「3-306」(2007/08/30 (木) 10:52:59) の最新版変更点
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いつもの朝。いつもの日々。有希姉は登校時間ぎりぎりまで眠り続け、レイ姉は有希姉と私のお弁当を作っています。
そんな日々。だけど、今日はなんだか様子が変。
朝起きると珍しく有希姉が起きていて、レイ姉が卵焼き作りながら物憂げな顔をしています。
ルリ「おはよう。レイ姉、有希姉」
有希「・・おはよう」
レイ「うぅ・・ぅ・・・・」
ルリ「?・・・・・・レイ姉?」
レイ「・・・・・・・・・」
ルリ「レイ姉?」
レイ姉の顔を覗くとやっと気付いたようです。
レイ「・・・お、おはようルリ・・・今日は早起きね・・」
ルリ「・・・レイ姉?」
レイ「何?・・ルリ・・」
ルリ「目玉焼き・・焦げてますよ」
レイ「え?・・・・・・・!!
あぁ・・折角の卵焼きが・・・・今日は上手く出来たのに・・」
そう、レイ姉はいつもお弁当を作ってくれるのですが・・・
はっきり入ってピース国の料理なみに不味いです。
でも・・・毎朝がんばっているレイ姉はとても好き・・・
ルリ「今日はどうしたんですか?朝からボーっとして・・・夜更かしですか?」
レイ「い、いえ・・・まあ、そんな感じなんだけど・・・大丈夫よ。
お姉ちゃん心配事なんてないから。それを訊いてほしいなんて思ってないから・・・」
ルリ「・・・・・・・・・で、訊いてほしいことって何ですか?」
レイ「実は・・・実はね・・・碇君が・・・」
見たいな感じでいつもなら心配事というより愚痴に近いことを訊くことになると思っていたんですが、
なんだか今日はそんなそぶりも見せず。ただ、「うん・・」と言ったきり口をつぐんでしまいました。
そして朝食時
ルリ「・・・・・・・・・・・・」
レイ「・・・・・・・・・・・・」
有希「・・・・・・・・・・・・」
ルリ(久しぶりだな。こんなに静かな朝食なんて・・・
いつもなら聞いてもいないのにレイ姉が碇君のこと話すのに・・・)
学校の帰り道。公園のブランコの所で近所の3姉妹の末妹の翠さんに会いました。何だか
元気がありません。
ルリ「こんにちは。翠さん」
翠 「・・・ルリですか・・・」
ルリ「どうしたの?惣流さんと喧嘩でもしたの?」
翠 「違うですぅ・・アス姉はいま病院のベットで寝たきりですぅ。翠星石が見舞いに来てやったのにピクリともしないですぅ・・・だからハル姉はこの頃いつも病院に行って家にいないで寂しいですぅ・・・」
ルリ「翠さんのスィドリームで何とかできないんですか?」
翠 「やってみたですぅ。でも、でもアスカの樹にくっついているあの変な樹を枯らせることが出来ないですぅ。それに、なんか古泉とかいう笑い人形が遠まわしに『止めろ』て、警告して来たですぅ。あいつ苦手ですぅ・・・」
ルリ「気休めしかいえませんが。元気を出してください。翠さんが元気ださないと涼宮さんも惣流さんも帰って来辛いじゃないですか」
翠 「そう、そうですね・・・今日はハル姉あたりが帰ってくるでぅ。翠星石の作った料理で頬っぺた落としてやるでぅ」
そういい残して翠さんは元気よく帰っていきました。
帰宅後
ルリ「ただいま」
・・・・・・・・・・・・・・
ルリ「?」(今日は誰も居ないのかな?)
いつもなら。レイ姉は必ずといって良いほど家にいるのですが・・・
ルリ(あれ?朝食の食器がそのまま。レイ姉どうしたんだろう?)
ルリ「ぅわ!」
最初は家具の一部と勘違いしていましたが、
テーブルの椅子に座って壁を眺めているレイ姉がいます。
レイ「・・・・・・・・・・・・」
ルリ「レイ姉?」
レイ「・・・・・・・・・・・・」
これはおかしいです。レイ姉らしくないです。何とかしないと・・・。
有希「・・・そう・・・」
「THE DAY OF SAGITTARIUS Ⅳ」をしながら生返事をする有希姉。
この間の騒動からずっとです。
ルリ「有希姉、ちゃんと聴いてください!それに何でオモイカネでゲームするんですか?
