3-306Episode 2と連なる大作の2.5話です。


Episode2.5 「ネルガルな日々」


今日は朝から学校が休日なのにネルガルでお仕事です。
なんでも休み明けにゲキガンタイプの人造人間、通称エヴァンゲリオン5,6,7号機をネルフに出荷する際にもう1度マギシステムによる正確な最終チェックと測定データを取る必要があるらしく、そのための調整中なわけで・・・。
と、いうのはついでで今日はアキトさんにレシピ集を貰いに来ました。
家には飢えると見境なくなる有希姉と食材を兵器にしてしまうレイ姉がいるためあまり味にこだわる必要は無いんですが・・・。
もう、あと少しでクリスマスなのでアキトさんのためにホウメイさんから何かレシピを教えてもらおうと頼んでみたところ、ホウメイさんからアキトさん本人にレシピを教えて貰えばいいって言われてしまいました。
そして、この間レシピ集を貰う約束をして、今日はアキトさんからレシピ集を貰う日なんです。
ルリ「・・・ふぅ~」
局員A「どうしました?」
ルリ「いいえ、何でもありません」
それにしても、こんな狭い中で何の役にも立たない局員がずーっと張り付いてこっちを監視してきます。
ま、この間のオモイカネ騒動で、上から嫌われてしまったからなんでしょうが・・・。
やっぱりやり辛いです。
早く終らせてアキトさんに会いたいのに気を散がちってしまいます。こういうのを一日千秋って、言うんでしょうね。

 ・・・・・・・・・
ルリ「調整終りました」
局員A「えっ!?あ、はい、お疲れ様です」
局員がこっちを見ています。早くどいて。
局員A「あっ!失礼」
はぁ、やっと終りました。
局員A「マギシステム起動開始してください」
局員B「了解。マギシステム起動開始」
局員C「アマテラス、ツクヨミ、スサノオ共に正常に作動中。全システム問題なし。ホシノさん、お疲れ様です」
ルリ「お疲れ様です」
局員A「いやー、たった2時間で調整を終らせるなんてさすが『電子の妖精』ですね」
ルリ「ええ、どうも。それでは、これで失礼します」
私は発令所の出口へと向かいました。
局員A「いや~、素晴らしいですね。あの若さでマギシステムの調整を一人でやってのけるなんて」
局員B「止めとけ止めとけ。あいつら変人愚連局のやつらに関わるとろくなことにならない。この間のオモイカネ廃棄騒動の時、うちの連中の中に左遷されたやつもいたしさ。藪蛇なことはしないほうがいい」
局員C「そうそう、だけど、あの局から左遷やクビになったやついないらしいぜ」
局員B「いいね~あの局は、俺たちの局ももっと優遇してほしいよ」
局員C「だめだめ、家の局員はまともだから」
局員B「ああ、そうだったな」
扉にたどり着き私は溜息をついて廊下に出ました。
本当に家の局は本当に嫌われ者です。ま、私もですが・・・。


ここで説明を少々。
ネルガル重工は巨大な企業でその中で唯一異常な局がありました。
局とは言ってますが実は人員規模は部に等しく権限だけが局並みという異常なところなんです。
名称は『優人特務局』です。上からはよく『ネルガルの癌』と疎んじられ、他局からは『変人愚連局』と妬まれ、
そして、当の局員の間(乗務課)では『国分寺超研究局』と呼ばれています。とにかく名前の沢山ある局です。
いっそのこと『イッパイアッテナ局』ってのはどうでしょう。
まあ、説明はこのくらいにして・・・

中央ビルを出て私は、第1研究所の3階にある『優人特務局』のアキトさんの居る乗務課に向かいました。

近づいていくと乗務課の部屋の中から音楽と叫び声が聞こえてきます。
ガイ「夢が明日を呼んでいる~~
魂~の叫びさ
レッツゴーパッション!」
アキト「いつの日か平和を~~
取り戻せこの手に
レッツゲキガンガー3~~」
扉を開くとアキトさんとヤマダさんがまたゲキガンガーを熱唱しています。
周りでは白鳥さんと月臣さんと天野さんが手拍子をして、なぜかイネスさんやウリバタケさん、それに時田さんまでいます。
そんな中、局長のプロスさんが机に突っ伏していました。
ルリ「プロスさん、どうしたんですか?ここは局長室じゃありませんよ」
プロス「ああ、ルリさんですか、お疲れ様です。報告は後でいいですからとりあえずこれから報告会をしようと思うので、この騒ぎを終らせて下さい」
プロスさん、お疲れのようでさっきから目の焦点が合っていません。
ルリ「わかりました」


