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760 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/08/10(月) 14:58:21.77 0 &color(blue){>>736 } 第131回 愛理はとても怒っていた。私の知らない愛理。 でも、転校生矢島さんは「はいはい」って感じで、 そんな愛理を見慣れているような・・・そんな対応をしていた。 私の知らない愛理を知っているんだ、きっと。 どういう関係なんだろう。さっぱりわからない。 ももちの言うように・・・昔の友達とかそういうことなのかな。 2人で話しておいでって自分が言ったくせに・・・なんだか胸騒ぎがして、 落ち着かなくて、気付いたら、一人、立ち上がっていた。 「くまいちょー?どした?」 「あ、あのさ、ちょっと見てくる」 「え?熊井ちゃん?」 みやとももちは驚いていた。でも、理由を説明するのも面倒だったから 返事もせずに部室を飛び出した。 どこだろう、どこにいるんだろう?・・・あ! 以前、うちが泣いていたときに連れて行ってくれたあの空き教室を思い出した。 あそこは人通りもほとんどない、静かな場所だ。 なんとく、行きたくないような、行かなきゃいけないような・・・よくわからない、 自分でも良く分からない感情を抱えたまま、うちは教室の扉を開けた。 目の前に飛び込んできたのは・・・・・。 気が動転して、自分がなに言ったのかもよくわからなくて、 愛理が何を言っていたのかもわからなかった。 ただ、目の前の光景があまりにショッキングだったんだ。 がっちりと、矢島さんに抱きしめられている愛理。 761 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/08/10(月) 15:00:46.02 0 &color(blue){>>760} 第132回 なんで?なんでそんなことしているの?話をしに行ったんじゃないの? 愛理とその人はどういう関係なの?うち、全然知らない・・・よ。 いろんなことが頭の中を巡って、パニックになって、うちはその教室を飛び出していた。 どこへ行けばいいのかわからなくて、部室に戻るのもなんか違う気がして とにかく走っていた。人のほとんどいない校内。 走りながら頭に浮かぶのは抱きしめられて愛理。 うちの知らない愛理を知ってる人に抱きしめられていた愛理。 「・・・・グス」 気付いたら目からは何かが流れ出していた。 ・・・悔しい。めちゃくちゃ悔しい。 何だよあいつ。誰なのさ。 愛理は、うちのだ。うちの、愛理だ。なのに・・・なのに!!! 廊下の隅にうずくまって、泣いた。涙はなかなか止まってはくれない。 胸が苦しいよ愛理。うち・・・悲しいよ、愛理。 「・・・・はぁはぁ・・・いた・・・先輩」 後ろから声がする。大好きな、あの子の声がする。 走っていたのか、息が荒いみたいだ。 うちを追いかけてきた?・・・・でも・・・・。 頭にはまたあの光景が浮かび上がってくる。 うちは、振り向くことができない。 762 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/08/10(月) 15:01:28.23 0 &color(blue){>>761} 第133回 「愛理・・・」 「はい」 「・・・このままうちの顔見ずに帰って」 「先輩!私の話を聞いてください!あれは誤解です!」 愛理が大きな声でそう言った。必死な声。でも、わからないよ愛理。 「ごめん、今は何も聞く気がしないんだ」 「でも私は!」 「・・・お願い」 「グス・・・・わ、私は・・・私は・・・」 鼻水をすする音がする。何で愛理が? 泣きたいのは、ううん、泣いていいのはうちだけなのに。 ・・・誤解だと違うんだと言われても今は冷静に聞ける気がしないんだ、ごめんね愛理。 「・・・また、明日」 愛理は小さな声でそう言った。そのあとすぐ、足音がして私からどんどん離れていった。 またぶわぁっと涙が出てきて、しばらくそこからは動けなかった。 ◆ 愛理が部室へ戻ってきたのは、出て行ってから30分位してからのことだった。 