ネルガルの慰安旅行を終え、三日ぶりの家に帰ってくると、ちょうど有希姉が玄関を開けようとしているところだった。
「有希姉も今帰ってきたところですか?」
有希姉はこくんと頷く。
有希姉も私と同じ日程でSOS団の合宿に出かけていた。
妹としては、キョンさんとの仲が進展したかどうかが多少気になるところだが、その話題は家の外で振るようなものではない。
それに、今一番気がかりなことと言えば、
「レイ姉は、無事でしょうか?」
家に一人残されたレイ姉のことだ。
子供ではないし、2、3日ぐらい平気だとは思うが、あの姉のことだ、油断はできない。
有希姉の後について家に入る。
「ただいま…」
私は声に詰まる。家で最初に目にした光景、それは床にうつ伏せで倒れるレイ姉の姿だった。
「レイ姉!」
駆け寄り、レイ姉を抱き起こす。怪我らしいものは見当たらない。
「ルリ…」
擦れた声で、私を呼ぶ。
「大丈夫ですか!?一体何が!?」
ぐぅ~~~
一瞬の静寂。
「…お腹…減った…」
「お腹って…」
はぁ、っと頭を抱える。心配損。損害賠償を請求できるのなら、今すぐ弁護士に相談に行きたいぐらいだ。
「出前を取ってくださいと、お金は置いていったでしょう?出前、とらなかったんですか?」
「ルリ…こんなものがテーブルに」
有希姉がそう言って私に見せてくれたのは、出前寿司のチラシだった。
まさかとは思うが…
「…寿司…食べたんですか?」
「……」
レイ姉の視線が、私から逃れるようにすぅーと右に流れる。
「…どれを、食べたんです?」
「……上……」
特上ではなく、上を頼んだのは、もちろんなけなしの良心からではなく、置いていったお金で頼める最高の物が、上寿司だったからだ。
上寿司の内容を確認するが、中トロが入っている。
中トロ!私なんて玉子やかっぱ巻きだってここしばらく食べてないって言うのに!
そんなものを食べながら、お腹が減ったと倒れていたと言うのか。
「情状酌量の余地なし!」
「…全部貧乏が悪い…」
「今回は全てレイ姉の責任です!」
「有希姉も今帰ってきたところですか?」
有希姉はこくんと頷く。
有希姉も私と同じ日程でSOS団の合宿に出かけていた。
妹としては、キョンさんとの仲が進展したかどうかが多少気になるところだが、その話題は家の外で振るようなものではない。
それに、今一番気がかりなことと言えば、
「レイ姉は、無事でしょうか?」
家に一人残されたレイ姉のことだ。
子供ではないし、2、3日ぐらい平気だとは思うが、あの姉のことだ、油断はできない。
有希姉の後について家に入る。
「ただいま…」
私は声に詰まる。家で最初に目にした光景、それは床にうつ伏せで倒れるレイ姉の姿だった。
「レイ姉!」
駆け寄り、レイ姉を抱き起こす。怪我らしいものは見当たらない。
「ルリ…」
擦れた声で、私を呼ぶ。
「大丈夫ですか!?一体何が!?」
ぐぅ~~~
一瞬の静寂。
「…お腹…減った…」
「お腹って…」
はぁ、っと頭を抱える。心配損。損害賠償を請求できるのなら、今すぐ弁護士に相談に行きたいぐらいだ。
「出前を取ってくださいと、お金は置いていったでしょう?出前、とらなかったんですか?」
「ルリ…こんなものがテーブルに」
有希姉がそう言って私に見せてくれたのは、出前寿司のチラシだった。
まさかとは思うが…
「…寿司…食べたんですか?」
「……」
レイ姉の視線が、私から逃れるようにすぅーと右に流れる。
「…どれを、食べたんです?」
「……上……」
特上ではなく、上を頼んだのは、もちろんなけなしの良心からではなく、置いていったお金で頼める最高の物が、上寿司だったからだ。
上寿司の内容を確認するが、中トロが入っている。
中トロ!私なんて玉子やかっぱ巻きだってここしばらく食べてないって言うのに!
そんなものを食べながら、お腹が減ったと倒れていたと言うのか。
「情状酌量の余地なし!」
「…全部貧乏が悪い…」
「今回は全てレイ姉の責任です!」