それは突然のはじまりで・・・
三人で桃鉄をしていると、(負けそうになった)一番上の姉が突然話を切り出した。
「ネルフで食事ですか?」
「そう。司令が『豪華な食事ご馳走するから妹達を連れてきなさい』と。行く?」
こくり、資産1兆を超えてたもう一人の姉が同意したので、今夜はネルフでお食事となった。
作らなくても良いし、碇司令はお金持ちなので美味しいものが食べれるだろう、その時はそう思った・・・。
ネルフ本部・発令所
使徒戦役さながらの、ピンと張り詰めた空気が漂う。ただ、何故かオペレーター席の半分は空席。
男性職員しか詰めていない。
「監視モニターで目標を確認!数は・・・1、2、3!」
「目標は時速4kmで進行中。メインシャフトに到達、エレベーターに乗ります!」
「間違いない、三姉妹だ。青葉君、日向君、そのまま監視を続けたまえ。
それにしても、良いのか?碇」
「ああ、問題ない。赤木君も葛城君も伊吹君も出張だ。
ネルフの全能力を駆使して三姉妹の映像を捉える。もちろん標準画像でだ・・・・ニヤリ」
「目標は本部に到達!更衣室に入ります!!!!」
「青葉二尉、映像をこちらに回せ。そちらではカットだ」
「あっ!司令、ずるい!僕らも見たいですよ!!」
「逆らえば減俸だ・・・ニヤリ」
ネルフ本部・更衣室
「レイ姉、着替えるんですか?」
「そう。食事の時は正装してきてくれだって」
ずらりとドレスが並んでいる。わたしと姉達、3サイズ分が揃っているようだ。
しかもどれも高そうなものばかり。
「気に入ったら持って帰って良いそうよ」
そう言うと、レイ姉はさっさと服を脱ぎだした。にしても、大丈夫だろうかこの組織。
「ちょっと待って」
そこまで沈黙を守っていた有希姉がわたし達を止めた。
突然の事に驚き、レイ姉は脱ぎかけの服が頭に引っかかった。もぞもぞしている。
やっと服を着なおしたレイ姉が有希姉に聞いている。
「どうしたの?」
「この部屋は監視下にある。しかも、カメラの数は尋常でない。145個確認出来た」
「「な、なんですってー!?」」
ネルフ本部・発令所
「まずいぞ、碇。バレた」
「ふむ・・・。冬月、あとは頼む。急用を思い出した・・・」
「待て。貴様、逃げる気か?」
司令席でどたばたしてる間に、事態は急速に悪化していた。
ヴィー!ヴィー!
「警報?!本部内にてATフィールドの発生を確認!これは・・・強力です!
電子・光子・量子、あらゆる探査が不可能!発生源は・・・、更衣室です!!」
「マギがハッキングを受けています!速い!?信じられない速さです
メルキオール・・・バルタザールに侵入、何かを探している?
まずい、三姉妹フォルダが目的です!!!」
「碇、どうする?」
「け、警報を止めろ。政府には誤作動だと伝えろ。休みの職員にもだ」
ドーン!
発令所のドアが六角形のフィールドに破られ吹き飛ぶ。
「司令・・・、どういう事?」
レイ姉の一睨みであっさりとネルフ本部は陥落した。
結局、7桁のお小遣いと好きなドレスを2~3着で事態は収拾した。
全て司令のポケットマネーから。
マギと本部の復旧の件で、司令達は赤木博士と葛城一佐にこってり絞られた。
有希姉は司令が持つ全ての画像と映像を完全に消去した、司令は泣いていたらしい。
ほんと・・・
「碇、大損害だな。消えた画像は元には戻らなんぞ・・・」
「消された画像はまた撮れば良い。まだだ、まだ終わらんよ。」
ばかばっか。