第31話~第40話

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airi-kumai

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だれでも歓迎! 編集
394 :名無し募集中。。。:2009/07/07(火) 23:52:06.83 0
>>367
第31回

「なにやってんの、敵だよくまいちょーは!」
信じられない。なに、告白した!?何で急にそういうことになるかな!?
意味わかんないよあいりん!ってか昨日何があったのよ!
「まあまあもも落ち着いて」
思わず立ち上がっていたももをみやがイスへ押し戻した。
「言うと思ったそれ・・・」
愛理が小声でそう言った。わかってんならなんでやったの!

「敵とかじゃないもん!先輩はもものために動いてるの!生徒会だからってひどいこと言うのやめてよね!」
「だからその、ため、が嫌なの!」
「まあそれはうちも同感・・・ってそうじゃなくて落ち着いてよ2人とも。」
みやの言葉で2人とも黙り込んだ。

お昼休みの部室。今日は珍しくみやも来たと思ったら愛理の話になって・・・

「愛理、告白って・・・憧れてるだけじゃなかったの?ちょっとばかし展開早いんじゃない?」
みやは愛理に諭すように声をかけた。そうだよ、何で急に告白になっちゃうの。
「うん・・・あの、昨日いろいろあって先輩のおうちに行ってそれで・・・」
愛理は昨日出来事をポツリポツリと話し始めた。
いろいろ突っ込みどころはあったけどとりあえず黙って話を聞くことにした。

「私、馬鹿だったなぁって思って。先輩のこと全然ちゃんと見てなかったなって。反省したの。
憧れてるっていうのはまさにそういう感じで、外見だけが好きってことだったのね。
でも、先輩が優しくしてくれたり弱いところ見せてくれたり気を使ってくれたり・・・
私それで泣いちゃって・・・なんでこんなに優しいんだろって・・・・あぁ、朝ゴメンネみや。
・・・それで、それで、・・・あぁ、本当に好きってこういう感じなんだなぁって思ったら・・・
・・・・・・・・・先に言葉が出ちゃいまして・・・・・・」

愛理は恥ずかしそうに頬を赤らめて下を向いた。悔しいけど可愛い。ってそういう問題じゃなくて!


396 :名無し募集中。。。:2009/07/08(水) 00:20:45.21 0
>>394
第32回

「まぁ、それはいいよ。もうわかった。まぁ頑張って」
みやは納得した様子で話を先に進めたがっていた。
「で、さ、この部どうすんの?もも、愛理に話した?」
「ううん、まだ」
「あ、聞いてない!聞こうと思ってたの!」
愛理は思い出したようにももに詰め寄る。
忘れてたなー!・・・まあ自分で精一杯ならしょうがないよね。

よし、部活のことに頭を切り替えよう。
「とりあえずももはこの部室誰かに渡す気ないからね。
くまいちょーが言ってる意見交換会?とか言うのにも出る気ない。
だってこんなのとりあえず意見だけ聞いて部室から追い出すってのがミエミエじゃん?
部は存続させてやるから納得しろって言われてる気がして嫌なの。」
ももはペンをくるくる回しながら二人に言った。

「でも実際問題厳しいよ?この部の存続も、部室も」
愛理は首を傾げてももに聞いてくる。
「そりゃわかってるけど・・・でも、やだ」
「駄々っ子じゃんもも」
みやは相変わらずはっきり言うね・・・グサリと胸に突き刺さるよー痛い!
「わかってるよ。だからその理由を愛理に説明しなきゃじゃん。生徒会に言うつもりはないけど。」
「ねぇ、みやは理由知ってるのに部室なくなって平気なの?」
愛理が当然の疑問を口にした。
「・・・ん?まあ、しょうがないよ。形あるものいつか・・・って言うじゃん?
それに聞いた?この部室を本気で欲しがってるの、総勢20名のペタンク同好会らしいじゃん。
3人のうちらに勝ち目ないっしょ。ももの気持ちは十分わかってるつもりだけど、仕方ないことってあるしさ」
「「・・・ペタンク?」」

なにその聞いたこともない名前の部は。そんなとこにココ取られちゃうの!?


