※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

516 : 名無し募集中。。。 :2009/08/30(日) 01:31:01.59 0
>>515
第161回

今朝も舞美ちゃんが一緒で、電車だけはみやがいるから少し離れて乗った。
舞美ちゃんは悪い人じゃない。優しくて面倒見がいいお姉ちゃんだから、
解せないことがいくつもあったとしても、話していると昔みたいに甘えてしまう。
それじゃだめなんだってわかってるんだけど、でも、難しい。
・・・だって、全然変わっていないんだもん。悔しいけど。

「愛理?聞いてる?」
「え、うん・・・」
「ぼーっとしちゃってどした?」
「ちょ、ちょっとやめてよ・・・近いってば!!」

チラシを配ってて私がボーっとしちゃってたら舞美ちゃんが近寄ってきて
私の前髪をかき上げておでこに触れた。
ちょっとだけ冷たい舞美ちゃんの手のひら。
私はビックリして舞美ちゃんから離れた。
先輩が見たらまた誤解するじゃん、もう!・・・まぁ、私のこと信じてくれるはずだけど。
先輩のいる方向を見たら須藤先輩と何か談笑していて幸い、見られてなかったみたい。
・・・仲良いなぁ。あの2人。ちょっとぴり妬いちゃうかも。

「・・・愛理、そんなに嫌がられると傷つく」
「だって舞美ちゃんが・・・」
「・・・ごめん、でも、私は愛理が心配なだけだよ」
「う、うん・・・ありがとう」
「でも、・・・いや・・・今はいいや」
「え?」
「いいよ、もう。」

舞美ちゃんはちょっとだけ不機嫌になって私から離れていった。
んもう!意味わかんない。やっぱり言葉を濁して本当のことは何も言わないんだね。


517 : 名無し募集中。。。 :2009/08/30(日) 01:32:31.68 0
>>516
第162回

「みや」
お昼休み。ももとみやが先に部室に集まっていて、今朝思っていたことを聞いてみた。

「いつから前田ちゃんと仲良くなったの?」
「へ?」
「もも、聞いてないぞ」
ちょっと拗ねたみたいに、そう言った。
「いや、別にそんな仲良くないし。ももに言う理由もないし」
でも、みやは冷たいから。いつものことだけど。
「・・・ばか」
「なによ、なにが言いたいのももは」
みやはちょっと怒った風な口調になった。
「別にぃ。ただ昨日も一緒に帰ったみたいだし、今朝もペアだったし」
「なに、もも妬いてんの?」
ももが理由を言うと、みやはちょっとむかつくニヤけた顔でそう言った。
「・・・だったらなに。」
「あの子とはそんなんじゃないよ。後輩じゃん、ただの。ってうちがももに弁明する意味もわかんないけど」
「そうかな?ももにはそうに見えない」
「考えすぎ。」
みやは鈍感でほんとただのバカだから気付かないよね、そりゃ無理。
でも、前田ちゃんのあの目はホンモノ。みやのことを、あの子は好きだ。
確信してる。・・・負けてらんないな。・・・なんて、できればそんな風には思いたくないのだけれど。
「あのね、ももはみやが好きなの。You still don't understand.だね、みや」
「・・・意味がわかりません」
「ま、それだけ覚えておいてよ。ももって嫉妬深いから」
「・・・はいはい。」

そんな話をしていたらみんな部室に集まりだしてお昼ご飯の時間になった。
部室もそろそろ手狭になってきた。7人って結構多いなぁ・・・でも、まだ半分以下だ。もっともっと頑張らなきゃ。


588 : 名無し募集中。。。 :2009/09/01(火) 00:28:28.52 0
>>517
第163回

前田ちゃんが3人も連れて来てくれて、私たち文芸部は10人、二桁を達成した。
4人はアニメのコスプレ仲間らしい。前田ちゃんからは想像しにくいけど、可愛いんだろうなぁ。
ももはたいそう喜んでて、キャッキャしてた。
そういえば、・・・名前なんだっけ、花音ちゃんだっけ、が
「私たち、憂佳の応援隊なんです」って言ってたけどどういう意味かな?
ちょっとよくわからないかも。
とにかく、10人。あと7人・・・時間は十分!