自分のパソコンでやってください。」
有希「・・・ルリもやる?」」
ルリ「いいです。それよりもオモイカネでネルフのマギシステムにハッキングして
レイ姉の元気のなさの原因を見つけないと・・・」
有希「・・そう・・・それなら・・・・もう済んでいる」
ルリ「え?もう?いくらオモイカネでもマギシステムへのハッキングには
時間がかかるのに?どうして?」
有希「PCの意思を書き換えて演算力を上げた」
ルリ「!・・・オモイカネとの忘れえぬ日々を・・・
どうしてくれるんですか!」
有希「問題ない・・情報操作は得意。
オモイカネは元からそういう記憶だったことにする・・・・」
ルリ「ひどいです・・・うぅぅ・・・」
有希「・・・・・・・・」
有希「・・・冗談」
ルリ「うぅ・・・笑えません」
・・・・ど、どうやらオモイカネへの書き換えは冗談だったみたいですが・・・
私以外の人にはなつかないオモイカネがなぜだか有希姉には逆らわなかったようで・・・
いったい何をしたのでしょう?・・オモイカネに訊いても答えてくれません。
それにしても、長門姉とオモイカネの調べによると特務機関はとても巨大な組織のようで、
ゲキガンタイプの人造人間を3体所持しているそうです・・・。
どうやらそのパイロットの一人の惣流さんが通称『使徒』とよばれる生物に精神攻撃を受けてしまい
碇さんは毎日お見舞いをしているそうで・・・
レイ姉とはほとんど会うこともなく日々が過ぎ・・・。
そして、つい先日、渚さんがネルフに加わり、
どうやら彼が来てからというもの碇さんは彼と寝起きを共にしているようで・・・
レイ姉の憂鬱ぶりはどうやらそこらへんが原因のようです。
それから直ぐに有希姉とわたしは特務機関を出てきた渚さんと碇さんの後をつけ2人
が別れるのを待ちました。そして、廃墟の点在する池の中ひときわ大きい池のそばの道で2人は別れました。
渚さんは道をそれ池の畔へと向かいました。
カヲル「誰だい?特務機関からずっと尾行していたみたいだけど・・・」
いったい何時ばれたの?有希姉の力で見えないはずなのに・・・
ルリ「始めまして。レイさんの妹のルリと有希です」
有希「・・・・」コクリ
カヲル「・・・ふーん・・・ふふ。始めましてレイさんに有希さん。
僕に何の御用かな?」
ルリ「これ以上碇さんに近づかないでください」
カヲル「はは、面白いこというね。また、どうしてかな?」
ルリ「レイ姉のためにです」
有希「・・・・」コクリ。
カヲル「ふふふ・・・そう。・・ふふふ・・・『レイ姉のため』ね・・・
でも、それはダメなんだ。これは僕の任務でだし僕の望みでもあるんだ。
シンジ君を渡すわけには行かないよ。それに、それは君たち姉妹の問題でさ・・」
有希「渚カヲルを敵性と判定。当該対象の有機情報連結を解除する」
ルリ「有希姉!?」
ルリ(『解除』て・・殺すんですか!?)
有希姉は瞬時に渚さんの前に近づいて呪文を唱える。
しかし、渚さんの前で有希姉の攻撃は何かの壁に阻まれてしまう。
ルリ「え!?」
ルリ(有希姉の攻撃が聞かない!?まさかA.T.フィールド!?)
カヲル「ちょっと。酷いなあ・・・いきなり攻撃なんて・・・。
まったく・・・でも、そんなんじゃ僕は倒せないよ。長門さん」
有希姉は跳躍して渚さんから距離をとる。
有希「・・・・・」
??「困りますね、僕の大事なカヲル君を苛めるのは・・・。
それにこの行動は機関への宣戦布告と同義ですよ?
僕ら機関と長門さんの情報統合思念体は仲間ではないですか」
瓦礫の影から微笑を浮かべる男が出てきました。
ルリ「古泉さん!?」
有希「・・・・違う。情報統合思念体は機関との同盟関係は存在しない。
目的が同じなだけ・・・・」コクリ
古泉「・・・ふふ。・・・酷いですね。少なくとも僕はそう思っていたのですが・・・」
ルリ「機関は涼宮さんの監視をする機関ではないの?」
古泉「ええ、もちろん。我々機関の任務は涼宮さんの監視です。
しかし、我々の機関はほかにも仕事がありまして・・・
その1つが来るべきサードインパクトの制御なんですよ。」
ルリ「貴方の機関は世界の改変を望んでいないはずですよね?」
有希「・・・・・・・・・・・」
古泉「もちろん。涼宮さんによる世界改変は望んでいません。
しかし、我々とは別の委員会がサードインパクトの力を手に入れようとしているのです。
それは阻止せねばなりませんし、それにサードインパクトは必ず起きてしまいます。
これは必然なんですよ。だから、起きてしまうのならその力を何に使うか・・・
それを決めるのはできれば自分もしくは自分の仲間でありたい・・・
そう望むものでしょ?」
ルリ「それで、貴方たちの望む世界とは?」
古泉「ふふふ・・・・・貴女がたに敢えて言うまでもないと思いますが・・・」
ルリ「・・・・・・」
有希「・・・同性愛が認められる世界」
古泉「そんな直接的表現は止めませんか?純粋な愛の世界と言って下さい」
カヲル「わかった?だからこれ以上の妨害はやめてもらえるかな?