俯いて、浮かない顔をしてる。顔色だってなんだかすごく悪い。 なにかあったのかな? 「愛理?どうかした?熊井ちゃんは?あの、矢島さんは?」 「・・・・・・うん」 「愛理?」 ももとうちで声をかける。でも、愛理は「うん」と繰り返すばかりで イスに座ったまましばらく一人、呆然としていた。 843 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/08/13(木) 02:43:57.02 0 &color(blue){>>762} 第134回 みやに送ってもらって、家に帰ってきた。 みやはなにも聞かなかった。それが、みやらしい優しさで。 今はとてもありがたかった。 「愛理、また明日ね。迎えに来るから」 「・・・・ううん、いいよ。ちゃんと行く」 「ほんと?」 「うん」 「そっか、わかった。じゃあね」 「ありがとう」 みやとは玄関のところで別れた。私は重い足取りのまま、家の中に入った。 あいにく、家族はみんな家にいなくて、私一人ぼっちだ。 「・・・・また泣きそう」 部室で大泣きしたことが頭に浮かんで、恥ずかしかったなぁとちょっと反省した。 でも、あのときはああすることでしか自分を抑えられなくて・・・。 みやとももはビックリしながらも、困ってた。 2人には迷惑ばっかりかけてて、恥ずかしいよね、私って。 部屋にたどり着いて、ベッドに突っ伏すとふわぁっと力が抜けていくのがわかる。 なんでこんなに疲れちゃってんだろうなぁ。今日はいいことがたくさんあったっていうのに。 先輩が部活に入ってくれて、同級生の仲間が一人増えて・・・・みんなのモチベーションも 上がってきたところだったのに。疲れるよりもむしろ、やる気が出ちゃうはずなのに。 最後の最後で、舞美ちゃんがぶち壊した。 一体なんだっていうの。なんでいるのかわからない。 なんであんなことしたのかも、わからない。 バカで素直で正直者でウソがつけない性格のクセに、 「本音」は絶対に言わない。昔から、そうだった。 845 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/08/13(木) 02:48:37.53 0 &color(blue){>>843 } 第135回 舞美ちゃんは、私がまだ小学校のころ近くに引っ越してきた。 2つ年上のお姉さんで、すぐに中学に入った。 小学生から見た中学生ってすごく大人に感じてたのに、 舞美ちゃんは人懐っこくてよく一緒に遊んでくれた。 愛理って呼んでくれてとても、仲がよかった。 私が中学に入ったとき、舞美ちゃんが学校のスターだと初めて知った。 そんなこと自分から言う人じゃないのはわかっていたけど でも、その人気っぷりには驚かされた。 陸上部のエース、2年生で全国大会3位入賞、中学3年になったばかりだったのに もうすでにいくつもの高校から推薦の話が来ていた。 いつも周りには取り巻きがいて、練習を見に来る生徒もたくさんいた。 でも、舞美ちゃんと話していてもそういうすごい人なんだっていう感じがしなかった。 気取らない、優しい、人だったからかな。 私は舞美ちゃんのことが好きだった。でも、そういう意味じゃなくて・・・・。お姉ちゃんとして。 そんな舞美ちゃんは、中学を卒業して東北の方のスポーツ校へ進学した。 それ以来、一度も会っていなかった。 電話も、メールも一度もなかった。 忘れていたわけじゃないけど、でも、忘れかけてた。 そんなときに、ふらっと現れて、入部したい、愛理に会いに来た。 そんなことを言って、 抱きしめて、離してくれなくて、先輩に誤解された。 ・・・・何がしたいのか、ほんとに全然わからなかった。 陸上はどうしたの?もうすぐインターハイなんじゃないの? なんで・・・うちに高校にいるの? 898 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/08/14(金) 02:53:34.95 0 &color(blue){>>845 } 第136回 「・・・・ったくもう」 「ごめん」 「まぁ、いいけどさ」 「・・・ごめんね、ももち」 くまいちょーと2人、家まで歩く。