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232:&color(green){&b(){名無し募集中。。。}}:2010/03/27(土) 00:56:05.61 0 &color(blue){>>231} 第391話 「憂佳のお願い聞いてください」 「いや、聞く義理がないから。逆でしょ?どっちかといえば」 「うっ・・・そりゃそうだけど」 つっこんであげると言葉に詰まった。ふふ、可愛い子だ全く。 「ちょ、ちょっとめぐちゃん?」 「前田ちゃん!めぐと知り合い!?」 「あ、はい・・・でもちょっと説明がめんどくさいんで、ここは憂佳に任せてください!」 「え・・・あぁ、うん」 憂佳はみやの前でガッツポーズを作ってみせた。 ただ、みやとももちゃんの表情は不安げで笑えるw …しかし、この天然な憂佳・・・侮れない。 昼休みギリギリまでお弁当を食べる暇さえ与えてくれず、ひたすら勧誘された。 あれがいいだの、これがいいだの。 みやとももちゃんはポカーンだっつーの。それもまた笑えるわけですけど・・・。 「と、いうことで入部でいいですか?」 「・・・あぁ、うん、もう、いいよ入る・・・」 疲れたあたしはもういいや、とそういう気分で言った。 するとももちゃんとみやの顔がパっと明るくなった。 「ほんと!?めぐちゃんほんと!?」 「えぇ、・・・うん、でも、あの、あんまり参加しなくてもいい?」 「それはまあ後で考えるけど、めぐありがと!」 みやがガバっと抱きついてくる。・・・半年経っても成長してないな、この胸。 …ということは黙っておこう。 233:&color(green){&b(){名無し募集中。。。}}:2010/03/27(土) 00:58:15.21 0 &color(blue){>>232} 第392話 「ありがとうございます、村上さん」 「負けたよ、憂佳」 「えへへ」 無邪気に笑う憂佳。可愛くて、みやを押し退けて抱きしめたいくらいだ。 …まぁ、いいか。この3人はきっと、いつまでも味方でいてくれるはずだ。 そう、信じて、入部してやろうじゃないの。 あ、そういや愛理ちゃんもいるんだっけ・・・楽しみ・・・・うん、楽しみだ。 「ってお弁当食べてないんですけど!」 結局開かれることのなかったお弁当だけが手の中に残った・・・。 ◆ 「で、どういう関係?」 「めぐ教えなさい!」 「また今度ね」 次の休み時間、2人してあたしの教室までみやとももちゃんがやってきた。 まったく。 「えぇ、めぐちゃん教えてよー」 「今度ね」 「めぐー!」 「今度!」 「「うぅ・・・」」 …話すときは、何から話せばいいのかな・・・? 281:&color(blue){&b(){&u(){名無し募集中。。。}}}:2010/04/01(木) 01:51:19.88 0 第393回 さすがに、今日はあの狭苦しい部室ではなく、広い会議室に集まった。 だけど、学校は休みのはずなのにこうも朝早いと眠い・・・。 例によって、ももはいない。村上さんを連れて来るんだ。 昨日よりみんなびっくりしちゃうんじゃないかな? 私は昨日、ももとみやから教えてもらったけど・・・ 友理奈先輩にも内緒にしててって言われたし。 ただ、部員が揃ったことはみんなにメールで伝えてあるし、 みんな誰だろうってちょっとそわそわしてる。 「愛理、誰だと思う?」 「さぁ、誰ですかね」 「うーん」 先輩は英語の問題を解きながら私に聞いた。 もちろん言えない私ははぐらかす。先輩はうーんって言って黙り込んだ。 先輩の横顔をチラチラ見ている私。 …綺麗だし可愛いし・・・惚れ惚れしてしまう。私を好きになってくれてよかった。 なんて、今更そんなこと考えちゃったりしてさ。 ふと、斜め前にいるみやを見るとだるそうな顔してケータイを触ってる。 …みやってほんと顔に出るよね・・・わかりやすい。 みやからすればもう知ってるしなんでこんなに早く・・・と心の中で舌打ちでもしてるだろう。 ふふふ、と思わず笑みがこぼれる。 