べつに僕らは涼宮さんをどうにかしようとは思っていないし・・・
それに情報統合思念体もサードインパクトに関しては涼宮さんさえいれば
後はどうでも良いようだし・・・」
ルリ「・・・・」
有希「・・・情報統合思念体は関係ない。これは私という固体がレイ姉の憂鬱を望んでいないから・・」
ルリ(?・・有希姉がこんなに直接的表現でレイ姉を慕っていることを言うなんて・・・)
古泉「ふふ・・・いずれにしてもこれ以上の会話は真実の漏洩で、
カレを驚かせることができなくなりますよ。長門さん?」
有希「・・・同意・・・古泉一樹を敵性と判定・・・」
渚さんの時より数倍速い速度で有希姉は呪文を唱え攻撃するが、古泉さんのすぐ手前
で何かの壁に阻まれる。
古泉「ふふ、長門さんには悪いですが・・・・お許し下さいよ」
そういって古泉さんは有希姉をはじき返してしまいました。
ルリ「どうして!?古泉さんまでA.T.フィールドを!?」
有希「・・・何故・・・」
古泉さんと渚さんは微笑をしながら宙に浮き始めるます。
古泉「ふふ・・そうですね・・・・・禁則事項・・ということにしておきましょう・・。」
今度は池が輝きだし2人はそのまま池の光の中に消えていきます。
古泉「それでは長門さん、また文芸部室で・・・」
2人が池に消えると池の輝きも消え、また、元の廃墟の中にある池になりました。
帰宅後
ルリ「ただいま」
有希「・・・・」
・・・・・・・・・・・・・・
リビングに入るとレイ姉がまだ壁を見つめていました。
事は深刻なようです・・・早く解決しないと・・
と思ったらこんなときに有希姉は雑誌を読み始めちゃいました・・・
なんだかみんなおかしいです。
翌日の下校の時
ルリ(何かおかしいです。レイ姉のあの不可解な行動。有希姉の発言。
それにオモイカネの沈黙に古泉さんと渚さんの登場・・・
みんな何か隠してます。)
翠 「あ、ルリ。こんにちは、ですぅ」
ルリ「翠さん・・・こんにちは。元気ですね。あれから惣流さんの具合はいかがです?」
翠 「ふぅー。別に元気じゃないですぅ。でも翠星石が元気でいないとただでさえ静かなのに
食事まで不味くなっちゃうですぅ。それに、アス姉も相変わらずですぅ・・・」
ルリ「そう・・・。そういえばこの間翠さん、古泉さんに警告を受けたと言ってましたけど、
どういうことなんですか?」
翠 「たぶん。ハル姉に翠星石の力がばれるのが困るみたいですぅ。まったくいちいち煩い奴等ですぅ。」
ルリ「・・・!翠さんハル姉にあわせてくれますか?」
翠 「会ってどうするですか?」
ルリ「隠し事を暴くんです」
所代わって廃墟の中の池。池の中から突き出している瓦礫の上に古泉とカヲルが立っている。
すると2人の周りに黒い長方形のプレートが現れる。
古泉 「緊急の呼び出しとは、また危険なことをしますね・・・」
カヲル「そうそう。おかげでシンジ君に言い訳するの一苦労したよ・・・」
??8「古泉。われらを失望させないでくれないかね。」
??0「左様。昨日の騒動を無かった事にするのにどれだけの労力がかかったと思っているのかね?
