III:Just between you and me
汚染地域を進む一行は、奇妙な施設跡へとたどり着く。汚染地域の深部に、時折みられる施設はかつてフランたちが巨大な機械と遭遇した場所とどこか似ていた。
掘り出し物があるのでは、と軽口をたたくロザリィを笑いながら、素通りしようとする一行を突如砲撃が襲う。
周辺から襲い掛かる無数の無人機を撃破する傭兵は、砲撃の主のもとへとたどり着く。
それは、かつてシティでの戦いで、彼女たちの前に立ちはだかった敵、
あの「主任」と同じ機体、同じエンブレムをつけたACだった。
通信機からは、かつて聞いた女の声が聞こえてくる。
キャロル「あなたたちは失敗作でした」
キャロル「あの塔に行く気なら止めておきなさい、きっと後悔しますから」
キャロル「自分が何をしようとしているのか、あなたたちは気づいていないのです」
キャロル「気づく術がないのだから、仕方ありませんが」
主任「まあ、堅いこと抜きにしようよ キャロりん」
主任「久しぶりに遊ぼうか、ちょっとだけさ ハハハハハッ!」
幾度めかの戦い。
そのさなか、それまで死人のようだったアイザックは、女の言葉に反応する。
アイザック「誰なんだ、お前たちは…」
キャロル「その質問には回答できません、生憎ですが」
アイザック「僕は知る必要がある… お前たちが…」
アイザック「僕たちが、誰なのか…」
キャロル「知ってどうしようと? 全く不可解です」
決着がつかぬまま、主任は引いていく。
ロザリィ「何なの!? なんであいつが…」
フラン「あのふたりは…」
フラン「おそらく、人間ではない何か…」
フラン「ずっと私たちを見ている何か、です」
IV:Crimson
更なる深部へと向かう一行。比較的汚染の薄い、街の後で休息している。
アイザックを拾った場所は、もうさほど遠くないというストーク。
ストーク「この辺は、とっとと通り過ぎたほうがいい」
ストーク「最近妙なのがうろついてるらしい」
フラン「こんなところを?」
ストーク「何が目的かはしらんが、近くを通りかかったやつを無差別に攻撃してくる」
その言葉が終わるや否や、攻撃が始まる。正体不明の部隊との戦闘。
リーダーらしきACとの対決、これを撃破する。
その機体には、"Venide"というエンブレムが貼られている。
ロザリィ「このエンブレム… ヴェニデって?」
ストーク「知らん名だな」
アイザック「…海の向こうから、くるんだ」
フラン「知っているの?」
アイザック「汚染が急に薄くなる時がある… その時にこいつらは来た…」
アイザック「海の、向こう側の大陸から…」
ロザリィ「何をしに? こんなところまで」
アイザック「たぶん… こいつらも、あの塔に…」
先を急ぐ一行の前に、再びヴェニデの部隊が現れる。
数は少ないものの、ひとりひとりが侮れない強さを持つ彼らの前に苦境に立たされるが
なんとかこれを退ける。そこへ、上空からヘリが降下してくる。
ヘリからは一機のACが投下されるが、戦闘の意思は見せない。
???「話がしたい、異邦の強者よ」
ストーク「そっちの土地じゃ、相手を殴ってから挨拶するのが普通かい?」
???「目的があってここに来た、前に立つ者はみな殺すつもりで」
???「だが、私は強い者が好きだ そのACのパイロットのような、強者が好きだ」
フラン「あなたが、ヴェニデの人?」
セサル「セサル・ヴェニデ」
セサル「タワーを私のものにするために、海の向こうから来た」
セサル「私たちが生きるために、必要なものがそこにはあるはずだ」
セサル「遠い過去と汚染に埋もれた、偉大な文明の遺産が」
フラン「私たちも、そこに行かなければいけない そう言ったら?」
セサル「この世界で欲しいものを手に入れられるのは、力を持つ者のみ」
セサル「それが私たちの、私の考えだ」
フラン「シンプルですね 頭にくるぐらい」
フラン「昔、貴方に似た人と出会ったことがあります、私たちの敵だった男」
フラン「弱者を顧みないその男と、私たちは戦ったのです」
セサル「了解した では、我々もそういうことになるのだろう」
去っていくセサル。再び出会うのは、タワーの元で。
そこで決着をつけよう、そう言い残して。
その機体にはVenideの文字と共に飛ぶ、赤い鳥のエンブレムが貼られていた。