398 :名無し募集中。。。:2009/07/08(水) 00:37:25.29 0
>>396
第33回

「でも、あの副会長さんみたいなのは嫌だけどね。ももの気も知らないでさ」
「うんうん!みやよく言った!」

ももはみやの発言を嬉しそうに聞いて、みやの頭を撫でた。
みやは恥ずかしそうに手を払ったけど、ちょっと嬉しそうだった。
この2人って仲いいのか悪いのかイマイチわかんないな・・・。

「2人ともひどいよ先輩だって真剣なんだよ。じゃあどうするの?廃部になったら?
部室なくなったら意味ないって言うけど、じゃあ廃部になって部室もなくなりましたって
そうなったらどうするの?サークル、同好会でいいの?」
ももに質問を浴びせる。駄々こねてるばかりじゃ話が進まないんだもん。
先輩を侮辱するのも許せない。先輩だって一生懸命なのに!
「最悪、それでもいいよ。部室と部は一心同体だもん。無くなるなら一緒。」
「・・・・なにそれ。ふーんそれでいいの。じゃあもう廃部でいいじゃん!」
「・・・愛理、ちゃんと話すから。きっと愛理もわかってくれると・・・思う」

ももは急に真剣な顔をしてそう言った。あまりに真剣でドキっとするくらいだった。
一体なにがももをここまで文芸部に執着させているんだろう。さっぱり見当がつかない。

「でも、みやが・・・私がももの話に納得したとしてみやは?」
「え?」
「みやは仕方ないって思ってるんでしょ?だったら・・・」
意味ないよ、団結しなきゃ・・・。
「・・・ももはそれでいいの?みやが諦めちゃってていいの?」
みやに、ももに聞く。
「よくない・・・けど、でも強制はできないもん。愛理のことも強制つもりじゃないんだ
ただ・・・なんていうかわかって欲しいっていうか・・・。」
ももは諦めたように微笑んだ。
「だから、一人でも戦うよ。その覚悟、できてる。」


401 :名無し募集中。。。:2009/07/08(水) 00:59:49.73 0
>>398
第34回

「みやはね、ツグさんの味方だよ。そんな悲しい顔しないでよ。」
みやは優しい声で言った。
「仕方ないって思ってる。部室がなくなってもそれはしょうがない。
・・・だけど、なくなってもいいなんて言ってないでしょ?
まあ昨日あたりは負け認めちゃうかー仕方ないよなーとも思ってたけどちょっと気が変わった。」
「あ・・・」
そういえばそうだ。諦めてるとかしょうがいって言いつつ
部室がなくなることに賛成はしていなかったみや。
「ツグさんが戦うんならみやも戦う。ただ、負けたとき悔しいじゃなくて
まあしょうがないよって今からそう思ってるだけなんだよ。愛理、わかってくれる?」
「う、うん・・・・わかった。じゃあ、もも話・・・」

そう言うと授業5分前の予鈴が鳴った。

「長い話だから今日こそ放課後ね。」
「うんわかった」

ももはそう言ってお弁当を片付け始めた。

授業中、授業は全然頭に入ってこなかった。
熊井先輩のこと、もものこと、部活のこと、頭の中がグルグルしていた。

私はあの部をどうしたいんだろう?そういえば聞かれなかったし言わなかった。
私は・・・やっぱりなくなるのはいや。
私にとって部室はももと同じで大切な場所だから、なくなるのは困る。

ももの話ってなんなんだろ・・・。


402 :名無し募集中。。。:2009/07/08(水) 01:08:53.21 0
>>401
第35回

愛理ちゃんに告白された次の日、私は愛理ちゃんが電車から降りてくるのを
改札の外で待っていた。昨日とはまた違う理由で。

「愛理ちゃーん!」
改札から出てこようとする愛理ちゃんを呼んだ。
愛理ちゃんはビックリした顔をして一瞬固まって、それから
トコトコと私の元へやってきた。昨日いた、なつ・・・なんだっけ、夏焼さんか、はいなかった。
「おはよう、愛理ちゃん」
「お、おはようございます・・・」
あれ、ちょっと元気がない?いや・・・緊張してるのかな?