あの力をもし特務機関や委員会に感づかれでもしたら我等の計画は水の泡になってしまう」
??1「タブリスをも巻き込むなど・・・軽率すぎるぞ。古泉一樹」
カヲル「待ってください。あれは我々の計画とは無関係な事ですし、最初に話しかけられたのは僕です。
それに、一樹君の優しさを理解してあげてくれてもいいんじゃないですか?」
??1「弁解などいい。とにかく今は重大な事が起きる可能性がある。
ホシノ・ルリとあの特殊人形の翠星石が涼宮ハルヒを使って何か良からぬことをしようとしている」
古泉「涼宮さんを・・・・」
カヲル「はは、これはまずいことになりましたね・・・」
??0「左様。これは由々しき事態。涼宮ハルヒへの真実の漏洩は避けねばならない」
??8,0,1「早急に事を行いたまえ」
黒いプレートは消え、またただの湖になった。そよ風が2人の髪を揺らす。
古泉「・・全ては純粋なる愛のために・・・」
カヲル「一樹君、急ぎましょう」
池が光輝きだし2人池へと消えていった。
またまた代わってルリの家のリビング。
長門が料理をしている所に付けていないテレビが光り輝きだし古泉とカヲルが現れた。
有希は鍋から目を離し首だけを2人のほうへと向ける。
古泉「土足で失礼します。しかし、今は大変なことが起きる可能性があるので・・・
レイさんは・・ここには居ないようですね・・・まあ、良いでしょう。
長門さん、あなたの協力を仰ぎに来ました。一緒にルリさんと涼宮さんの所へ付いて来てくれませんか?」
有希「・・・そう」
そう言うと有希は鍋の火を止めて、また光り輝きだしたテレビの中に古泉とカヲルに連れられて消えていった。
翠さんの家に着てから5分後・・・
突然テレビが光輝きだし中から有希姉と古泉さんと渚さんが現れました。
ルリ「来ましたか」
古泉「土足で失礼しますよ。ああ、ルリさん。
先日はどうも。良かった涼宮さんは帰ってないようですね」
カヲル「こんにちは、ルリさん」
有希「・・・・・・・・・・」
翠 「え?なんでローゼンメイデンでもないのに扉を開けられるんですか?」
古泉「ふふ、すいません。僕たちもちょっと非常識な存在なんですよ。」
ルリ「涼宮さんなら帰ってますよ」
古泉、カヲル「!!」
有希「・・・・・・」
ルリ「でも、翠さんの力で眠らせています」
古泉「ふう・・・ルリさん、結構きつい冗談でしたよ」
ルリ「こうでもしないと誰も教えてくれないのでやってみたんです。
それで、古泉さん、結局私に何を隠してるんですか?」
古泉「今回のことに我々機関は無関係ですよ。訊くなら長門さんに訊いて下さい。」
有希姉のほうを見るとなんだか残念そうな目をしています。
有希「失敗。事が大きくなってしまった・・・。」
ルリ「ちゃんと答えてください」
有希「家に帰ればわかる」
ルリ「・・・・?うん」
古泉「それでは僕らはおいとまします。翠星石さん失礼しました。
くれぐれも涼宮さんには内密にして下さい。こんど何かおごりますから」
カヲル「それじゃ、またね」
2人はまた鏡の中へと消えていきました。
有希「それでは失礼する」
ルリ「あっ。有希姉!靴下のままですよ?」
翠 「・・・・なんだったんですか?まあ、いいです。
これであの笑い人形からたくさん金を搾り取ってやるですぅ!
早速リスト作らなきゃですぅ」
20分後、家に着いてリビングに入るといきなりクラッカーが炸裂しました。
ルリ「!!」
シンジ「おめでとう!ルリちゃん」
キョン「おめでとう、ルリちゃん」
アキト「おめでとう!ルリちゃん!!」
レイ「おめでとう、ルリ」
久しぶりに見るレイ姉が笑顔で話してます。
有希「おめでとう」
ルリ「・・・・で、何なんですかこれ?」
有希「今日は姉妹結成記念日」
レイ「そう!ああー、ルリ!やっと話せるわね。今まで大変だったんだから」
そう言ってレイ姉が抱きついてくる。有希姉も便乗。苦しい・・・
ルリ「じゃあ、レイ姉は何で今まであんな憂鬱だったんですか?」
レイ「それがね、酷いんだから。有希ったら私を操って何も出来ないようにしたんですよ!」
有希「レイ姉は口が軽い。用心した。」
ルリ「・・・バカです、2人とも・・・」
それから有希姉の作った料理とレイ姉の作った料理によってすこしテンションが下がり
ましたがアキトさんが手料理を持ってきてくれたらしく、
キョンさんと碇さんも飲み物を買ってきてくれたおかげでこの姉妹では珍しくパーティーが盛り上がりました。
ルリ「それで、なんでアキトさんがいるんですか?」
アキト「いやー。急にレイさんから電話が来て
『ルリちゃんが倒れたから豪華な料理持って、見舞いに来てほしい』
て、言われて飛んできたんだけどさー。でも、良かった、嘘で・・・」
シンジ「ええ、綾波から電話!?僕なんて机中にあった手紙だったよ。
それも住所といっしょに「来てください。」て、一言だけ・・・
怪しすぎたから来るかどうかか迷ったんだけど・・・」
キョン「はは、そんなの序の口だ。
俺なんてこの間、長門から借りていた本のしおりの裏だ。
危うく見逃すところだったよ・・・」
ルリ「・・・・・・」
レイ「・・碇君とキョン君への言付けは有希に任せてたから・・・」
有希「・・・・・・2人なら必ず来ると確信している・・・・・・」
ルリ「・・・大バカです、みんな・・・」
いつもの朝。いつもの日々。有希姉は登校時間ぎりぎりまで眠り続け、レイ姉は有希姉と私のお弁当を作っています。
そんな日々。だけど、今日はなんだか様子が変。
朝起きると珍しく有希姉が起きていて、レイ姉が卵焼き作りながら物憂げな顔をしています。
ルリ「おはよう。レイ姉、有希姉」
有希「・・おはよう」
レイ「うぅ・・ぅ・・・・」
ルリ「?・・・・・・レイ姉?」
レイ「・・・・・・・・・」
ルリ「レイ姉?」
レイ姉の顔を覗くとやっと気付いたようです。
レイ「・・・お、おはようルリ・・・今日は早起きね・・」
ルリ「・・・レイ姉?」
レイ「何?・・ルリ・・」
ルリ「目玉焼き・・焦げてますよ」
レイ「え?・・・・・・・!!
