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ガシャッ!ジャーッ・・・
囲炉裏のやかんが倒れ、暗闇に水蒸気が立ち昇った。
「あんたは私の言う事をおとなしく聞いてりゃいいのよ!」
長女が大きな瞳を吊り上げて次女を組み敷いた。
「な、なんですってー!ふ、ふざけるなー!ぺっ!」
腹の上に座わり、両手を掴かんで近づけた顔にツバを吐き掛ける。
外は吹雪、だが二人とも寒いどころか体から湯気が出るほど体温を上昇させていた。
叩きつける風雪より、二人の取っ組み合いで家が揺れる。この姉妹の住まいはボロなのだ。

もぞもぞと、安全なトランクルームに逃げ込んだ末の妹が呟く。
「ああ・・またやっていやがる。お腹が空いてるんだからじっとしてればいいのに。」
この狭い空間は然程寒さを感じない。
カチリ
突然、差し込む光に驚く。

長女は柔らかく笑うと、次女を手招きして呼び寄せる。
三女は半分だけ体を起こして、二人の顔を恐る恐る見上げる。
「何か食べる物ない?」長女の問いに勢い良く首を横に振る。

それを嬉しそうに見て、ハルヒは二人に語りかける。
「明日は、お隣にお米があるから。絶対に白いお米いっぱい盗ってくるからね・・・
明日は上手くやるのよ!いいわね!あら?二人ともまだご不満?」

外は相変わらずの吹雪。しかし、この小さな家の囲炉裏の淵は、いつも通り慌しかった。




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