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[[1-354]]の続きです。
長門、立つ。
ルリ「姉一号…なんですか」
長門「食事の支度。今日は私が作る」
ルリ「…材料がありません」
長門「……(視線を犬に)」
……………。
二人「!!!」
犬「わん?」
綾波「姉さん…」
長門「温情は必要ない。私は家族の共有財産に手を付け、迷惑をかけている。こうでもしないと自分を許すことが出来ない」
ルリ「そんなことはありません…!」
長門「家族であってもルールに違反した以上は何らかのペナルティーを課せられるべき」
ルリ「違います。牛肉2㌔を独り占めした罪が当番の交替ぐらいで許されるなんて思わないで下さい」
長門「……」
綾波「姉さん。犬はダメ」
長門「現状、他に食糧となりうるものがない」
綾波「だとしても…犬はダメ」
ルリ「その通り。姉二号、言ってやってください」
綾波「私、肉は嫌い」
ルリ「……」
綾波「肉。嫌い」
長門「…そういえば戸棚にそうめんがまだ一束」
綾波「涙を拭いて、ルリ。ポチとは…また逢える。いつか…あの海の中で(?)」
ルリ「泣いてないです。それとそうめんは私のお腹に入りますよ、全部」
綾波「……え?」
ルリ「あと、さりげなく彼にベタな名前を付けないで下さい」
綾波「…何故?」
ルリ「そうめんは私が私の小遣いで私のために買ってきたものです。いつの間にやらたった一束になってますけど(チラッ)」
長門「……(知らん顔)」
綾波「…少しくらいは」
ルリ「もう一度言います。1本残らず私が食べます。犬も禁止です」
綾波「私の夕飯は?」
ルリ「キムコがあるじゃないですか。たんと召し上がれ」
綾波「……」
ルリ「それよりも…姉一号」
綾波「ルリ」
ルリ「この犬は食べさせません」
綾波「ルリ」
長門「…人体に害をもたらすことはない。実際、海外では―…」
ルリ「確かに“あちらの国”ではそういう食文化もあります。けれど一般的な日本人にとって犬は愛玩動物であり、食用動物ではありません」
綾波「ルリ、聞いて」
長門「民族的な嫌悪感については理解できる。しかし困窮を極めた状況では、その程度の禁忌は侵されるべき。背に腹は代えられない」
ルリ「それについては同意見。しかしこの状況を招いた責任の所在を考えたとき、姉一号に食べる権利はありません。食べるのは私です。全部、私のです。それこそ背だろうが腹だろうが。骨の髄まで」
綾波「聞いて、ルリ」
長門「…少しくらい」
ルリ「ダメです。私も命がかかってますから。姉二人にあげられるのは…皮くらいかな?」
綾波「ルリ」
ルリ「さっきからなんですか、姉二号」
綾波「死ぬわ」
ルリ「どうぞ。貴方の人生ですから。姉一号。二号が死ぬそうです。皮は独り占めできますね」
長門「ありがとう。私の妹」
綾波「キムコを食べたら死ぬわ」
ルリ「そうですか。姉一号。二号はキムコを食べた後に死ぬそうです」
長門「さようなら、私の妹」
私達「キムコを食べたら私は死んでしまうわ」
ルリ「これぞ決め台詞の使いどころですね。姉一号。CV・林原閣下で」
長門「『貴方が死んでも代わりはいるもの』」
綾波「ぎゃふん(棒読み)」
犬「わん」
次女 LOSE
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