「1-105」(2006/12/03 (日) 17:44:25) の最新版変更点
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「ただいま・・・」
何事も無い平日の夕方、三姉妹で最後に玄関をくぐったのは、三女だった。
丁寧に靴を揃え、ふと首を傾げる。二人の姉は確かに無口だが、いつも必ず
「おかえりなさい」と迎えてくれるのだった。もう一度「ただいま」と口にしつつリビングまで行き、
その理由を見つけた。二人の姉は、演技かと思うほどに綺麗な仰向けで寝ていた。
一年中片付ける事の無いコタツに腰まで埋まり、両手を胸の上で組み、
短めの髪は多少乱れるも近所で、きっと学校でも、評判の美人姉妹の顔をいつも通り縁取り、
小さな口からほぼ同時に寝息が漏れていて、自慢の姉達の愛らしい寝姿に思わず頬が緩みそうになったが・・・
「はぁ・・・」と、三女は小さく溜息を付くと、この姉達を起こしにかかった。
「お姉ちゃんたち、起きて。ほら、なんでいつも制服で寝るの?
皺になるから駄目だって。家に帰ったら着替えるように言ってるでしょ?」
家に居る時は本を読むか寝てるかしてる姉達だが、何故か制服が好きだ。
いや、好きというより着替えるのが面倒臭いだけなのかも知れない。
(けど休日まで学校の制服着てるし・・・)などとつかぬ事を思いつつ、二人を起こすのに成功した。
「ご飯、つくるから。ちゃんと着替えて」
しばし寝ぼけ眼で、姉妹にしか分からないけど、ぼーっとルリを見ていた二人は同時に口を開いた。
「分からないわ、多分三人目だと・・・・
「推奨は出来ない。局地的な衣装変更は・・・
また分からぬ事を言い出す姉を部屋に追いやり、ふぅと溜息を付いて呟く。
「ほんと、バカばっか」
口調と裏腹に、三女の顔は楽しそうだった。もちろん、これも姉妹同士にしか分からない表情だが。
おわり
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