――就寝の支度を終え、くつろぐ3人。
しかし長女だけは何か物憂げな表情を浮かべる。
レイ「たこ焼き……食べたい」
ルリ「はい……?」
レイ「たこ焼きが食べたいの……」
ルリ「駄目です」
レイ「……即答なのね」
ユキ「夜間での油分を多量に含有する食品を摂取することは、あらゆる面において推奨できない」
レイ「ねえ、有希ちゃんも食べたいわよね……?」
ルリ「もう……有希姉の言ったことを聞いてなかったんですか?
こんな時間にそんなモノ食べたらブクブク太るから駄目です」
レイ「いいわ……少しくらいふくよかな方が『お母さんって感じ』がするもの……」
ルリ「また屁理屈こねて……って有希姉は何で胸に手を当ててこっち見てるんですか」
ユキ「ブクブク……太る?」
ルリ「ええ、そこより手一つ分下の辺りが……いや、そんなに落胆しないでください
有希姉は聞く前から答えを分かってるでしょうが……」
ユキ「いい……希望的観測は往々にして逃避に過ぎないから…
そもそも私の姿形は申請が許可されない限り変化させることは不可能」
ルリ「羨ましいんだか羨ましくないんだか……」