くらくらした頭で野菜炒めを作り、私は再び布団に潜る。
あぁ、全く腹が立つ。なんで私が。
風邪をひかされた挙句、労働まで。
おかげで体調も良くなるどころか、悪くなる一方だ。
なんで私がこんな目に。
ああ、どんどんイライラしてきた。
なんで、なんで、なんで…
あぁ、全く腹が立つ。なんで私が。
風邪をひかされた挙句、労働まで。
おかげで体調も良くなるどころか、悪くなる一方だ。
なんで私がこんな目に。
ああ、どんどんイライラしてきた。
なんで、なんで、なんで…
「起きた?」
目を覚ました私を迎えてくれたのは、有希姉だった。
「もう目を覚ます時間だと思った」
「そうですか」
有希姉はタオルと着替えを渡すと、音もなくダイニングへ消えていった。
私は汗で濡れた体を、タオルで丁寧に拭き、渡された服に袖を通す。
すると着替えが終わるタイミングを見計らったように、有希姉がカレー皿を持ってやってきた。
「また、お見通しですか?」
有希姉は何も言わず、カレーを渡す。
「病人にカレーというのは、どうかと思いますが…」
「肉なしカレー。姉さんも食べた」
ということは、晩ご飯の用意は私がやらなくてもいいというわけだ。それはありがたい。
「まあ、この際文句は言いませんけど…」
私が食べ始めるのを見ると、有希姉はすっとダイニングへ姿を消した。
有希姉のカレーは、昼のレイ姉の料理とは違い味も抜群。
これなら少しは食事を作るのを手伝ってくれたっていいのに。
などと考えていると、またふすまが開いた。
有希姉が何か言いに来たのかと思い、目を向けると、顔を覗かせたのはレイ姉だった。
「…何か、用ですか?」
カレーを食べるのを止め、声を掛ける。
レイ姉さんは鍋敷きに置いた鍋を、ずずっと差し出した。
お粥。
昼のリベンジのつもりなのだろう。が、
「…私、すでに有希姉から、カレーを貰っているのですが?」
「…そう…」
レイ姉は寂しそうに、目を伏せる。
湯気の上がるお粥。
はぁ、っと大きなため息が漏れた。
「そこに置いていてください」
「…そう…」
レイ姉の返事は、ほんの少し嬉しそうに聞こえた。
「全く…案外バカよね、私も…」
レイ姉が居なくなった場所を眺めながら、ポツリと呟いた。
目を覚ました私を迎えてくれたのは、有希姉だった。
「もう目を覚ます時間だと思った」
「そうですか」
有希姉はタオルと着替えを渡すと、音もなくダイニングへ消えていった。
私は汗で濡れた体を、タオルで丁寧に拭き、渡された服に袖を通す。
すると着替えが終わるタイミングを見計らったように、有希姉がカレー皿を持ってやってきた。
「また、お見通しですか?」
有希姉は何も言わず、カレーを渡す。
「病人にカレーというのは、どうかと思いますが…」
「肉なしカレー。姉さんも食べた」
ということは、晩ご飯の用意は私がやらなくてもいいというわけだ。それはありがたい。
「まあ、この際文句は言いませんけど…」
私が食べ始めるのを見ると、有希姉はすっとダイニングへ姿を消した。
有希姉のカレーは、昼のレイ姉の料理とは違い味も抜群。
これなら少しは食事を作るのを手伝ってくれたっていいのに。
などと考えていると、またふすまが開いた。
有希姉が何か言いに来たのかと思い、目を向けると、顔を覗かせたのはレイ姉だった。
「…何か、用ですか?」
カレーを食べるのを止め、声を掛ける。
レイ姉さんは鍋敷きに置いた鍋を、ずずっと差し出した。
お粥。
昼のリベンジのつもりなのだろう。が、
「…私、すでに有希姉から、カレーを貰っているのですが?」
「…そう…」
レイ姉は寂しそうに、目を伏せる。
湯気の上がるお粥。
はぁ、っと大きなため息が漏れた。
「そこに置いていてください」
「…そう…」
レイ姉の返事は、ほんの少し嬉しそうに聞こえた。
「全く…案外バカよね、私も…」
レイ姉が居なくなった場所を眺めながら、ポツリと呟いた。
次の日。
「姉さん。今日はルリ、腹痛」
「…そう…」
「姉さん。今日はルリ、腹痛」
「…そう…」