そんなこんなで、放課後、私は勧誘には加わらずにある病院を目指していた。
えっと、5階の505号室・・・・だっけ。病院の消毒の匂いが鼻をさす。
コンコン、とノックをするとはぁーいと気の抜けた声が聞こえてきた。

「よっ。」

引き戸を開けて顔を覗かせると、この部屋に入院中の親友がビックリした顔を見せた。
彼女はベッドの上で本を読んでいたらしい。

「愛理!えへへ、久しぶり」
「だね、りーちゃん」

りーちゃんこと、菅谷梨沙子は私の中学時代からの親友。
同じ高校に入学したのに、りーちゃん身体が弱くて、結局4月から一度も登校していない。
中学も実はほとんど来てなかったから、こうなることはわかっていたんだけどさ。

ここ1ヶ月くらいバタバタしてて、いろいろあって1度も来てなかったんだ。
悪いなぁとは思いつつ、・・・・わ、忘れてたわけじゃないもん。

で、なんで今日ココへ来たかと言うと・・・


589 : 名無し募集中。。。 :2009/09/01(火) 00:29:29.26 0
>>558
第164回

「りーちゃん、退院近いんだって?」
「え、誰に聞いたの?」
「りーちゃんのママ。昨日うちに来てて、ママと喋ってるの聞いた」
「なーんだ。学校に行ってビックリさせようって思ってたのにぃ」
りーちゃんはちょっと拗ねた顔をしてからはにかむ。

「それに愛理来てくれないし、忘れられてるのかと思ってた」
「そ、そんなのあるわけないじゃん!親友だよ?私」
「どうかなぁ?まぁ、いいや。で、なに?」
りーちゃんは読んでいた本にしおりを挟んでマクラの隣に置いてから、
ベッド脇に座った私に向き直った。

「あのね、言いたいことは山ほどあって今日全部喋って帰るつもりだけど
とりあえず、1つお願いがあるの・・・・」
「え?愛理がお願いって珍しいね。いつも逆なのに」
「・・・・退院っていつ?」
「えっとね、1週間後かな。決まったんだよ。」
「よし、じゃあね、・・・えっと、文芸部に入ってくれない?りーちゃん本好きだしさ」
「ほえ?文芸部?あぁ、そっか愛理入ってるんだっけ」
「うん、今ピンチなのね。それで・・・・」
部室の話も、生徒会との話も、マシンガントークでりーちゃんに喋り続けた。
りーちゃんは首を傾げたりうんうん頷いたりしながら話を聞いてくれた。

「ってことなの。入ってくれるよね?」
「・・・・うん、いいよ?」
「よかったぁ!ありがと!」
「どういたしまして。楽しそうなことしてたんだね、愛理。羨ましいよ」
りーちゃんはほんとに羨ましそうにそう言った。
そのあと、私は先輩のことや舞美ちゃんのことを話した。長い、長い、話だった。


632 : 名無し募集中。。。 :2009/09/02(水) 01:53:00.19 0
>>589
第165回

りーちゃんを誘ってから、1週間が過ぎた。
最初の3日間くらいはとんとん拍子に進んで、部員はりーちゃん入れて11人。
でも、そこから全然増えなくなって、チラシを毎日配っても貰ってくれなくなって
みんなの気合とやる気は少しずつ奪われてた。

ももはご機嫌ナナメな日が多くなって、みやはいつの間にか前田ちゃんと仲良くなってて
私は私と先輩の間に入ってくることが多くなった須藤先輩にちょっと不服で、
当の本人先輩はそんなことにも気付かず無邪気で、
前田ちゃんのお友達たちはマジメなんだろうけど気合が空回りって感じ。

で・・・・舞美ちゃんはといえば、相変わらずの様子。
何度問い詰めても転校の理由を話してはくれなかった。
ただ、最近は梅田さんっていう昔のお友達と仲がいいみたいで
私に絡んでくる回数は減っていた。私はほっとしていたんだけど・・・・。