完全に夜になっちゃった。 みやが愛理を連れて帰ってすぐのこと、くまいちょーから カバン持ってきて、とメールが入ってなんとなくなんかあったかな、と 思いながら持っていくと、くまいちょーは暗い廊下でうずくまってた。 でっかいくせに背中をちっちゃくして可愛く見えた。 暗い学校は軽く怖い。よくこんなとこにいるね、君は。 「どしたの」 「・・・まぁ、ちょっと」 ももが声をかけると、くまいちょーは小さな声で呟く。 「愛理とけんかでもした?」 「・・・・・・」 「愛理ぼろぼろに泣いてたよ。もうだめ、とかなんとか言ってたけど」 「・・・・そう、そうなんだ・・・」 「とりあえず立って、ほら、帰ろう。もう暗くなってるし」 「・・・・だね、ごめん」 くまいちょーに手を差し出して立ち上がらせると、目が赤くなってることに気付いた。 くまいちょーも泣いてたんだ。・・・二人して泣くってどういう状況だそれ。 ってあいつ・・・!舞美どこ行ったんだろ!? ・・・まさか、何関係してるんだろうか?・・・いやでも・・・ ももが考え事をしていると、「行こう」とくまいちょーが先に歩き出して ももは慌ててそのあとを追った。もう!自分勝手なんだからー! 899 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/08/14(金) 02:54:15.31 0 &color(blue){>>898} 第137回 「・・・あの人、矢島さんだっけ」 「ん?舞美?」 「そう・・・ももの昔の友達」 「もう5年も6年も会ってなかったけどね」 あれ以来一度も会ってない、たぶん。 「矢島さんって美人だよね」 「そうかな?」 「そうだよ・・・愛理とどいう関係なんだろ?」 「さぁ・・・愛理何も言わないし」 「・・・そっか」 「ももだって別に聞かないよ。言いたくなったら隣で勝手に喋ってくれればいいし」 「・・・・相変わらず、優しいんだね」 「それ褒めてんの?」 「多分ね」 「・・・んもう。」 家までの間話をした。ポツリ、ポツリとくまいちょーは喋るからえらくゆっくりな会話。 やっぱりあいつが関係してたんだろうな、これは。 ・・・愛理と昔付き合ってたとか?いや、でも愛理今まで付き合ったことないって言ってたし・・・ くまいちょーは何を見たんだろう、はたまた、何を聞いたんだろう? 何でこんな落ち込んでるんだろう。 結局、家につくまで何も言ってくれないから答えはわからずじまいで・・・。 900 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/08/14(金) 02:54:59.40 0 &color(blue){>>899} 第138回 「明日、朝早いよ」 「知ってる。ちゃんと行くから。うち、文芸部入ったもん」 「そりゃ頼もしい。」 「ももこそ、寝坊しないでよね。」 「し、しないよぉ!」 慌ててそう言うと、くまいちょーはやっと笑って「どうだか」って言った。 笑顔を見てちょっと安心したかな・・・。 「・・・じゃあ、また明日」 「うん・・・またね。」 くまいちょーと別れて、家の中に入った。 ホントに来るのかな。愛理も来るのかな。 いや、来てくんなきゃ困るんだけどさ・・・・・・・・大丈夫かな、わが部は・・・・。
760 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/08/10(月) 14:58:21.77 0 &color(blue){>>736 } 第131回 愛理はとても怒っていた。私の知らない愛理。 でも、転校生矢島さんは「はいはい」って感じで、 そんな愛理を見慣れているような・・・そんな対応をしていた。 私の知らない愛理を知っているんだ、きっと。 どういう関係なんだろう。さっぱりわからない。 ももちの言うように・・・昔の友達とかそういうことなのかな。 2人で話しておいでって自分が言ったくせに・・・なんだか胸騒ぎがして、 落ち着かなくて、気付いたら、一人、立ち上がっていた。 「くまいちょー?どした?」 「あ、あのさ、ちょっと見てくる」 「え?熊井ちゃん?」 みやとももちは驚いていた。でも、理由を説明するのも面倒だったから 返事もせずに部室を飛び出した。 