あぁ・・折角の卵焼きが・・・・今日は上手く出来たのに・・」
そう、レイ姉はいつもお弁当を作ってくれるのですが・・・
はっきり入ってピース国の料理なみに不味いです。
でも・・・毎朝がんばっているレイ姉はとても好き・・・
ルリ「今日はどうしたんですか?朝からボーっとして・・・夜更かしですか?」
レイ「い、いえ・・・まあ、そんな感じなんだけど・・・大丈夫よ。
お姉ちゃん心配事なんてないから。それを訊いてほしいなんて思ってないから・・・」
ルリ「・・・・・・・・・で、訊いてほしいことって何ですか?」
レイ「実は・・・実はね・・・碇君が・・・」
見たいな感じでいつもなら心配事というより愚痴に近いことを訊くことになると思っていたんですが、
なんだか今日はそんなそぶりも見せず。ただ、「うん・・」と言ったきり口をつぐんでしまいました。
そして朝食時
ルリ「・・・・・・・・・・・・」
レイ「・・・・・・・・・・・・」
有希「・・・・・・・・・・・・」
ルリ(久しぶりだな。こんなに静かな朝食なんて・・・
いつもなら聞いてもいないのにレイ姉が碇君のこと話すのに・・・)
学校の帰り道。公園のブランコの所で近所の3姉妹の末妹の翠さんに会いました。何だか
元気がありません。
ルリ「こんにちは。翠さん」
翠 「・・・ルリですか・・・」
ルリ「どうしたの?惣流さんと喧嘩でもしたの?」
翠 「違うですぅ・・アス姉はいま病院のベットで寝たきりですぅ。翠星石が見舞いに来てやったのにピクリともしないですぅ・・・だからハル姉はこの頃いつも病院に行って家にいないで寂しいですぅ・・・」
ルリ「翠さんのスィドリームで何とかできないんですか?」
翠 「やってみたですぅ。でも、でもアスカの樹にくっついているあの変な樹を枯らせることが出来ないですぅ。それに、なんか古泉とかいう笑い人形が遠まわしに『止めろ』て、警告して来たですぅ。あいつ苦手ですぅ・・・」
ルリ「気休めしかいえませんが。元気を出してください。翠さんが元気ださないと涼宮さんも惣流さんも帰って来辛いじゃないですか」
翠 「そう、そうですね・・・今日はハル姉あたりが帰ってくるでぅ。翠星石の作った料理で頬っぺた落としてやるでぅ」
そういい残して翠さんは元気よく帰っていきました。
帰宅後
ルリ「ただいま」
・・・・・・・・・・・・・・
ルリ「?」(今日は誰も居ないのかな?)
いつもなら。レイ姉は必ずといって良いほど家にいるのですが・・・
ルリ(あれ?朝食の食器がそのまま。レイ姉どうしたんだろう?)
ルリ「ぅわ!」
最初は家具の一部と勘違いしていましたが、
テーブルの椅子に座って壁を眺めているレイ姉がいます。
レイ「・・・・・・・・・・・・」
ルリ「レイ姉?」
レイ「・・・・・・・・・・・・」
これはおかしいです。レイ姉らしくないです。何とかしないと・・・。
有希「・・・そう・・・」
「THE DAY OF SAGITTARIUS Ⅳ」をしながら生返事をする有希姉。
この間の騒動からずっとです。
ルリ「有希姉、ちゃんと聴いてください!それに何でオモイカネでゲームするんですか?