私は大音響を響かしているMDプレーヤーを止めました。
ルリ「アキトさん、こんにちは」
アキト「やあ!ルリちゃん久しぶり!」
急に音楽を止められた事に驚きながらもアキトさんは挨拶をしてくれました。元気はいいようですが今日の約束覚えているでしょうか?
ガイ「ああ!何で止めるんだ!まだ2番があるんだぞ!」
取り乱しているヤマダさんをアキトさんが押さえてくれます。
アキト「まあまあ、ガイ、落ち着いて」
ガイ「ふん!」
私はガイさんをあまり好きにはなれません。いつもアキトさんの側にいるから・・・。
ルリ「ヤマダさん、部屋では静かにしてください」
ヤマダさんはまた怒り出しました。
ガイ「だ、か、ら!俺の名前はヤマダジロウじゃなくてダイゴウジガイなの!いい加減覚えてくれよな!」
ルリ「はい、ヤマダさん」
ガイ「ダ、イ、ゴ、ウ、ジ、ガ、イ!」
アキト「まあ、まあ、そう怒らないで。それで、ルリちゃん今日はどうしたの?」
ルリ「え?マギシステムの調整に来たんです。・・・もう、済みましたけど」
もしかして
アキト「そっか、仕事早いね、ルリちゃん」
ルリ「いえ・・・」
アキトさん忘れてますか?
プロス「はい、はい、御静粛に!」
皆の眼が手を叩くプロスさんに向けられました。


プロスさんは咳払いをします。
プロス「オホン。それでは報告会を始めたいと思います。が、その前に先ほど本部から月面探査に向かい消息を立っていた『ナデシコ』が見つかったとの報告が届きました。」
アキト「えっ!それで、ユリカは!?」
九十九「ミナトさんは無事なのか!?」
アキトさんはまたユリカさんですか。
プロス「はい、全員無事です。何でも突然『サツキミドリ2号』の直近くに現れたそうでこれから詳しい検査が行われるようです」
アキト「そっか・・・」
九十九「よかった・・・」
アキトさんも白鳥さんもほっとしているようです。
プロス「では、今日の本題のジンシリーズについてなんですが」
ウリバタケ「それは俺のほうから説明するぞ!」
ウリバタケさんがイネスさんを抑えて先に立ち上がりました。眼を輝かせています。
ウリバタケ「ジンシリーズのテツジンとマジンの二機の完成は間じかで、再来週からアキトとガイ、それに九十九、元一郎、ヒカルには両機に搭乗しての起動実験並びに実践的な操縦訓練に移ってもらうからな!」
ガイ「ああ!ついに俺専用のゲキガンガーが!」
九十九「ガイ、別にお前のと決まったわけじゃないぞ」
ガイ「いや、俺のになるんだよ、最終的に!」
九十九「なんだと?」
また、白鳥さんとヤマダさんの言い争いが始まりました。二人とも皮算用は止めてください。
そんな言い争いはどこ吹く風とウリバタケさんは聞き手のことなどまったく気にせず説明を続けます。こっちも勝手ですね。
ウリバタケ「いや~今まで大変だったよ!エヴァのコアとIFSの連動とか核燃料の搭載とか、JAシステムの改良とか、それから」
プロス「ああ、ウリバタケさん、もういいですから」
プロスさんがウリバタケさんの説明を途中で切り上げさせてしまいました。
ウリバタケさん、ちょっと不満顔ですが演説ぶれたのでそのまま席に座りました。
それを確認して、プロスさんは言葉を続けます。
プロス「・・・と、言うことで、今日の報告会を終了します」


イネス「待って!」
今まで黙っていたイネスさんが不満そうに立ち上がりました。みんな露骨に嫌な顔をします
イネス「ちょっと、酷過ぎませんか?私、何も説明していませんよ?」
プロスさん溜息をついてから笑顔でイネスさんに向き直ります。
頑張ってプロスさん。
プロス「大丈夫ですよ、イネスさん。皆さんにはイネスさんが言いたい事はよ~~~くわかってますから何の心配もありません」
一同が強く頷き、イネスさんは渋々椅子に座りなおしました。
プロス「それでは、解散してください」
報告会が終り皆は仕事に戻ったり、それぞれの課に帰っていきました。しかし、イネスさんは不貞腐れたようで、そのまま研究課に戻らず机に積みあげたみかんをパクパクと凄い勢いで口の中に詰め込んでいきます。
 ・・・リスみたい。
ウリバタケさんは時田さんとさっきの説明に関して言い争いをしています。
私はプロスさんと局長室に向かいマギシステム調整についての報告をしました。