どこだろう、どこにいるんだろう?・・・あ! 以前、うちが泣いていたときに連れて行ってくれたあの空き教室を思い出した。 あそこは人通りもほとんどない、静かな場所だ。 なんとく、行きたくないような、行かなきゃいけないような・・・よくわからない、 自分でも良く分からない感情を抱えたまま、うちは教室の扉を開けた。 目の前に飛び込んできたのは・・・・・。 気が動転して、自分がなに言ったのかもよくわからなくて、 愛理が何を言っていたのかもわからなかった。 ただ、目の前の光景があまりにショッキングだったんだ。 がっちりと、矢島さんに抱きしめられている愛理。 761 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/08/10(月) 15:00:46.02 0 &color(blue){>>760} 第132回 なんで?なんでそんなことしているの?話をしに行ったんじゃないの? 愛理とその人はどういう関係なの?うち、全然知らない・・・よ。 いろんなことが頭の中を巡って、パニックになって、うちはその教室を飛び出していた。 どこへ行けばいいのかわからなくて、部室に戻るのもなんか違う気がして とにかく走っていた。人のほとんどいない校内。 走りながら頭に浮かぶのは抱きしめられて愛理。 うちの知らない愛理を知ってる人に抱きしめられていた愛理。 「・・・・グス」 気付いたら目からは何かが流れ出していた。 ・・・悔しい。めちゃくちゃ悔しい。 何だよあいつ。誰なのさ。 愛理は、うちのだ。うちの、愛理だ。なのに・・・なのに!!! 廊下の隅にうずくまって、泣いた。涙はなかなか止まってはくれない。 胸が苦しいよ愛理。うち・・・悲しいよ、愛理。 「・・・・はぁはぁ・・・いた・・・先輩」 後ろから声がする。大好きな、あの子の声がする。 走っていたのか、息が荒いみたいだ。 うちを追いかけてきた?・・・・でも・・・・。 頭にはまたあの光景が浮かび上がってくる。 うちは、振り向くことができない。 762 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/08/10(月) 15:01:28.23 0 &color(blue){>>761} 第133回 「愛理・・・」 「はい」 「・・・このままうちの顔見ずに帰って」 「先輩!私の話を聞いてください!あれは誤解です!」 愛理が大きな声でそう言った。必死な声。でも、わからないよ愛理。 「ごめん、今は何も聞く気がしないんだ」 「でも私は!」 「・・・お願い」 「グス・・・・わ、私は・・・私は・・・」 鼻水をすする音がする。何で愛理が? 泣きたいのは、ううん、泣いていいのはうちだけなのに。 ・・・誤解だと違うんだと言われても今は冷静に聞ける気がしないんだ、ごめんね愛理。 「・・・また、明日」 愛理は小さな声でそう言った。そのあとすぐ、足音がして私からどんどん離れていった。 またぶわぁっと涙が出てきて、しばらくそこからは動けなかった。 ◆ 愛理が部室へ戻ってきたのは、出て行ってから30分位してからのことだった。 俯いて、浮かない顔をしてる。顔色だってなんだかすごく悪い。 なにかあったのかな? 「愛理?どうかした?熊井ちゃんは?あの、矢島さんは?」 「・・・・・・うん」 「愛理?」 ももとうちで声をかける。でも、愛理は「うん」と繰り返すばかりで イスに座ったまましばらく一人、呆然としていた。 843 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/08/13(木) 02:43:57.02 0 &color(blue){>>762} 第134回 みやに送ってもらって、家に帰ってきた。 みやはなにも聞かなかった。それが、みやらしい優しさで。 今はとてもありがたかった。 「愛理、また明日ね。迎えに来るから」 「・・・・ううん、いいよ。ちゃんと行く」 「ほんと?」 「うん」 「そっか、わかった。じゃあね」 「ありがとう」 みやとは玄関のところで別れた。私は重い足取りのまま、家の中に入った。 あいにく、家族はみんな家にいなくて、私一人ぼっちだ。 