何の変哲もない冬の終わりのある日。
帰宅した綾波を待ち受けていたのは、コタツの「上」で丸くなるルリの姿だった…
帰宅した綾波を待ち受けていたのは、コタツの「上」で丸くなるルリの姿だった…
レイ 「何をしているの」
何をしているのかと言われればコタツの「上」で丸くなっているのですが、
レイを困惑させたのはその行為ではなく…服装。
なんとルリちゃんは、鈴までつけたネコスーツを着込んでいたのです。
レイを困惑させたのはその行為ではなく…服装。
なんとルリちゃんは、鈴までつけたネコスーツを着込んでいたのです。
レイ 「ルリ」
ネコルリ「ルリじゃありません。ネコルリです。ふみゃー。」
なんということでしょう。レイ姉さんの愛する妹はいつのまにかネコになっていたのです。
たまには休みたい主婦がなんか疲れたとか適当な理由で自主休業しているわけではありません。
ネコルリ「みゃー。」
ネコルリは一鳴きすると、話は終わったとばかりに眠ってしまいました。
たまには休みたい主婦がなんか疲れたとか適当な理由で自主休業しているわけではありません。
ネコルリ「みゃー。」
ネコルリは一鳴きすると、話は終わったとばかりに眠ってしまいました。
レイ 「大変」
日常生活はルリに。非日常的なトラブルは有希に。
ルリがネコになってしまったなどという非常識なトラブルは、有希に頼めば何とかなる。
そして、ルリにカレーを作ってもらうのが私。夕ごはんを最初にいただくのが私。
カレーの肉をこっそり有希の皿に輸出するのが、私。
脳内の頼る人スクリプトを瞬時に処理した綾波は、迷うことなく有希の部屋に向かうのでした。
ルリがネコになってしまったなどという非常識なトラブルは、有希に頼めば何とかなる。
そして、ルリにカレーを作ってもらうのが私。夕ごはんを最初にいただくのが私。
カレーの肉をこっそり有希の皿に輸出するのが、私。
脳内の頼る人スクリプトを瞬時に処理した綾波は、迷うことなく有希の部屋に向かうのでした。
レイ 「有希。ルリがネコになってしまったの。」
有希は…制服を着ていた。それだけならいつも通りだが、
何というか…見た感じ、しっぽと…ネコミミが生えているようだ…
有希は…制服を着ていた。それだけならいつも通りだが、
何というか…見た感じ、しっぽと…ネコミミが生えているようだ…
レイ 「有希」
にゃがと「私は有希ではない。にゃがと。」
にゃがと「私は有希ではない。にゃがと。」
にゃがと「にゃー。」
まるでマニアックな男の気を引こうと頑張ったのはいいが引かれるのが怖くて会うのを諦めた
対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェイスのように見えるが、
対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェイスのように見えるが、
にゃがと「実際にこの格好をしてみたら色々きついものがあったとかそんなことはない」
らしいのでそれでいいことにする。
気配りは大事だ。
綾波はとぼとぼと台所に向かい、椅子に座る――体育座りで。
レイ 「どうしたらいいの」
もう結構な時間が経ってしまった。
レイ 「どうしたらいいの」
こんなに飢えたのは久しぶりだ、ガ島作戦以来か…などと脳内ジョークを飛ばしてみる。笑えない。
レイ 「どうしたらいいの」
台所はルリが管理しているので、何がどこにあるかわからない。作れもしないけど。
レイ 「どうしたら…」
気配りは大事だ。
綾波はとぼとぼと台所に向かい、椅子に座る――体育座りで。
レイ 「どうしたらいいの」
もう結構な時間が経ってしまった。
レイ 「どうしたらいいの」
こんなに飢えたのは久しぶりだ、ガ島作戦以来か…などと脳内ジョークを飛ばしてみる。笑えない。
レイ 「どうしたらいいの」
台所はルリが管理しているので、何がどこにあるかわからない。作れもしないけど。
レイ 「どうしたら…」
追い詰められた人間は様々な体験をする。
たいがいは錯覚として位置づけられるものではあるが――
たいがいは錯覚として位置づけられるものではあるが――
レイ 「私は…」
だから、綾波の自我がネコミミやしっぽの生えた自分を自己と規定しても何の不思議もないのだ。
あやにゃみ「私は…あやにゃみ」
ネコルリ「みゃー」
にゃがと「にゃーお」
あやにゃみ「ごろごろ…」
ネコルリ「…」
にゃがと「…」
あやにゃみ「…」
にゃがと「にゃーお」
あやにゃみ「ごろごろ…」
ネコルリ「…」
にゃがと「…」
あやにゃみ「…」
にゃがと「ルリ。」
ネコルリ「嫌です」
にゃがと「…」
ネコルリ「…」
あやにゃみ「カレー。」
にゃがと「カレーが何か。」
あやにゃみ「…」
ネコルリ「…」
にゃがと「…」
あやにゃみ「食べたい」
にゃがと「食べればいい」
ネコルリ「…」
あやにゃみ「…」
にゃがと「…ピッ」
あやにゃみ「…何をしているの」
にゃがと「援軍を要請した。アキトさんに要請した。ルリの携帯で要請した。」
ネコルリ「…何ですかそれ。何言ってるんですかそれ。」
にゃがと「現時点ではこの選択が妥当だと判断した」
ネコルリ「私のせいにしないでください。自分でキョンさんにでも連絡したらいいじゃないですか」
にゃがと「私はたかり行為のようなはしたないまねはしない」
ネコルリ「たった今したじゃないですか」
ネコルリ「嫌です」
にゃがと「…」
ネコルリ「…」
あやにゃみ「カレー。」
にゃがと「カレーが何か。」
あやにゃみ「…」
ネコルリ「…」
にゃがと「…」
あやにゃみ「食べたい」
にゃがと「食べればいい」
ネコルリ「…」
あやにゃみ「…」
にゃがと「…ピッ」
あやにゃみ「…何をしているの」
にゃがと「援軍を要請した。アキトさんに要請した。ルリの携帯で要請した。」
ネコルリ「…何ですかそれ。何言ってるんですかそれ。」
にゃがと「現時点ではこの選択が妥当だと判断した」
ネコルリ「私のせいにしないでください。自分でキョンさんにでも連絡したらいいじゃないですか」
にゃがと「私はたかり行為のようなはしたないまねはしない」
ネコルリ「たった今したじゃないですか」
喧々囂々
あやにゃみ「…カレー。」