ルリ「・・・これで終ります」
プロス「ご苦労様でした」
ルリ「いえ」
プロスさん、かなり疲れているようです。
ルリ「疲れてるみたいですね」
プロス「ああ、実はね昨日も早朝まで会長の会話を聞いててね」
ルリ「また、盗聴ですか。悪ですね」
プロス「いえいえ、これもこの局存続のためです」
趣味のためじゃないんですか?
プロス「それでですね。5ヶ月前の日本重化学工業共同体でのJA暴走事件があったでしょ?」
急にプロスさんにの顔に生気が戻ってきました。
ルリ「ええ、確かネルフの活躍で核爆発は防げたようですね」
プロス「あの暴走事件。実はネルフとネルガルによる破壊工作が原因だったようなんですよ」
ルリ「えっ!じゃあ、この間ネルガルにJAシステムの技術と時田さんが来たのも・・・」
プロス「ええ、多分。それにこの事件によってネルガルは日本いやアジアの経済を完全に独占したことになりましたからね。他にもなんか色々やっているようで、エヴァ5,6,7号機の製造を委託されたのもその1つでしょう。とにかく家の会長は野心家のようです」
ルリ「でも、そうなるとこの優人特務局も存続されるじゃないですか?」
プロス「ええ、そうなんですがね。この事態、喜んで良いものか・・・まだ判断するには早そうです。」
ルリ「そうですか。まあ、捕まらない程度に頑張ってください」
プロス「そうしますよ」
局長室を退室して、乗務課へ戻ると既にアキトさんはいませんでした。


アキトさんを探してエヴァンゲリオンの格納庫に行ってみるとウリバタケさんが並んで立っている5,6,7号機に向かって何か話しかけています。
ルリ「ウリバタケさん?」
ウリバタケ「ああ、ルリちゃんか。アキトを探しているのかい?」
ルリ「・・・はい、まあ」
ウリバタケ「アキトなら下で俺のプラモ見てるよ。まったく勤務中なのに不真面目なやつだよな、あいつも」
ルリ「そうですか・・・あの、何してるんですか?」
ウリバタケ「うん?ああ、お別れを言いにな」
ルリ「お別れ、ですか?だって修理に戻って来きたりするんですよね?」
ウリバタケ「ああ、そうだがネルフの方であらかたの修理は出来るみたいだし、こっちに来るような時はもう眼も当てられないくらい酷い時くらいで廃棄されるのが落ちだ。それに俺にはジンシリーズの開発がある。だから、もう会う事は無いから最後にお別れを言っておきたかったんだ。見ろ、こいつら笑ってやがる」
ルリ「そうですか?私には良くわかりませんが」
ウリバタケ「うんと、そうだな・・・ルリちゃんはオモイカネの気持ち理解できるだろ?」
ルリ「はい」
ウリバタケ「それはルリちゃんがオモイカネを愛してるからだよ。俺も見てくれはまさに悪の兵器みたいなこいつらを愛してるんだ。だからだよ」
ルリ「そうですか。邪魔しちゃってごめんなさい」
ウリバタケ「いや、いいんだよ。話聞いてくれてありがとね、ルリちゃん」
ルリ「いえ、それじゃあ私、アキトさんのところに行きます」
ウリバタケ「ああ、おれもそろそろテツジンの所へ戻るは」

ウリバタケさんと別れて階段を下りて行くとアキトさんがいました。
ふう、どうやらヤマダさんは居ないようです。
ルリ「アキトさん?」
アキト「ああ、ルリちゃん!どうしたの?あっ、そういえば・・・」
もしかして・・・。
アキト「オモイカネは元気?」
そっちですか。
ルリ「はい、元気です。あの時はありがとうございました」
アキト「何言ってるんだよ、俺はルリちゃんのナイトだからさ、俺がルリちゃんを守るのは当然じゃないか」
ルリ「・・・ありがとうございます」
アキト「・・・いや」
ルリ「あの、今日はこの間アキトさんに頼んでおいたレシピ集のことで・・・」
アキトさんは最初頭にハテナを浮かべていましたが、急に表情を変えました。
アキト「あっ!ごめん!ルリちゃん、家に忘れてきちゃった」
そんな~~~~~~!というのは心の声です。
ルリ「ああ、あの、気にしないで下さい。また、次の機会でいいですから」
アキト「本当にごめん。あっ!そうだ!」
そう言ってアキトさんはポケットからメモ帳を取り出しました。
アキト「これ、俺のメモ帳。レシピ以外の事と書いてあるしちょっと文字読み辛いと思うけどとりあえず次会う時まで貸すね」
ルリ「え、いいんですか?これアキトさんにとって大事なものじゃないですか」
アキト「いや、今回は俺が忘れてたことが悪いから・・・本当にごめんね」
ルリ「いいえ、そんなこと無いです」
こっちのほうが貴重です。
アキト「え?」
ルリ「いえ、何でもありません。それじゃさようなら」
アキト「うん、またね、ルリちゃん」
アキトさんはまだプラモを見るらしく邪魔しちゃ悪いので私は家に帰ることにしました。

今日からクリスマスまでの間、練習のために腕によりをかけて料理を作りたいと思います。
おいしい料理に姉たちはきっと喜ぶだろうな・・・あっ、でもそんなことするとお礼とか言ってまたエッチなことをしてきそうだな・・・どうしよう。
そんなことを考えながら私は電車に乗りました。





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