「・・・・また泣きそう」 部室で大泣きしたことが頭に浮かんで、恥ずかしかったなぁとちょっと反省した。 でも、あのときはああすることでしか自分を抑えられなくて・・・。 みやとももはビックリしながらも、困ってた。 2人には迷惑ばっかりかけてて、恥ずかしいよね、私って。 部屋にたどり着いて、ベッドに突っ伏すとふわぁっと力が抜けていくのがわかる。 なんでこんなに疲れちゃってんだろうなぁ。今日はいいことがたくさんあったっていうのに。 先輩が部活に入ってくれて、同級生の仲間が一人増えて・・・・みんなのモチベーションも 上がってきたところだったのに。疲れるよりもむしろ、やる気が出ちゃうはずなのに。 最後の最後で、舞美ちゃんがぶち壊した。 一体なんだっていうの。なんでいるのかわからない。 なんであんなことしたのかも、わからない。 バカで素直で正直者でウソがつけない性格のクセに、 「本音」は絶対に言わない。昔から、そうだった。 845 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/08/13(木) 02:48:37.53 0 &color(blue){>>843 } 第135回 舞美ちゃんは、私がまだ小学校のころ近くに引っ越してきた。 2つ年上のお姉さんで、すぐに中学に入った。 小学生から見た中学生ってすごく大人に感じてたのに、 舞美ちゃんは人懐っこくてよく一緒に遊んでくれた。 愛理って呼んでくれてとても、仲がよかった。 私が中学に入ったとき、舞美ちゃんが学校のスターだと初めて知った。 そんなこと自分から言う人じゃないのはわかっていたけど でも、その人気っぷりには驚かされた。 陸上部のエース、2年生で全国大会3位入賞、中学3年になったばかりだったのに もうすでにいくつもの高校から推薦の話が来ていた。 いつも周りには取り巻きがいて、練習を見に来る生徒もたくさんいた。 でも、舞美ちゃんと話していてもそういうすごい人なんだっていう感じがしなかった。 気取らない、優しい、人だったからかな。 私は舞美ちゃんのことが好きだった。でも、そういう意味じゃなくて・・・・。お姉ちゃんとして。 そんな舞美ちゃんは、中学を卒業して東北の方のスポーツ校へ進学した。 それ以来、一度も会っていなかった。 電話も、メールも一度もなかった。 忘れていたわけじゃないけど、でも、忘れかけてた。 そんなときに、ふらっと現れて、入部したい、愛理に会いに来た。 そんなことを言って、 抱きしめて、離してくれなくて、先輩に誤解された。 ・・・・何がしたいのか、ほんとに全然わからなかった。 陸上はどうしたの?もうすぐインターハイなんじゃないの? なんで・・・うちに高校にいるの? 898 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/08/14(金) 02:53:34.95 0 &color(blue){>>845 } 第136回 「・・・・ったくもう」 「ごめん」 「まぁ、いいけどさ」 「・・・ごめんね、ももち」 くまいちょーと2人、家まで歩く。完全に夜になっちゃった。 みやが愛理を連れて帰ってすぐのこと、くまいちょーから カバン持ってきて、とメールが入ってなんとなくなんかあったかな、と 思いながら持っていくと、くまいちょーは暗い廊下でうずくまってた。 でっかいくせに背中をちっちゃくして可愛く見えた。 暗い学校は軽く怖い。よくこんなとこにいるね、君は。 「どしたの」 「・・・まぁ、ちょっと」 ももが声をかけると、くまいちょーは小さな声で呟く。 「愛理とけんかでもした?」 「・・・・・・」 「愛理ぼろぼろに泣いてたよ。もうだめ、とかなんとか言ってたけど」 「・・・・そう、そうなんだ・・・」 「とりあえず立って、ほら、帰ろう。もう暗くなってるし」 「・・・・だね、ごめん」 くまいちょーに手を差し出して立ち上がらせると、目が赤くなってることに気付いた。 くまいちょーも泣いてたんだ。・・・二人して泣くってどういう状況だそれ。 ってあいつ・・・!舞美どこ行ったんだろ!? ・・・まさか、何関係してるんだろうか?