「あの、今日のことなんだけど、」
「・・・・・・・・・」
「・・・?愛理ちゃん?」
「え、あ、はい・・・・すいません・・・なんでしたっけ?」

ボーっとした様子でちょっと落ち込んでいるようにも見える。何かあったのかな?

「えっと今日のことで・・・授業が終わったら部室にいてくれる?迎えに行くから」
「あ、・・・・はい。わかりました」

愛理ちゃんが笑ってくれない。私を癒してくれるあの笑顔がない。
いよいよ心配になってきて愛理ちゃんの手を引いて歩き出した。
「どうしたの?なんかあった?」
「い、いえ・・・なんでも。すいません、なんかボーっとしちゃって」
愛理ちゃんは微笑んでくれたけど、作った笑顔がバレバレだった。

・・・なにがあったんだろ?
昨日、私に好きだと言ってくれた女の子とは違う人みたいだった。


448 :名無し募集中。。。:2009/07/10(金) 00:51:08.04 0
>>402
第36回

放課後になって部室へ行った。誰もいない。昨日のこともあって、
ももはきっと気を使ってるのかもしれない。
あんな話聞かされたらなあ・・・いくら大好きな熊井先輩の前でも、
上手く笑えない。そんなんじゃだめだって、嫌われちゃうって分かってるのに。
それでも今朝は笑えなくて印象最悪かも・・・・

そんな心配と、ももの話を考えていたらぼーっとしちゃっていた。
だから、入ってきたみやに全然気がつかなかった。

「愛理?」
「み、みや!?」
「驚きすぎwちょっと様子見に来てみた。どう?緊張してる?」
「そりゃ・・・するよ。でもそれどころじゃないって気もするから・・・」
「もものこと?そんなの気にしなくていいよ。まあ若干重い話だったろうけど
愛理が深く考える必要はないの。ももはただ、愛理に味方になってほしいだけだから。
それより・・・・・・今日告白がOKだったらどうする?」

若干って・・・重過ぎるよあれ。

「どうするって・・・別に。嬉しいし喜ぶけどどうってことは・・・ないでしょ?」
「もしかして、襲われちゃったりしてw」
「な、なに言ってんの!ありえないです!」
「いや、ありえるかもよ。手が早いかもしんない。まーキスはされちゃうね、愛理。
覚悟は?勇気いるよw」
「み、みやのばか!」
やめてよ変なこと言わないでよもう・・・・


451 :名無し募集中。。。:2009/07/10(金) 00:58:57.98 0
>>448
第37回

「いいじゃん別に。愛理が妄想してることと変わんないって」
「うぅ・・・!みや嫌い!」

みやに変なこと言われちゃって頭がソウイウコトでいっぱいになってくる。
キス?しちゃうのかな・・・ふぁ、ファーストキス・・・・?
ふと、先輩の顔が近づいてくるところを想像して顔が真っ赤になった。

「愛理やらしいなぁw」
「ば、ばか!そんなんじゃないよ!もう帰って!」
「はいはい。じゃあ、頑張ってね」
「・・・・うん、ありがと。でも、断られるよきっと」
「自信ないの?だめだよそんなんじゃ。・・・・じゃあ愛理、バイバイ」
「うん、・・・みやありがとね。ばいばい」

みやは手を振って帰っていた。もう、何しにきたんだが・・・。
余計なこと言うから・・・今まで書いた同人誌の内容とか浮かんじゃって
それが熊井先輩に重なってもう沸騰したみたいな頭の中になってた。

「あ、ありえない・・・ありえない・・・」
そう言って打ち消すのが精一杯だった。
もものことは、いつの間にか頭の中の隅へと押しやっていた。

チラっと時計を見る。部室に来て20分くらい経った。
先輩はまだかなぁ・・・・
期待と、不安と、ドキドキで胸はいっぱいだった。
恋愛って楽しいなぁ・・・なんて考えていた。


