってるくせに……。だから大人って嫌いです」
有希「私は一般的な一少女。『大人』というカテゴリーには該当しない」
レイ「いぢめたっていいじゃない。だって少女だもの。姉だもの」
ルリ「それ私のキメ台詞なんですけど。あ、フィギュア置くなら当分色々と節約しますからね? 食費とか」
有希「緊急事態発生。綾波レイの、可及的速やかなフィギュアの購入案の破棄を推奨する」
レイ「ひどいわ有希……」
ルリ「やっぱりバカばっか……」