「なに、愛理きもい」 「き、きもいってひどいよみや」 「一人で笑ってるからじゃん」 「うぅ・・・ごめん」 282:&color(blue){&b(){&u(){名無し募集中。。。}}}:2010/04/01(木) 01:52:01.90 0 &color(blue){>>281} 第394回 …そういえば、みや勉強は大丈夫なのかな?ももによれば相当やばいみたいだけど。 なんて人の心配をしていたら、ガラっと会議室のドアが開いた。 そこにはもちろんももがいて。・・・なんかちょっとデジャブ。 「みんなごめーん!部長、ただいま参上!なんつって」 昨日と同じセリフ・・・。ちょっと恥ずかしい。 「ちょっとみんなそんな冷めた目で見ないの!はい、じゃあ、新しい部員!」 ももは一言文句を言ってから、ドアの影から村上さんを引っ張り出した。 「・・・・どうも。」 昨日よりも衝撃は大きかったらしい。もれなく全員絶句した。 あ、みやと私と前田ちゃんは別だけど。 「どうも、だけじゃだめじゃん。ほら、自己紹介」 「いいじゃん別に」 「だめ」 「・・・はいはい。2年の村上でーす。よろしく」 「もも、みんな固まってるよ」 みやがすかさず突っ込むけど、固まってる人たちに変化はないみたい。 だけど、さすがに生徒会長さんがやっと言葉を発した。 「・・・マジ?」 「うん、マジ。佐紀ちゃん嬉しいでしょ」 「はぁ?・・・・え、あぁ・・・・・えっと・・・」 会長さんの微妙な顔がちょっと面白い。・・・ももには逆らえないみたいだしね。 村上さんはと言うとさっさと空いてるイスに座って、「ももちゃん話進めて」と他人事。 隣にいる梅田先輩がちょっとビクっとしたのが目に入った。 283:&color(blue){&b(){&u(){名無し募集中。。。}}}:2010/04/01(木) 01:52:46.85 0 &color(blue){>>282} 第395回 「ってなわけで、全員揃いました。拍手ー!」 ももと、みやと、私と、正気になった会長さんとその他数人だけの乾いたパチパチという音が響いた。 ちょっと悲しいけど、村上さんのあの噂を聞いていれば誰だって唖然とするのかもしれない。 それはやっぱり仕方のないことなのかもしれない。・・・さみしいけど。 「で、生徒会の部員確認が9時?佐紀ちゃん9時だっけ?」 「10時」 「え、そうだっけ?あ、じゃあとりあえず前みたいな勉強会をやろうかなって。9、じゃなかった10時まで。 と、いうわけで・・・適当に学年に分かれてー!」 ももがまだポカン気味の子達にパンパンと手を叩いて尻を叩いた。 …朝早く来させられたのはこれが目的か・・・でも、あれ楽しかったし明後日からテストだしちょうどいいや。 私は1年生のグループを作るべく、「1年生ここー!」と大きな声で手をあげた。 ◆ 2年生 村上愛が目の前にいる。愛理とのいざこざがあって、噂で人を見ちゃいけないって そう反省したけど・・・・でも、やっぱりあの噂が頭にちらつく。 背だってうちより全然小さいし腕力が特別ありそうにも見えないし ほんとにあんなのやったのかな?・・・だめだ、どうしても考えちゃう。 なかさきちゃんや茉麻、友ちゃんなんかはキョロキョロ見るばっかりで目は一切合わそうとしてない。 そりゃそうだよね・・・うちも、もし愛理とのことがなけりゃ同じ反応だっただろうし。 そんな、ちょっと緊張感漂う2年生のテーブル。その緊張感を破ったのは 緊張感を漂わせた張本人だった。 284:&color(blue){&b(){&u(){名無し募集中。。。}}}:2010/04/01(木) 01:53:29.88 0 &color(blue){>>283} 第396回 「ここでバカなのみやだけなんじゃないのw」 頬杖をついてニヤニヤしながら村上はそう言った。 「はぁ、違うし。千奈美の方がバカだし」 みやは怒って、となりの千奈美を指差す。 「はぁ!?みやのがバカじゃん!」 千奈美も怒って、ちょっとした言い合い。・・・微笑ましい。 