ぴっぴっぴ…
ルリ「ん…」
ルリはアラーム音で目を覚ました。
目覚まし時計を止め、
段々と目が覚めてくるにつれ窓が激しく揺れていることに気付いた。
(そうだ…今日は台風が直撃するんだっけ…)
こんな風と窓が揺れる音の中眠っていた自分ってちょっと凄いのかな、と思った。
今日は日曜日。レイ姉は私が起こさなければいつまでも寝ているだろう。さっさと起こしてしまおう。中々起きない姉をベットから引きずり出すシミュレーションを頭の中で行いながらレイの部屋のドアノブに手をかけた。
ダンッガチャ…ドドドド…
ルリ「有希姉っ!」
ルリは居間に入って室内をひたすら探索した後、有希に向かって真剣な顔で叫んだ。
有希「ルリ」
椅子に座って本を読んでいた有紀はゆっくりと顔を上げルリに呟いた。
ルリ「へ…? 何ですか?」
有希「寝癖…凄い」
ルリ「え!? ホントですか!?」
有希「…嘘」
ルリ「…」
有希姉が嬉しそうなそうでもないような顔をしてるが…
ルリ「そっそんなことより!」
有希「?」
ルリ「レイ姉がいないんですよ!」
有希「…姉さんなら外出した」
ルリ「え? そ…外は台風ですよ!何処に!?」
有希「学校。今日は全国模擬試験の日」
ルリ「…。それで学校に行ったんですか?」
有希「そう。休日にルリを起こすのは悪いと言って登校は極秘に行われた」
ルリ「何で止めてくれなかったんですか。こんな日に登校なんてしたら学校に着く頃にはずぶ濡れですよ。」
有希「私も努力をした。しかし姉さんを止めることはできなかった」
ルリ「なんでですか。気絶でも何でもさせて止めて下さいよ…」
有希「家から出ようとする姉さんを私は阻止しようとした。そしたら…」
ルリ「そしたら?」
有希「姉さんはこう言った」
ルリ「…」
有希「『私が死んd』」
ルリ「で、何で止めてくれなかったんですか?」
有希「この台詞を言われたら…止めることは出来ない」
ルリ「はぁ…バカばっか」
ぷるるるる…
有希「電話」
ルリ「私がとります」
ガチャ
ルリ「三女です。…レイ姉!?」
レイ『今学校にいるの』
ルリ「…やっぱりですか」
レイ『でも傘は折れるしびしょ濡れになるしガラスはガタガタいってるし、見渡す限り誰もいないの。…みんなお金が勿体なくないの? …グス』
ルリ「わかりました。むかえに行きますから泣かないで下さい。…しょうがないですね。でもこの嵐ですし。誰かの機体を借りてでもしないと…」
レイ『…碇君がいい』
ルリ「…はい?」
レイ『碇君に来て欲しいわ。コックピットの中で体を寄せ合って…(ぽっ)』
ルリ「…はいはい。もうどうでもいいです。シンジさんに頼んでおきますね」
レイ「ルリ…今日も可愛いわね」
ルリ「ありがとうございます」
ガチャ
ルリ「…とまぁこんな感じ何ですが…無理ですよね」
シンジ『全然大丈夫だよ。っていうかもう出撃する準備してたから』
ルリ「へ?何でですか?」
シンジ『実はさっき翠星石ちゃんからも電話があって。アスカもこんな天気なのに学校行ってるみたいなんだ。だから二人まとめて連れてくるよ』
ルリ「…さっさと回収してくれちゃって下さい」