454 :名無し募集中。。。:2009/07/10(金) 01:08:33.63 0
>>451
第38回

部室を出たら、ももがいた。壁にもたれて腕を組んでる。
下を向いていてみやが出てドアを閉めた途端、ももは言った。

「なに無理してんの?」
なんだそんなこと・・・。
放っておいてくれればいいものを。もうどうせ無理なんだから。
「何が?って盗み聞きしないでよ。趣味悪い」
「とられちゃうよ、愛理」
「だからなに?」
「かっこつけてるの?それとも諦めてるの?」
「ももに関係ないじゃん」

「くまいちょー本気だよきっと。今朝話したもん。
あれは多分OKすると思う。愛理のこと・・・これでいいの?」
「愛理が幸せで笑ってくれてればそれでいい。それ以上何があるの?」
「いや・・・・もういい。みやってオトナだね」
「ももがコドモなだけ。そりゃあいつ気に入らないけど、
愛理は好きで好きでしょうがないんでしょ。だったら口挟む余地ないじゃん」
「でも、ももはみやにも幸せになってほしい。笑って欲しいよ
みやが悲しいところ見るのは嫌なんだもん」
「別にいいから。もう放っておいて。じゃあももは愛理が悲しいのが見たいわけ?」
どんどん腹が立ってきて語尾がきつくなってしまう。
ももは萎縮したように小さくなった。

「そういう意味じゃ・・・・」

ももはそれ以降喋らなくて、沈黙が続いてうちは耐え切れなくなって
その場から逃げ出した。・・・愛理、幸せになってね。
そう思っているのに、涙が止まらなかった。


459 :名無し募集中。。。:2009/07/10(金) 01:19:22.53 0
>>454
第39回

「あのバカ・・・」
みやがいなくなって、そんな言葉が小さく漏れた。
みやってバカだなぁ。
何にも気付いてくれない。
でも、ももってもっとバカかも。
告白まがいなこと言っちゃってさ。

みやが愛理を好きだけど愛理の幸せを願うってことは
みやに対して同じようなこと言ったももがどういう感情かくらい
分かると思うんだけどな・・・まあみやじゃ無理か。

「・・・はぁ」

小さなため息が廊下に響いた。

朝、こう聞いた。
「OKなの?愛理の告白」
「わからないよ」
「でも、わからないってくまいちょーが悩むのってほとんどないじゃん」
「・・・・・・・・・」
「それイコールOKってことでしょ。嫌なら即行断るくせに。」
「・・・うちはただ・・・ももが」
「ももは関係ないでしょ?」
「でも・・・」
「終わったことをいつまでもグチグチ言わないの。先に進んで欲しいだけ、ももは」
「・・・・・うん・・・わかってる、わかってるから悩むんだよね」

悲しそうに微笑んだくまいちょーはそれ以上何も言わなかった。


490 : 名無し募集中。。。:2009/07/11(土) 1:22:20.46 0
>459
第40回

「あれ、ももち?どしたの?」
部室の前までやってきたらももちがドアの隣で腕組みをしていた。
壁にもたれて、何かをじっと考え込むような・・・。
「あぁ、くまいちょー。愛理迎えに来たの?」
「うん。」
「家に連れて行くんでしょ?愛理はまたビックリしちゃうね、大きいからあそこ」
「・・・そう?まぁ、いいや。」
「決めたの?コタエ」
ももちはうちの顔をじっと見つめて言った。
大きな目がうちの目を捉えて離さない。
あまりに真剣なその顔に少しだけ、怖いと思った。
うちは素直に、頷いた。
「・・・うん。」
「・・・愛理のこと、頼んだよ。じゃあ、ばいばい」
「バイバイ、ももち。ありがとう」

ももちは手を振って階段を上っていった。
うちはももちを見送って部室のドアのノックした。
すぐに「はぁーい」という愛理ちゃんの可愛い声が聞こえてきた。

ドアを開けると愛理ちゃんが机に座って私を待っていた。
「ごめんね、ちょっと遅くなっちゃった」
「いえいえ全然待ってないです・・・えっと、もう行きますか?」
「うん、行こう」
手を差し出すと愛理ちゃんは一瞬躊躇って、手ではなく、腕を掴んだ。
「行きましょう」
「う、うん・・・」

腕に感じた感触がリアルでちょっぴり、ドキドキした。

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