「千奈美じゃん!」 「・・・どっちもどっちなわけね」 村上は呆れたように呟いて、広げた数学の教科書に目を落とした。 この人はすごいと思う。好奇の目で見られているとわかっていてなんでこんなに冷静なんだろう? 慣れっこだから?それともそういう演技?・・・は違うように見えるけど・・・。 「ねぇ、熊井さんって2年で一番頭いいんだっけ?」 「え、あぁ、そんなことないよ。こないだの模試がよかっただけで」 「数学のさ、この定理わけわかんなくって。ほら、ここ独学で勉強したから混乱してきちゃった」 急に話しかけられてびっくりしたから、最初の返事が素っ頓狂な声になってしまった。 思っていたよりもずっとフレンドリーな喋り方だった。前に喋ったときは うちが敵意をむき出しにしていたから気付かなかったんだろうか? 指差された箇所を見る。私も苦労した部分だ。 「これは、AとBが同じってことに気付けば・・・ほら、こっちも同じ。 一見難しそうだけどここがわかっちゃえば平気だよ」 「あぁ!なるほどね。OK、わかった」 285:&color(blue){&b(){&u(){名無し募集中。。。}}}:2010/04/01(木) 01:54:17.03 0 &color(blue){>>284} 第397回 「あ、えっと須藤・・・さんだっけ?ねぇ、これ教えてよ国語得意なんでしょ?」 「中島さん?こっちの文法ってこれで合ってる?」 「吉川さん・・・だよね?こことこれって意味違うの?」 村上は馴染もうとしているのか、単純にわからないところを聞いているのか それはちょっとわからないけどすごく積極的だった。 …噂のことなんてちっとも感じさせない、普通の子。 みんな最初は戸惑ってたみたいだけど、そのうち馴染んできた。 ももちが「もう平気かな?」って耳打ちしてきたから「多分ね」と小さく答えた。 ちょっとずつでいいから、いろいろ話をしてみよう。そう思った。
232:&color(green){&b(){名無し募集中。。。}}:2010/03/27(土) 00:56:05.61 0 &color(blue){>>231} 第391話 「憂佳のお願い聞いてください」 「いや、聞く義理がないから。逆でしょ?どっちかといえば」 「うっ・・・そりゃそうだけど」 つっこんであげると言葉に詰まった。ふふ、可愛い子だ全く。 「ちょ、ちょっとめぐちゃん?」 「前田ちゃん!めぐと知り合い!?」 「あ、はい・・・でもちょっと説明がめんどくさいんで、ここは憂佳に任せてください!」 「え・・・あぁ、うん」 憂佳はみやの前でガッツポーズを作ってみせた。 ただ、みやとももちゃんの表情は不安げで笑えるw …しかし、この天然な憂佳・・・侮れない。 昼休みギリギリまでお弁当を食べる暇さえ与えてくれず、ひたすら勧誘された。 あれがいいだの、これがいいだの。 みやとももちゃんはポカーンだっつーの。それもまた笑えるわけですけど・・・。 「と、いうことで入部でいいですか?」 「・・・あぁ、うん、もう、いいよ入る・・・」 疲れたあたしはもういいや、とそういう気分で言った。 するとももちゃんとみやの顔がパっと明るくなった。 「ほんと!?めぐちゃんほんと!?」 「えぇ、・・・うん、でも、あの、あんまり参加しなくてもいい?」 「それはまあ後で考えるけど、めぐありがと!」 みやがガバっと抱きついてくる。・・・半年経っても成長してないな、この胸。 …ということは黙っておこう。 233:&color(green){&b(){名無し募集中。。。}}:2010/03/27(土) 00:58:15.21 0 &color(blue){>>232} 第392話 「ありがとうございます、村上さん」 「負けたよ、憂佳」 「えへへ」 無邪気に笑う憂佳。可愛くて、みやを押し退けて抱きしめたいくらいだ。 …まぁ、いいか。この3人はきっと、いつまでも味方でいてくれるはずだ。 そう、信じて、入部してやろうじゃないの。 あ、そういや愛理ちゃんもいるんだっけ・・・楽しみ・・・・うん、楽しみだ。 