自分のパソコンでやってください。」
有希「・・・ルリもやる?」」
ルリ「いいです。それよりもオモイカネでネルフのマギシステムにハッキングして
レイ姉の元気のなさの原因を見つけないと・・・」
有希「・・そう・・・それなら・・・・もう済んでいる」
ルリ「え?もう?いくらオモイカネでもマギシステムへのハッキングには
時間がかかるのに?どうして?」
有希「PCの意思を書き換えて演算力を上げた」
ルリ「!・・・オモイカネとの忘れえぬ日々を・・・
どうしてくれるんですか!」
有希「問題ない・・情報操作は得意。
オモイカネは元からそういう記憶だったことにする・・・・」
ルリ「ひどいです・・・うぅぅ・・・」
有希「・・・・・・・・」
有希「・・・冗談」
ルリ「うぅ・・・笑えません」
・・・・ど、どうやらオモイカネへの書き換えは冗談だったみたいですが・・・
私以外の人にはなつかないオモイカネがなぜだか有希姉には逆らわなかったようで・・・
いったい何をしたのでしょう?・・オモイカネに訊いても答えてくれません。
それにしても、長門姉とオモイカネの調べによると特務機関はとても巨大な組織のようで、
ゲキガンタイプの人造人間を3体所持しているそうです・・・。
どうやらそのパイロットの一人の惣流さんが通称『使徒』とよばれる生物に精神攻撃を受けてしまい
碇さんは毎日お見舞いをしているそうで・・・
レイ姉とはほとんど会うこともなく日々が過ぎ・・・。
そして、つい先日、渚さんがネルフに加わり、
どうやら彼が来てからというもの碇さんは彼と寝起きを共にしているようで・・・
レイ姉の憂鬱ぶりはどうやらそこらへんが原因のようです。
それから直ぐに有希姉とわたしは特務機関を出てきた渚さんと碇さんの後をつけ2人
が別れるのを待ちました。そして、廃墟の点在する池の中ひときわ大きい池のそばの道で2人は別れました。
渚さんは道をそれ池の畔へと向かいました。
カヲル「誰だい?特務機関からずっと尾行していたみたいだけど・・・」
いったい何時ばれたの?有希姉の力で見えないはずなのに・・・
ルリ「始めまして。レイさんの妹のルリと有希です」
有希「・・・・」コクリ
カヲル「・・・ふーん・・・ふふ。始めましてルリさんに有希さん。
僕に何の御用かな?」
ルリ「これ以上碇さんに近づかないでください」
カヲル「はは、面白いこというね。また、どうしてかな?」
ルリ「レイ姉のためにです」
有希「・・・・」コクリ。
カヲル「ふふふ・・・そう。・・ふふふ・・・『レイ姉のため』ね・・・
でも、それはダメなんだ。これは僕の任務でだし僕の望みでもあるんだ。
シンジ君を渡すわけには行かないよ。それに、それは君たち姉妹の問題でさ・・」
有希「渚カヲルを敵性と判定。当該対象の有機情報連結を解除する」
ルリ「有希姉!?」
ルリ(『解除』て・・殺すんですか!?)
有希姉は瞬時に渚さんの前に近づいて呪文を唱える。
しかし、渚さんの前で有希姉の攻撃は何かの壁に阻まれてしまう。
ルリ「え!?」
ルリ(有希姉の攻撃が聞かない!?まさかA.T.フィールド!?)
カヲル「ちょっと。酷いなあ・・・いきなり攻撃なんて・・・。
まったく・・・でも、そんなんじゃ僕は倒せないよ。長門さん」
有希姉は跳躍して渚さんから距離をとる。
有希「・・・・・」
??「困りますね、僕の大事なカヲル君を苛めるのは・・・。
それにこの行動は機関への宣戦布告と同義ですよ?
僕ら機関と長門さんの情報統合思念体は仲間ではないですか」
瓦礫の影から微笑を浮かべる男が出てきました。
ルリ「古泉さん!?」
有希「・・・・違う。情報統合思念体は機関との同盟関係は存在しない。
目的が同じなだけ・・・・」コクリ
古泉「・・・ふふ。・・・酷いですね。少なくとも僕はそう思っていたのですが・・・」
ルリ「機関は涼宮さんの監視をする機関ではないの?」
古泉「ええ、もちろん。我々機関の任務は涼宮さんの監視です。
しかし、我々の機関はほかにも仕事がありまして・・・
その1つが来るべきサードインパクトの制御なんですよ。」
ルリ「貴方の機関は世界の改変を望んでいないはずですよね?」
有希「・・・・・・・・・・・」
古泉「もちろん。涼宮さんによる世界改変は望んでいません。
しかし、我々とは別の委員会がサードインパクトの力を手に入れようとしているのです。
それは阻止せねばなりませんし、それにサードインパクトは必ず起きてしまいます。
これは必然なんですよ。だから、起きてしまうのならその力を何に使うか・・・
それを決めるのはできれば自分もしくは自分の仲間でありたい・・・
そう望むものでしょ?」
ルリ「それで、貴方たちの望む世界とは?」
古泉「ふふふ・・・・・貴女がたに敢えて言うまでもないと思いますが・・・」
ルリ「・・・・・・」
有希「・・・同性愛が認められる世界」
古泉「そんな直接的表現は止めませんか?純粋な愛の世界と言って下さい」
カヲル「わかった?だからこれ以上の妨害はやめてもらえるかな?
