ガタ、ガタガタ・・・ドスン!
例年は余り台風の来ない北国に、今年は台風がやって来た。それも、とびきり大きいのが。
平素、雪と吹雪には慣れているものの、之ほどの強風は初めてであった。

ガタン!と戸を揺らすたび、ルリは思わずびくっとしてしまう。
むしろ、なんら表情を変えず並んで読書している姉達を不思議に思う。それともこれが普通?
そんなルリを見かねてか、長女が問うた。
「ルリ、大丈夫?怖い?」
「少しだけ。初めてだから」
そう答えたルリを黙って見つめるレイと有希。小さく頷くと・・・
「・・・ATフィールド展開。台風を消すわ」
「・・・局地的気象情報の改竄を開始。今後数百年は深刻な影響が出るが、気にしない」

びしっ!と、同時にルリが二人に平手で突っ込む。
「そ、そこまでしなくて良いです」
若干、不満げにこちらを見る姉達に、軽く溜息付く。
そして、おもむろに並んで座って居た姉たちの間に強引に割り込む。
「ここでこうしてると安心・・・」
ルリと有希の表情が柔らかくなる、ごく一部の人にしか分からない程度に。

小さな小さなあばら家、外は台風。けど、家の中はいつもどおりあたたかかった。





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