そして、りーちゃんは病院を退院してやっと初登校の日になった。
朝の勧誘は欠席して、りーちゃんを家まで迎えに行く。
家を出ると、門扉のところに舞美ちゃんがいた。
ここ数日いなかったから少しビックリしてしまう。

「おはよ、愛理」
「お、おはよ。どうしたの?」
「んー迎えに来た」
「・・・あのさ、今日私は朝の勧誘行かないの。先に行ってよ」
「なんで?時間はいつもと一緒じゃん」
「なんでもいいでしょ、ほら行って」

門から出て、舞美ちゃんの背中を押す。
・・・でも、駅の方へは行ってくれずに私の後についてきた。


633 : 名無し募集中。。。 :2009/09/02(水) 01:54:14.10 0
>>632
第166回

「愛理?どこ行くの?」
「いいでしょ別に」
「教えてよー」
「・・・・・・・」
舞美ちゃんを無視して、りーちゃんの家まで歩く。
だけど、さすがに舞美ちゃんも気付いたようで。

「あれ、ここって梨沙子の家じゃん」
「そうだよ」
「え、一緒の学校?」
「そう」
「でも、一回も見てないよ?」
「・・・もう、後で話すからここにいて」
質問攻めにあいそうだったから、私は舞美ちゃんをりーちゃんの家の前に残して
りーちゃんの家の中に入っていった。

勝手知ったる菅谷家の家の中に入り、ご両親に挨拶をしてから2階の部屋へ向かった。
ノックをして中に入ると、・・・・髪はボサボサ、パジャマ姿のりーちゃん。
「ちょ、ちょっと!時間ないよ、なんで何もしてないのー」
「愛理待ってたの」
「えぇ、・・・もう、髪くらい梳かしておきなよー」
「愛理して」
「わかったわかった・・・もう、りーちゃんは」
「えへへ、愛理大好き」
私が呆れたように言うと、りーちゃんはくしゃっと笑って私に抱き付いてくる。
んもう・・・可愛いと思って甘えちゃってさ。とは思いつつ、悪い気はしない。

私は急いで、制服に着替えさせて髪を整えた。りーちゃんはニコニコしながら
私がしてることを見守ってる。もう・・・。


634 : 名無し募集中。。。 :2009/09/02(水) 01:56:10.16 0
>>633
第167回

「ねぇ、ところであの、愛理の恋人さんって今日紹介してくれる?」
「え、うん、いいよ」
「楽しみだなぁ。背が高いんだっけ・・・」
「ちょっとりーちゃん、とらないでよ?」
「どうだろ?」
「りーちゃんもう髪の毛整えてあげないよ」
「ご、ごめん、冗談だよー早くぅ」
「はいはい」

