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楽天オークションの匿名エスクロー、「ぜひ様子を見たい」ヤフー井上社長


 ヤフーの井上雅博代表取締役社長は17日、インターネットニュースメディアの記者を対象として開催した懇談会において、「Yahoo!オークション」おける匿名エスクローサービス導入の可能性について言及した。ヤフーでも数年前から検討はしているものの、未だ導入に踏み切れない事情があるという。

匿名エスクローはまだ利便性にネック、物流面の法規制が背景に

井上雅博代表取締役社長
 匿名エスクローとは、出品者と落札者が互いの住所や名前、口座番号などの個人情報を開示せずに取り引きできるほ仕組みで、商品と代金の受け渡しも安心して行なえるのが特徴。こういった仕組みは現在、日本郵政公社が「あて名変換サービス」として提供しており、「楽天オークション」が同サービスを利用したエスクローサービス「楽天あんしん取引」を導入。個人間の取引に利用を義務付けている。

 この匿名エスクローについて、井上社長はまず、発送手段がきわめて限定されている点を指摘。現状では特定の郵便局に発送物を持ち込んで、そこでIDを提示して発送手続きをする仕組みであることから、「それが本当にユーザーにとって使いやすいサービスかどうか、もう少し検証が必要」とした。

 発送手段が限られる背景として井上社長は、宅配事業者に対する法規制があると説明する。宅配事業者は送り主と送り先の住所を知っていなければならないとされており、利便性を上げようとすると、その規制を「クリアできない」という。「匿名エスクローというオプションはあったほうがいいが、郵便局まで持って行かなければならないため、それでも便利だという人の数はかなり限定される。ぜひ様子を見たいと思う」と語った。

 なお、楽天オークションは11月13日からスタートしたばかりのサービスで、「楽天フリマ」と「楽天スーパーオークション」が統合されるかたちになる。楽天とNTTドコモが共同出資して設立した楽天オークション株式会社が運営しており、20日からはiモード版サービスも開始する。

 この楽天オークションの登場について井上社長は、「全く競合がない状態だと、今ひとつマーケットの需要に限界がある」と述べ、ひとり勝ち状態のインターネットオークション市場に“競合”が現われたことに対して「負けないサービスをヤフーでも提供していく」とコメントした。

匿名配送だけでなく、ユーザーの本人確認を含めて安全性を担保する必要

大蘿(たいら)淳司マーケティング本部長
 マーケティング本部長の大蘿(たいら)淳司氏は、オークションにおける匿名性について、Yahoo!オークションの場合は「きちんと本人を確認して取引しましょう」というルールをユーザーに訴えているが、これが匿名になった場合には相手が誰かわからなくなるという面を指摘する。そうなれば、運営者側で本人をどこまで特定できているかが重要になるが、楽天オークションは現状では、携帯電話を所有してそれを使えれば、自由に参加できる状況だという。

 そんな中、Yahoo!オークションではむしろ出品者の本人確認を強化することで安全面を担保することとし、初めて出品する新規の出品者に対して、佐川急便の配達員が本人の自宅を訪問して免許証などを確認する制度を開始した。大蘿氏は「匿名配送だけで(安全性を)すべて担保できるのか? 最終的には、個人の特定がどれだけできているかということ。そこを見極めないといけない」とコメントした。

 このように、オークションの運営者側が各ユーザーの本人確認をしっかりと行なうことで、ユーザー同士は個人情報を開示せずに取り引きできるようにするという考えは、代金の振り込み先となる口座番号についてはYahoo!オークションでもすでに実現している。ジャパンネット銀行と共同で展開する決済サービス「Yahoo!ネットバンキング」では、Yahoo! ID宛に送金を指示すれば、ヤフー側で銀行の口座番号に送金するという仕組みだ。

 井上社長は、決済部分で一部匿名性を実現しているのに対して「物流のところだけは匿名になりきれない。2年も前からやりたいと言っているが、現在の法制度ではできないと説得されている」と説明した。
【お詫びと訂正 2006/11/20 18:30】
 記事初出時、本人確認に関する記述で誤りがありました。お詫びして訂正いたします。

誤:そうなれば、ヤフー側で本人をどこまで特定できているかが重要になるが、現状では、携帯電話を所有してそれを使えれば、自由に参加できる状況だという。

正:そうなれば、運営者側で本人をどこまで特定できているかが重要になるが、楽天オークションは現状では、携帯電話を所有してそれを使えれば、自由に参加できる状況だという。

検索結果のパーソナライズは、“スパムSEO”にも効果あり

 井上社長は、かつてGoogleが登場する以前のロボット検索は使いものにならなかったため、Yahoo!の整理されたディレクトリを利用したほうがいいという状態だったと振り返る。これに対して、「Googleは(検索結果の)並べ方を変えただけ」だが、それによってロボット検索を利用しやすいものとしたと説明する。

 しかし現在では逆に、そのアルゴリズムを解析するアフィリエイターなどにより、ツール使ってスパム的なページを大量に作成し、検索結果の上位に表示させようという“スパムSEO”に利用されてしまうという問題がある。

 検索エンジンがこのような行為に騙されてしまう現状について井上社長は「スパムSEOとはおそらく、永遠の追いかけっこになる」とする一方で、検索結果表示については、過去の検索結果やユーザーの行動を検索エンジンが把握することで特定の人にとってベストな検索結果を出せるようになる“パーソナライズ”が今後重要になると強調した。

 大蘿氏も、もうWebページのリンクを解析して検索結果の表示順を決める時代でもないと指摘。また、パーソナライズによって表示順を決める要素がユーザーごとに異なれば、「スパムSEOもやりようがない」として、スパムSEO対策としても有効であると説明した。
関連情報

URL
  Yahoo! JAPAN
  http://www.yahoo.co.jp/

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( 永沢 茂 )
2006/11/17 19:54