「ってお弁当食べてないんですけど!」 結局開かれることのなかったお弁当だけが手の中に残った・・・。 ◆ 「で、どういう関係?」 「めぐ教えなさい!」 「また今度ね」 次の休み時間、2人してあたしの教室までみやとももちゃんがやってきた。 まったく。 「えぇ、めぐちゃん教えてよー」 「今度ね」 「めぐー!」 「今度!」 「「うぅ・・・」」 …話すときは、何から話せばいいのかな・・・? 281:&color(blue){&b(){&u(){名無し募集中。。。}}}:2010/04/01(木) 01:51:19.88 0 第393回 さすがに、今日はあの狭苦しい部室ではなく、広い会議室に集まった。 だけど、学校は休みのはずなのにこうも朝早いと眠い・・・。 例によって、ももはいない。村上さんを連れて来るんだ。 昨日よりみんなびっくりしちゃうんじゃないかな? 私は昨日、ももとみやから教えてもらったけど・・・ 友理奈先輩にも内緒にしててって言われたし。 ただ、部員が揃ったことはみんなにメールで伝えてあるし、 みんな誰だろうってちょっとそわそわしてる。 「愛理、誰だと思う?」 「さぁ、誰ですかね」 「うーん」 先輩は英語の問題を解きながら私に聞いた。 もちろん言えない私ははぐらかす。先輩はうーんって言って黙り込んだ。 先輩の横顔をチラチラ見ている私。 …綺麗だし可愛いし・・・惚れ惚れしてしまう。私を好きになってくれてよかった。 なんて、今更そんなこと考えちゃったりしてさ。 ふと、斜め前にいるみやを見るとだるそうな顔してケータイを触ってる。 …みやってほんと顔に出るよね・・・わかりやすい。 みやからすればもう知ってるしなんでこんなに早く・・・と心の中で舌打ちでもしてるだろう。 ふふふ、と思わず笑みがこぼれる。 「なに、愛理きもい」 「き、きもいってひどいよみや」 「一人で笑ってるからじゃん」 「うぅ・・・ごめん」 282:&color(blue){&b(){&u(){名無し募集中。。。}}}:2010/04/01(木) 01:52:01.90 0 &color(blue){>>281} 第394回 …そういえば、みや勉強は大丈夫なのかな?ももによれば相当やばいみたいだけど。 なんて人の心配をしていたら、ガラっと会議室のドアが開いた。 そこにはもちろんももがいて。・・・なんかちょっとデジャブ。 「みんなごめーん!部長、ただいま参上!なんつって」 昨日と同じセリフ・・・。ちょっと恥ずかしい。 「ちょっとみんなそんな冷めた目で見ないの!はい、じゃあ、新しい部員!」 ももは一言文句を言ってから、ドアの影から村上さんを引っ張り出した。 「・・・・どうも。」 昨日よりも衝撃は大きかったらしい。もれなく全員絶句した。 あ、みやと私と前田ちゃんは別だけど。 「どうも、だけじゃだめじゃん。ほら、自己紹介」 「いいじゃん別に」 「だめ」 「・・・はいはい。2年の村上でーす。よろしく」 「もも、みんな固まってるよ」 みやがすかさず突っ込むけど、固まってる人たちに変化はないみたい。 だけど、さすがに生徒会長さんがやっと言葉を発した。 「・・・マジ?」 「うん、マジ。佐紀ちゃん嬉しいでしょ」 「はぁ?・・・・え、あぁ・・・・・えっと・・・」 会長さんの微妙な顔がちょっと面白い。・・・ももには逆らえないみたいだしね。 村上さんはと言うとさっさと空いてるイスに座って、「ももちゃん話進めて」と他人事。 隣にいる梅田先輩がちょっとビクっとしたのが目に入った。 283:&color(blue){&b(){&u(){名無し募集中。。。}}}:2010/04/01(木) 01:52:46.85 0 &color(blue){>>282} 第395回 「ってなわけで、全員揃いました。拍手ー!」 ももと、みやと、私と、正気になった会長さんとその他数人だけの乾いたパチパチという音が響いた。 ちょっと悲しいけど、村上さんのあの噂を聞いていれば誰だって唖然とするのかもしれない。 