世の中には料理の下手な人間がいるなんてのは、わざわざ説明する必要もないほど当然のことであるが。
さて、その構成は大きく分けると3つに分けることが出来る。
一つは、料理の作り方を単純に知らないだけの人。
この場合はまだ修正の余地がある、料理のようするに勉強をすればいいのだ。
二つめは、味覚が人よりずれている人。
こちらもまた修正は容易だ、そのズレを認識し他人に合わせて修正した料理を作ればいい。
三つめは…これが一番やっかいなのだが、自分が料理の下手なことを認識していない奴である。
これは非常にやっかいな相手だ、このタイプは自分では料理を作っているつもりで、それとはにつかぬ別物を生み出していることに気付いてない。
このタイプの特徴として、なぜか自分では味見をしない癖に人に料理を勧めると言う物がある。
なぜ俺がこんな事を急に語り始めたかと言えば、俺の目の前に三番目のタイプの「料理下手」が現れたからである。
幸い標的(?)は俺ではないため被害は受けていない。
頑張れシンジ、君の愛なら綾波の料理だって完食できるさ。魂が抜けかけてるけどな。
ではそろそろ、今回の話を紹介しよう。
全ての始まりは三姉妹が俺たちの家の扉を叩いたことにある。

「料理の練習がしたい?」
ある日の昼過ぎ、俺たちの家を訪ねてきた三姉妹はアキト兄さんに一つの頼み事をした。
ようするに、家計のやりくりをよくするために料理を覚え家計の負担を小さくしようと言う物だ。
ちなみに、三姉妹のオマケに犬がくっついてきたがそいつは妹と遊んでいる。
話を戻そう、確かに今の時代はたいていの物ならスーパーやコンビニに揃っている。
スーパーにはできあいの総菜なんかが売ってるしな。
しかし、そう言った物は毎日買うとたかつくのも確かだ。
それにやはり、毎日の食事は家族が作った物を食べるべきだろう。これは俺とアキト兄さんの共通の持論の一つである。
三姉妹もそう考えて、ここらあたりで信頼がおけ料理が上手い人物として、アキト兄さんにコーチ役を頼みに来たわけだ。
まぁ、こいつらは物覚えが良いから、基本さえ覚えればすぐ料理が出来るようになるさ。
俺はそんな楽観を覚えていた。最近の傾向で、俺が楽観しすれば問題はややこしくなると気付いたのは、この後の話である。

結論から言おう、長門とルリちゃんは問題ない。
俺が長門、ルリちゃんにアキト兄さんが手伝い料理をした。
二人が作ったチャーハンとチキンライスは、味は薄い物の十分美味しい物だった。
ちなみに長門は例の宇宙人パワーは使わなかったらしい、理由を聞いたら「…手料理」とぽつりと呟いた。さて、どういう意味だろう?
ルリちゃんはアキト兄さんと一緒に料理出来るだけで幸せそうであった。全くほほえましいね。
そして最後の一組、シンジと綾波のペアなのだが、これは正直人選を誤ったかもしれない。
シンジもこの家に暮らし始めてから料理を覚え、今では簡単な物は作れる腕を持っているが、いかせん押しがよわい。
綾波が変な行動に出る度に止めようとするのだが、毎回手遅れに終わっていた。
そして完成したの物は、謎の物体だった。なにやら刺激臭が漂っている。あと、なぜか「キシャー」とか鳴いてる、なぜだ。
この料理(?)が完成した時点で、妹と遊んでいた犬が突如部屋の隅に逃げ出し、ぶるぶる震えだした。
しかし、綾波は料理に自身があるらしくシンジに差し出すと「食べて」と言った。
まぁ半分はおまえの責任だ、頑張れシンジ、骨は拾ってやるよ。
料理と格闘(比喩表現抜きで)しているシンジの向かいでは、アキト兄さんとルリちゃんが、
「ルリちゃんはホント飲み込みが早いなぁ、俺の弟子にしたいぐらいだ」
「いいですねそれ、お願いしても良いですか? お願いします師匠」
「あっはっは、よし俺の秘伝のレシピを教えてやるよ」
などとあほな会話をしていた。
色々言いたいことがあるが今はそれどころじゃない、俺は俺の問題で忙しいんだ。
そう、俺は目下一つの問題を抱えている。おそらく料理を褒めたのが嬉しかったのだろう。
基礎を覚えた長門は料理の本を片手に次々料理を生み出していき、俺は物量作戦に苦しんでいる。
残すわけには…いかないよなぁ。やれやれ、明日は胃薬が必要になりそうだ。





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