りーちゃんは昔からこんな感じだ。頼られてるって気がして嬉しいけど
もうちょっと自立して欲しいなぁ。

そんなこんなで、りーちゃんの家を出たのは家に入ってから30分も経ってからだった。
早くきてよかった・・・・。あ、舞美ちゃんまだいるかな?悪いことしちゃったかな。

「愛理、遅いよもう」
「ご、ごめん」
「え、舞美ちゃん!?」
「梨沙子!背伸びたね、可愛くなった!」

って思って外へ出ると、こんな感じで・・・。
3人でワイワイと話をしながら学校へ向かった。
昔はこうやって3人で通ってたこともあって、懐かしかった。楽しかった。


先輩になんて言って紹介しようかな。・・・なんて能天気なこと考えていたときに、
先輩がピンチに立たされていたこととなど知りようもなかった。



667 : 名無し募集中。。。 :2009/09/03(木) 01:33:23.76 0
>>634
第168回

学校に着いたのは、勧誘を終えて引き上げる時間くらいで
校門の手前から、校舎へ入っていくみやの姿が見えた。

「みやー!」
大きい声でみやを呼び止めると、ん?って感じでみやは振り返ってくれた。
私が駆け寄るとみやは顔を緩ませて微笑んでくれた。

「おはよ、愛理」
「うん、おはよ。今日はどう?」
「ダメだねぇ・・・チラシもほら、こんなに余っちゃた」

みやは右手を上げて、手の中にあるチラシの束を見せてくれる。
うーん・・・絶賛苦戦中か。
って振り返ると、りーちゃんと舞美ちゃんがすぐ後ろにいた。

「舞美ちゃんおはよ」
「みやおはよぉー」
「・・・・・・?だれ?」
みやは首を傾げてりーちゃんを見つめた。
「あぁ、ごめん。この間話した新入部員の梨沙子ちゃん」
「あー!!そっか、梨沙子ちゃんか。夏焼雅2年生です、よろしく」
「あ、えっと、よ、よろしくです!」
みやが差し出した手をびっくりしたまま握るりーちゃん。
うふふ、緊張してるなぁりーちゃんは。

「じゃあうちちょっと部室に用があるから行くね」
「あ!私昨日、部室にペンケース忘れた!」

って言って走り出したみやと舞美ちゃんに手を振って私たちは下足室へ向かった。


668 : 名無し募集中。。。 :2009/09/03(木) 01:34:47.58 0
>>667
第169回

りーちゃんはぼーっとみやを握手した手を見てる。
「・・・りーちゃん、どしたの?」
「・・・え、な、なんか言った?」
「あれぇ、ひょっとしてみやのこと・・・」
からかうように言うとりーちゃんは必死になって否定した。
「ち、違うよ!そ、そんなんじゃないもん!・・・ただ、目が綺麗な人だなぁって・・・
それに手も温かくて・・・きっと優しい人なんだろうなって思って・・・それだけだもん!」
「はいはい、わかったわかった」
「むぅ、愛理嫌い!」
「嫌いって言ってたら下駄箱教えてあげないよー」
「え、や、やだ!愛理好き!どこ?教えて!」
「うん、こっち」

りーちゃんの腕を引っ張って、りーちゃんの、まだ一回も使われていない下駄箱へ案内した。
鈴木、の1つ上にある菅谷と書かれた下駄箱。ネームプレートが他より綺麗で浮き上がってる。

「ここ。りーちゃんの名前あるでしょ?」
「うん・・・えへへ、ずっとね、ずっと来たかったの学校・・・嬉しい。」
「そっか。よかったね。しんどくなったらいつもで言うんだよ?」
「・・・ありがと。愛理のおかげだよ。」
「そんなことないよ、ほら、行こう」

靴を履き替えて教室を目指した。入試以来、ここへやってきたりーちゃんは
物珍しそうに校舎の中を見回して歩いていた。
私も、りーちゃんが早く学校慣れるようにといろいろ説明しながら歩いていた。
幸いにも同じクラスだから、目指す場所は同じ。


669 : 名無し募集中。。。 :2009/09/03(木) 01:36:16.56 0
>>668
第170回

すると、目の前に背の高い一際目立つ美人。友理奈先輩が歩いてきた。
今日もサラサラのストレートヘアは健在のようで、綺麗だ。

先輩に手を振る。でも、先輩は下を向いて歩いているから私には気付かない。
りーちゃんは前から歩いてくる先輩に気付いたみたいで、興味津々に見つめてる。

「先輩!」
すごく近づいてるのに、呼んでいるのに気付いてくれない。
「・・・・・・」
「せ、先輩!?」
私が大きな声で呼び止めると、ハっとしたように立ち止まった先輩とやっと目が合った。
「・・・あ、愛理・・・おはよ」
だけど心ここにあらずというか・・・・なんというか。様子が変。
「どうか、しました?」
「いや・・・・」
私の質問にも、言葉を濁して目を逸らしてしまう。
「あの、先輩、この間話した親友の」
「ごめん、急いでるんだ。またあとで」
私が少し後ろにいるりーちゃんを紹介しようとしたら、先輩にその言葉を遮られた。
そしてそのまま早足で歩いて行ってしまう。

「・・・・なんか怒ってた?」
先輩が行ってしまった後、りーちゃんがそう聞いた。
「ううん、きっと急ぎの用事があるんだよ」
「そっか・・・ならいいけど・・・」

りーちゃんの言葉にそう答えたけど・・・そんな理由じゃ納得できないほど、
先輩の態度はおかしかった。
・・・何があったのかな?と首を傾げてみても答えは出なかった。