それはやっぱり仕方のないことなのかもしれない。・・・さみしいけど。 「で、生徒会の部員確認が9時?佐紀ちゃん9時だっけ?」 「10時」 「え、そうだっけ?あ、じゃあとりあえず前みたいな勉強会をやろうかなって。9、じゃなかった10時まで。 と、いうわけで・・・適当に学年に分かれてー!」 ももがまだポカン気味の子達にパンパンと手を叩いて尻を叩いた。 …朝早く来させられたのはこれが目的か・・・でも、あれ楽しかったし明後日からテストだしちょうどいいや。 私は1年生のグループを作るべく、「1年生ここー!」と大きな声で手をあげた。 ◆ 2年生 村上愛が目の前にいる。愛理とのいざこざがあって、噂で人を見ちゃいけないって そう反省したけど・・・・でも、やっぱりあの噂が頭にちらつく。 背だってうちより全然小さいし腕力が特別ありそうにも見えないし ほんとにあんなのやったのかな?・・・だめだ、どうしても考えちゃう。 なかさきちゃんや茉麻、友ちゃんなんかはキョロキョロ見るばっかりで目は一切合わそうとしてない。 そりゃそうだよね・・・うちも、もし愛理とのことがなけりゃ同じ反応だっただろうし。 そんな、ちょっと緊張感漂う2年生のテーブル。その緊張感を破ったのは 緊張感を漂わせた張本人だった。 284:&color(blue){&b(){&u(){名無し募集中。。。}}}:2010/04/01(木) 01:53:29.88 0 &color(blue){>>283} 第396回 「ここでバカなのみやだけなんじゃないのw」 頬杖をついてニヤニヤしながら村上はそう言った。 「はぁ、違うし。千奈美の方がバカだし」 みやは怒って、となりの千奈美を指差す。 「はぁ!?みやのがバカじゃん!」 千奈美も怒って、ちょっとした言い合い。・・・微笑ましい。 「千奈美じゃん!」 「・・・どっちもどっちなわけね」 村上は呆れたように呟いて、広げた数学の教科書に目を落とした。 この人はすごいと思う。好奇の目で見られているとわかっていてなんでこんなに冷静なんだろう? 慣れっこだから?それともそういう演技?・・・は違うように見えるけど・・・。 「ねぇ、熊井さんって2年で一番頭いいんだっけ?」 「え、あぁ、そんなことないよ。こないだの模試がよかっただけで」 「数学のさ、この定理わけわかんなくって。ほら、ここ独学で勉強したから混乱してきちゃった」 急に話しかけられてびっくりしたから、最初の返事が素っ頓狂な声になってしまった。 思っていたよりもずっとフレンドリーな喋り方だった。前に喋ったときは うちが敵意をむき出しにしていたから気付かなかったんだろうか? 指差された箇所を見る。私も苦労した部分だ。 「これは、AとBが同じってことに気付けば・・・ほら、こっちも同じ。 一見難しそうだけどここがわかっちゃえば平気だよ」 「あぁ!なるほどね。OK、わかった」 285:&color(blue){&b(){&u(){名無し募集中。。。}}}:2010/04/01(木) 01:54:17.03 0 &color(blue){>>284} 第397回 「あ、えっと須藤・・・さんだっけ?ねぇ、これ教えてよ国語得意なんでしょ?」 「中島さん?こっちの文法ってこれで合ってる?」 「吉川さん・・・だよね?こことこれって意味違うの?」 村上は馴染もうとしているのか、単純にわからないところを聞いているのか それはちょっとわからないけどすごく積極的だった。 …噂のことなんてちっとも感じさせない、普通の子。 みんな最初は戸惑ってたみたいだけど、そのうち馴染んできた。 ももちが「もう平気かな?」って耳打ちしてきたから「多分ね」と小さく答えた。 ちょっとずつでいいから、いろいろ話をしてみよう。そう思った。 341:&color(blue){&b(){&u(){名無し募集中。。。}}}:2010/04/08(木) 02:24:26.11 0 第398回 10時少し前に生徒会の4人ともも先輩とみやと愛理ちゃんが 部員の人数確認のために会議室を出て生徒会室へ向かった。 