べつに僕らは涼宮さんをどうにかしようとは思っていないし・・・
それに情報統合思念体もサードインパクトに関しては涼宮さんさえいれば
後はどうでも良いようだし・・・」
ルリ「・・・・」
有希「・・・情報統合思念体は関係ない。これは私という固体がレイ姉の憂鬱を望んでいないから・・」
ルリ(?・・有希姉がこんなに直接的表現でレイ姉を慕っていることを言うなんて・・・)
古泉「ふふ・・・いずれにしてもこれ以上の会話は真実の漏洩で、
カレを驚かせることができなくなりますよ。長門さん?」
有希「・・・同意・・・古泉一樹を敵性と判定・・・」
渚さんの時より数倍速い速度で有希姉は呪文を唱え攻撃するが、古泉さんのすぐ手前
で何かの壁に阻まれる。
古泉「ふふ、長門さんには悪いですが・・・・お許し下さいよ」
そういって古泉さんは有希姉をはじき返してしまいました。
ルリ「どうして!?古泉さんまでA.T.フィールドを!?」
有希「・・・何故・・・」
古泉さんと渚さんは微笑をしながら宙に浮き始めるます。
古泉「ふふ・・そうですね・・・・・禁則事項・・ということにしておきましょう・・。」
今度は池が輝きだし2人はそのまま池の光の中に消えていきます。
古泉「それでは長門さん、また文芸部室で・・・」
2人が池に消えると池の輝きも消え、また、元の廃墟の中にある池になりました。
帰宅後
ルリ「ただいま」
有希「・・・・」
・・・・・・・・・・・・・・
リビングに入るとレイ姉がまだ壁を見つめていました。
事は深刻なようです・・・早く解決しないと・・
と思ったらこんなときに有希姉は雑誌を読み始めちゃいました・・・
なんだかみんなおかしいです。
翌日の下校の時
ルリ(何かおかしいです。レイ姉のあの不可解な行動。有希姉の発言。
それにオモイカネの沈黙に古泉さんと渚さんの登場・・・
みんな何か隠してます。)
翠 「あ、ルリ。こんにちは、ですぅ」
ルリ「翠さん・・・こんにちは。元気ですね。あれから惣流さんの具合はいかがです?」
翠 「ふぅー。別に元気じゃないですぅ。でも翠星石が元気でいないとただでさえ静かなのに
食事まで不味くなっちゃうですぅ。それに、アス姉も相変わらずですぅ・・・」
ルリ「そう・・・。そういえばこの間翠さん、古泉さんに警告を受けたと言ってましたけど、
どういうことなんですか?」
翠 「たぶん。ハル姉に翠星石の力がばれるのが困るみたいですぅ。まったくいちいち煩い奴等ですぅ。」
ルリ「・・・!翠さんハル姉にあわせてくれますか?」
翠 「会ってどうするですか?」
ルリ「隠し事を暴くんです」
所代わって廃墟の中の池。池の中から突き出している瓦礫の上に古泉とカヲルが立っている。
すると2人の周りに黒い長方形のプレートが現れる。
古泉 「緊急の呼び出しとは、また危険なことをしますね・・・」
カヲル「そうそう。おかげでシンジ君に言い訳するの一苦労したよ・・・」
??8「古泉。われらを失望させないでくれないかね。」
??0「左様。昨日の騒動を無かった事にするのにどれだけの労力がかかったと思っているのかね?
