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344:&color(blue){&B(){&U(){名無し募集中。。。}}}:2010/04/08(木) 02:28:08.39 0
第401回
「え、ちょ、ちょっと村上さん」
「ほら、あたしが帰ってあげるから。それからめぐでいいって言ったじゃん」
「あ、ちょっと!」
熊井ちゃんはめぐに引っ張られて、教室を出て行った。
不服そうな顔が、なんとも熊井ちゃんらしくて少し笑った。
ここには、3人だけが残った。つい1ヶ月前にはこの3人しかいなかった。
3人でいるのは楽しかった。愛理は入部してあんまり経っていなかったのに
すごく馴染んでたし、3人でいるのが心地いいとさえ思っていた。
「ねぇ、あっちの部室行こう。3人だと、そっちの方が落ち着くよ」
静まり返った教室に響いた愛理の声。ももが小さく頷いた。うちも。
みんな大切な部員で、仲間。だけど、この2人は少し違う。上手く言えないけど、
でも、もっともっと大切・・・そう言えばいいのかな。それも正しいとは言い切れない。
特別、そう、特別なんだ。
教室を簡単に片付けて、カバンを持って部室Aに向かう。
その間、うちらはなんとなく無口になった。
さっきまでテンション高くて嬉しくて、声なんかもでっかくて、集中して勉強して
…そういうのが一気に収まってしまった感じだ。
ももがカギを開けて中に入る。3人だけでここへ入るのなんて、いつぶりかな。
ももはカギを自分が使っていた机に放り投げた。
うちらも部室の中に入って、カバンをいつもの場所へ置いて、イスに座った。
345:&color(blue){&b(){&u(){名無し募集中。。。}}}:2010/04/08(木) 02:29:08.42 0
第402回
「グス・・・」
ももが泣き始めたのは、そのすぐあとのことだった。
ももはイスに座ったまま膝の上に拳を作って、泣き始めた。
嬉し涙なのか、ほっとした涙なのか、・・・どんな涙だろう?
「もも、今日はいっぱい泣いて」
愛理がやさしい声でももに告げた。ももは頷いて「ばびばどう(ありがとう)」って言った。
よくわかんなかったけど。
それでもやさしい愛理はももの髪を撫で始めた。やさしく、やさしく。
「ほんと、嬉しかった。嬉しくてしょうがなかった。・・・だめ、私も泣いちゃう・・・グス」
愛理も泣き始めた。ももの髪を撫でながら、泣いている。
なんとなく、みんなには見せられない涙なんだ。
だからきっと、2人とも我慢してたんだ。・・・そんな気がした。
二人はそんなこと言わないだろうから、うちの想像なんだけど。
「よかったね、もも。頑張ったかいがあったね。」
うちは、ももに声をかけた。ももは「うん」と頷いてくれる。
先輩から託された部室。
先輩から託された過去の大切な資料。
先輩たちと、後輩たちと作ってきた思い出。
全部、ももの宝物だから。全部大事なんだ。
346:&color(blue){&b(){&U(){名無し募集中。。。}}}:2010/04/08(木) 02:30:15.83 0
第403回
少々古くても、カビ臭くても、それでもなくしちゃいけないんだ。
形あるものいつか壊れるって思ってるし
うちは最初部室の存続には否定的だった。
それでも、こんなに愛着を持っているのはどうしてなんだろう。
…・どうして、目の前の愛理やももが霞んでいるんだろう。
「・・・みや、泣いてる」
「泣いてないよ」
「泣いてるよ」
「泣いて・・・なんか、グス・・・」
涙だらけの、この部室。
この涙の意味はなんだろう。
…意味なんかどうでもいいか。とりあえず、いっぱい泣こうってそう決めた。
3人で、泣きながら、遅くまで思い出話をした。
あんなことがあったね、こんなことがあったね、っていっぱい話した。
…テストが終わったら、3人だけじゃない、みんなでいっぱい思い出を作ろう。
いろんなことがしたい。いっぱいしたい。
みんな、文芸部に入ってくれてありがとう。
そう、叫びだしそうになって、みやうるさい、ってももに止められるのだった。
347:&color(blue){&b(){&u(){名無し募集中。。。}}}:2010/04/08(木) 02:31:08.08 0
部員獲得大作戦(仮)[第一部]
おしまい♪
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