レイ「有希、頼まれたものだけど、これでいい?」
有希「(コク) これでいい」
ルリ「? なんで、そのダンボール箱」
レイ「破損して実戦では使えなくなったプラグスーツ。有希に頼まれたの」
有希「着るだけなら問題ない。若干のサイズ差はこちらで修正する」
レイ「そんなに差はないはずよ……手首のボタンでサイズは合うし」
有希「……朝比奈みくるのバストは規格外」
レイ「同姓でもセクハラはあるのよ、有希。というかもうこれはセクシャルじゃなくて単純なハラスメント(嫌がらせ)ね」
ルリ「レイ姉、ひがまないで下さい。で、みくるさんってことは、ハルヒさん絡みですか」
有希「……正解。あなたには是非、ネルガルの制服とパイロットスーツを調達してきて欲しい」
ルリ「はぁ……。わかりました。すぐに用意できるとは思いますけど……みくるさん、また可愛そうな目に逢うわけですね」
有希「もはやこれはSOS団における既定事項」
ルリ「気が付けば、『お約束』?」
――後日
ハルヒ「よしっ、これでバッチリね! さすがは有希の姉妹だわ!」
みくる「ふぇぇ~っ、嫌です~恥ずかしいです~」
ハルヒ「何言ってんのよみくるちゃん。こーゆーとこで稼いで、そして名前を売り込んでおかなくちゃいけないのよ!」
キョン「名を売るも何も、朝比奈さんが北高でもトップクラスのアイドルなのは周知の事実だろうが。
ったく、要はお前が朝比奈さんで着せかえっこしたいだけなんだろ」
キョン(ま、お陰で素晴らしすぎるほどの目の保養にはなる訳だが。しかし目の保養ってのはなかなかに
ストックが効かないもんだな。これでも頑張って脳内ハードディスクはフルに動いて記憶してるんだが)
古泉「いえいえ、それはそれとして、各部のマスコットキャラとして朝比奈さんを貸し出すというのは面白いアイディア
だと思いますよ。コスチュームが全く無関係だったりするのも、彼女のルックスと愛嬌ゆえに許されますしね」
ハルヒ「ちょっとキョン! なに鼻の下50センチぐらい伸ばしてんのよ! ほら、他にもみくるちゃんを雇いたいっていう
部活はあるんだから、あんたもこの人だかりをどうにかしなさいっ!」
キョン「やれやれ、見てるだけが一番幸せなんだがね。しかしまぁこんなノボリ、センスのカケラもないと思ったが
予想以上に効果はあったみたいだな」
「プラグスーツ(白・赤)あります」 「ネコスーツあります」 「連合宇宙軍女性士官制服入荷予定」
キョン「ところで長門、お前までプラグスーツ着せられるとはな……。まぁ、姉妹だからかなんなのか、似合ってるぞ」
有希「……そう。こんな時、どんな顔をすべきかわからない」
キョン「……無理にとは言わんが、笑えばいい」
ハルヒ「また鼻の下伸びてるわよ。地面につける気かしら? キョン、部室の奥にあたし用の赤のプラグスーツと、
翠星石と同じドレスがあるから取りに行くわよ!」
キョン「おいおい、ちょっと待て、まさかお前までコスプレするってのか?」
ハルヒ「あたしのはあくまで宣伝活動の一環! ほら、四の五の言わずについてくる!」
キョン「あーはいはい、わかったよ……
(こいつの伴侶は、なにはなくともコスチュームを買う懐とクローゼットの広さが必要だな)」
ハルヒ「むっ、まだ何か言いたそうねえ?」
キョン「いいや……。なんでもないさ」
古泉「確かに長門さんにはピッタリですね」
有希「(コク) もう少し胸元が余ると思っていた。想定の範囲外」
古泉「いや……そういう『ピッタリ』じゃないんですが……」
みくる「み、みなしゃーん! 助けてくらしゃーい! なんかカメラ持った人がいっぱいいまーしゅ!」