あの力をもし特務機関や委員会に感づかれでもしたら我等の計画は水の泡になってしまう」
??1「タブリスをも巻き込むなど・・・軽率すぎるぞ。古泉一樹」
カヲル「待ってください。あれは我々の計画とは無関係な事ですし、最初に話しかけられたのは僕です。
それに、一樹君の優しさを理解してあげてくれてもいいんじゃないですか?」
??1「弁解などいい。とにかく今は重大な事が起きる可能性がある。
ホシノ・ルリとあの特殊人形の翠星石が涼宮ハルヒを使って何か良からぬことをしようとしている」
古泉「涼宮さんを・・・・」
カヲル「はは、これはまずいことになりましたね・・・」
??0「左様。これは由々しき事態。涼宮ハルヒへの真実の漏洩は避けねばならない」
??8,0,1「早急に事を行いたまえ」
黒いプレートは消え、またただの湖になった。そよ風が2人の髪を揺らす。
古泉「・・全ては純粋なる愛のために・・・」
カヲル「一樹君、急ぎましょう」
池が光輝きだし2人池へと消えていった。
またまた代わってルリの家のリビング。
長門が料理をしている所に付けていないテレビが光り輝きだし古泉とカヲルが現れた。
有希は鍋から目を離し首だけを2人のほうへと向ける。
古泉「土足で失礼します。しかし、今は大変なことが起きる可能性があるので・・・
レイさんは・・ここには居ないようですね・・・まあ、良いでしょう。
長門さん、あなたの協力を仰ぎに来ました。一緒にルリさんと涼宮さんの所へ付いて来てくれませんか?」
有希「・・・そう」
そう言うと有希は鍋の火を止めて、また光り輝きだしたテレビの中に古泉とカヲルに連れられて消えていった。
翠さんの家に着てから5分後・・・
突然テレビが光輝きだし中から有希姉と古泉さんと渚さんが現れました。
ルリ「来ましたか」
古泉「土足で失礼しますよ。ああ、ルリさん。
先日はどうも。良かった涼宮さんは帰ってないようですね」
カヲル「こんにちは、ルリさん」
有希「・・・・・・・・・・」
翠 「え?なんでローゼンメイデンでもないのに扉を開けられるんですか?」
古泉「ふふ、すいません。僕たちもちょっと非常識な存在なんですよ。」
ルリ「涼宮さんなら帰ってますよ」
古泉、カヲル「!!」
有希「・・・・・・」
ルリ「でも、翠さんの力で眠らせています」
古泉「ふう・・・ルリさん、結構きつい冗談でしたよ」
ルリ「こうでもしないと誰も教えてくれないのでやってみたんです。
それで、古泉さん、結局私に何を隠してるんですか?」
古泉「今回のことに我々機関は無関係ですよ。訊くなら長門さんに訊いて下さい。」
有希姉のほうを見るとなんだか残念そうな目をしています。
有希「失敗。事が大きくなってしまった・・・。」
ルリ「ちゃんと答えてください」
有希「家に帰ればわかる」
ルリ「・・・・?うん」
古泉「それでは僕らはおいとまします。翠星石さん失礼しました。
くれぐれも涼宮さんには内密にして下さい。こんど何かおごりますから」
カヲル「それじゃ、またね」
2人はまた鏡の中へと消えていきました。
有希「それでは失礼する」
ルリ「あっ。有希姉!靴下のままですよ?」
翠 「・・・・なんだったんですか?まあ、いいです。
これであの笑い人形からたくさん金を搾り取ってやるですぅ!
早速リスト作らなきゃですぅ」
20分後、家に着いてリビングに入るといきなりクラッカーが炸裂しました。
ルリ「!!」
シンジ「おめでとう!ルリちゃん」
キョン「おめでとう、ルリちゃん」
アキト「おめでとう!ルリちゃん!!」
レイ「おめでとう、ルリ」
久しぶりに見るレイ姉が笑顔で話してます。
有希「おめでとう」
ルリ「・・・・で、何なんですかこれ?」
有希「今日は姉妹結成記念日」
レイ「そう!ああー、ルリ!やっと話せるわね。今まで大変だったんだから」
そう言ってレイ姉が抱きついてくる。有希姉も便乗。苦しい・・・
ルリ「じゃあ、レイ姉は何で今まであんな憂鬱だったんですか?」
レイ「それがね、酷いんだから。有希ったら私を操って何も出来ないようにしたんですよ!」
有希「レイ姉は口が軽い。用心した。」
ルリ「・・・バカです、2人とも・・・」
それから有希姉の作った料理とレイ姉の作った料理によってすこしテンションが下がり
ましたがアキトさんが手料理を持ってきてくれたらしく、
キョンさんと碇さんも飲み物を買ってきてくれたおかげでこの姉妹では珍しくパーティーが盛り上がりました。
ルリ「それで、なんでアキトさんがいるんですか?」
アキト「いやー。急にレイさんから電話が来て
『ルリちゃんが倒れたから豪華な料理持って、見舞いに来てほしい』
て、言われて飛んできたんだけどさー。でも、良かった、嘘で・・・」
シンジ「ええ、綾波から電話!?僕なんて机中にあった手紙だったよ。
それも住所といっしょに「来てください。」て、一言だけ・・・
怪しすぎたから来るかどうかか迷ったんだけど・・・」
キョン「はは、そんなの序の口だ。
俺なんてこの間、長門から借りていた本のしおりの裏だ。
危うく見逃すところだったよ・・・」
ルリ「・・・・・・」
レイ「・・碇君とキョン君への言付けは有希に任せてたから・・・」
有希「・・・・・・2人なら必ず来ると確信している・・・・・・」
ルリ「・・・大バカです、みんな・・・」
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