レイ「おめでとう、ルリ。これでまた一つ、大人の階段を登ったのね」
有希「あなたはまだ、シンデレラ」
ルリ「どこのH2Oですか。それに誕生日は迎えても、本編で描かれない限り歳は取りません」
レイ「架空の世界の特権ね」
有希「学校も、試験も何にもない」
ルリ「どこの日本妖怪ですか。ていうか、二人とも学生だし試験もあります」
レイ「そんな事は生命の海に流せばいいわ。それよりもこれ」
有希「私と綾波レイの二人で製作した。是非食べて欲しい。あなたに。味も問題ない。確認済み」
ルリ「……まさか手作りはないだろうと思ってただけにずるいです……」
レイ「happy birthday to you」
有希「happy birthday to you」
レイ・有希「happy birthday dear ルリちゃーん ……happy birthday to you~~……」
ルリ「……」
レイ「……ルリ、火を消して」
ルリ「……こういうの、慣れません……ふうーっ……」
パチパチパチ
ルリ「ところで、二人とも唄ってる時明らかに普段の声と違う本気モードの歌声だったんですけど」
レイ「きっと気のせいよ。……有希」
有希「(コク」
ルリ「? なんですか?……『二泊三日箱根の旅』……? これ……」
レイ「アキトさんとユリカさんと行って来て。私達で旅行するのも考えたんだけど、いつでも行けるから」
有希「たまに違う環境で過ごすという事はリフレッシュに繋がる」
レイ「それに何より、二人はルリにとってもう一つの家族だもの」
ルリ「……ありがとぅ……ございます……」
レイ「ございました」
有希「……ございました」
ルリ「……で、この二泊三日の間、レイ姉たちはどうするんですか?」
レイ「……ルリ、今は電話一本で食べ物が家に来る時代よ」
有希「日本におけるコンビニエンスストア、及び自動販売機の普及率は過剰とも言える状態。
ただ、今回はこの状態を有効に活用すべき」
ルリ「はい、アウト。とりあえず、アキトさんから教えてもらったレシピ置いておきますから。なんとか頑張ってください。
頑張ればケーキだって出来たんですし……お願いしますよ?」
レイ「大丈夫よルリ。今はゲーム機が料理の作り方を教えてくれる時代よ」
ルリ「それ、買って半日で引き出しに封印されたじゃないですか。有希姉もマナーブックのを買ったはいいけど
すぐ興味なくしましたし。……ほんとーに、大丈夫ですか? この時期は洗濯物干すのも気をつけてくださいね?」
レイ「大丈夫よ、ルリ。本当に大丈夫だから。何も心配しないで、旅行を楽しんできて」
有希「(コク」
ルリ「そこまで言うならわかりましたけど……」
そしてレイと有希の、サバイバル生活が始まる……!!
ルリ「なんですかこのナレーション。しかもサバイバルて。家の中ですけど」
レイ「最悪、生野菜があれば生きていけるわ」