私たちが一人ずつ名前を書いた「部員名簿」はもも先輩の手にしっかり握られていた。 これだけ集めたし、あのカビ臭い部室を取られることはないだろうし、 佐紀ちゃん筆頭に生徒会が4人もいるんだからそこはなんとかしてくれるだろうし、・・・ だけど他の部がもっと人数集めてたらどうしようとかそういこと考え出したらきりなくて 私は開いた数学の問題集を進められずにいた。 他の子たちもそういう感じに見えた。村上愛だけはのほほんとした顔で眠ってたんだけど。 ◆ 「部室存続けってーい!!」 と、勢いよく部長のもも先輩が私たち部員の待つ会議室へ入ってきた。 わー!と盛り上がる会議室に残っていた部員たち。もちろん、私も。 隣のえりかちゃんとハイタッチなんてしちゃったりしてさ。 「部員は全部で19人!これ超すごいから!でもどうせならあと一人欲しいね!」 もも先輩、めっちゃくちゃ嬉しそうだ。ニコニコしてて、弾けてる。 隣の愛理ちゃんやみやも嬉しそうだ。そういえば部員は3人しかいなかったんだよね。 すごいよ、3人とも。こんなにたくさん集めちゃうんだもん。 と、その後ろから生徒会の熊井ちゃんとなっきぃと千奈美がやってきた。あ、佐紀ちゃんも。 342:&color(blue){&b(){&u()名無し募集中。。。}}}:2010/04/08(木) 02:25:24.94 0 第399回 「生徒会長清水として決定事項を説明します。文芸部部室は存続。 ただ人数が多いため、活動の主は2階の空き教室を使用してください。 先生の許可も取ってあります。」 と、生徒会長佐紀ちゃん。 「まぁ、そういうことに決まりました。あ、あと、同好会のうち3つが部へ昇格しました。 元々部室使ってた3つの部が、部室はなくてもいいっていうことだから、 そっくり移動してもらうことに決まりました。」 と、生徒副会長熊井ちゃん。 「それから、部員が大幅に増えたんで今年の活動費を少し上乗せしました。」 と、生徒会会計のなっきぃ。 「なっきぃ最高だよ、マジで」 もも先輩は嬉しかったのか、なっきぃの頭をガシガシ撫でた。 ちょっと迷惑そうななっきぃが面白かった。 ◆ みんなで近くのコンビニへ行ってお昼を買って、会議室、 じゃなくて活動場所になる空き教室でお昼ごはんを食べた。 夏も真っ盛りになろうとしていて、すごく暑い。まあでもその暑さも今日なら許せる気がする。 ももは「部室B」だね、とかなんとか言ってて、あっちを「A」こっちを「B」と呼ぶことになった。 343:&color(blue){&b(){&u(){名無し募集中。。。}}}:2010/04/08(木) 02:26:48.77 0 第400回 お昼のあとはまたみんなで勉強会をした。なかなか好評だし、うちも特進の子たちに 教えてもらえるし勉強が出来てる気がするけど・・・テスト大丈夫かな・・・。 で、でも千奈美には勝たなきゃ!負けられん・・・!! それから何時間か経って、勉強会はお開きになった。 久しぶりにノートやら教科書に集中したせいかな、すごく疲れた。 けど、なんとなく充実感もあって楽しかった・・・・とも思えた。 めぐに「珍しいもん見たw」とか、からかわれちゃったけど。 みんなそれぞれに帰って行って、なんとなく立つタイミングを逃したうちが周りを見ると 残っているのは愛理とももとめぐと熊井ちゃんの、全部で5人だけだった。 そのうち、熊井ちゃんがカバンを持って、愛理のそばへ寄っていった。 「愛理、帰ろうか?」 「あぁ・・・えっと、もうちょっと残ります」 「そう?付き合おうか?」 「いや・・・えっと」 愛理は言葉を濁して下を向いた。言いたいことが、なんとなくわかった。 でも、愛理はやさしいから、やさしい熊井ちゃんには言えない。 「ん?」 「うちらお呼びじゃないんだよ、ね、ももちゃん」 首を傾げた熊井ちゃんの腕を、めぐが掴んだ。

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