・・・いやでも・・・ ももが考え事をしていると、「行こう」とくまいちょーが先に歩き出して ももは慌ててそのあとを追った。もう!自分勝手なんだからー! 899 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/08/14(金) 02:54:15.31 0 &color(blue){>>898} 第137回 「・・・あの人、矢島さんだっけ」 「ん?舞美?」 「そう・・・ももの昔の友達」 「もう5年も6年も会ってなかったけどね」 あれ以来一度も会ってない、たぶん。 「矢島さんって美人だよね」 「そうかな?」 「そうだよ・・・愛理とどいう関係なんだろ?」 「さぁ・・・愛理何も言わないし」 「・・・そっか」 「ももだって別に聞かないよ。言いたくなったら隣で勝手に喋ってくれればいいし」 「・・・・相変わらず、優しいんだね」 「それ褒めてんの?」 「多分ね」 「・・・んもう。」 家までの間話をした。ポツリ、ポツリとくまいちょーは喋るからえらくゆっくりな会話。 やっぱりあいつが関係してたんだろうな、これは。 ・・・愛理と昔付き合ってたとか?いや、でも愛理今まで付き合ったことないって言ってたし・・・ くまいちょーは何を見たんだろう、はたまた、何を聞いたんだろう? 何でこんな落ち込んでるんだろう。 結局、家につくまで何も言ってくれないから答えはわからずじまいで・・・。 900 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/08/14(金) 02:54:59.40 0 &color(blue){>>899} 第138回 「明日、朝早いよ」 「知ってる。ちゃんと行くから。うち、文芸部入ったもん」 「そりゃ頼もしい。」 「ももこそ、寝坊しないでよね。」 「し、しないよぉ!」 慌ててそう言うと、くまいちょーはやっと笑って「どうだか」って言った。 笑顔を見てちょっと安心したかな・・・。 「・・・じゃあ、また明日」 「うん・・・またね。」 くまいちょーと別れて、家の中に入った。 ホントに来るのかな。愛理も来るのかな。 いや、来てくんなきゃ困るんだけどさ・・・・・・・・大丈夫かな、わが部は・・・・。 938 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/08/15(土) 01:52:34.49 0 &color(blue){>>900} 第139回 朝、家を出ると、やけに笑顔な舞美ちゃんがいた。 玄関先で、ニコニコしながら「おはよ」と声をかけられる。 「・・・おはよう。」 「怒ってる?」 「当たり前じゃん!ばか!」 「まぁ、怒んないでよ」 「・・・・・・・・・」 「あ、ちょ、愛理!」 舞美ちゃんを無視して歩き出すと、舞美ちゃんは慌てて追いかけてきた。 話す気になれない。とっても、憎らしいんだもの。 昨日だって、先輩はずっと携帯の電源を切ってたし、 メールの返事も一切なかった。きっと怒ってる。もう、嫌われた。 全部、舞美ちゃんのせいだ。 「愛理、愛理ってば!」 「なに!」 「・・・ゴメン、ほんと・・・ゴメンね」 「もういい。話しかけないで」 「ちょっと冷たいなぁ」 「誰のせい?」 「誤解されたまま?」 「・・・そうだよ!」 939 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/08/15(土) 01:54:56.71 0 &color(blue){>>938} 第140回 私が大きな声で怒ると舞美ちゃんはまた「ゴメン」と言って小さくなった。 あんまり言い過ぎるとちょっと可哀相な気もしてきて でもやっぱり腹立たしいから無視をすることにする。 それでも、舞美ちゃんは一人で天気のことやら引越しの話やらを喋っていた。 電車の中でみやと合流すると、舞美ちゃんは向かいの席に座って それ以上何も言ってこなかった。 みやが、ずっと睨んでいたせいかもしれないんけど・・・。 みやはいつも変わらずに接してくれる。とっても優しい。 みやに感謝しながら、でも、ちゃんと話さなきゃいけないなぁ・・・と考えていた。 電車を降りたら、学校までの間に話をしよう。 「みや、ちゃんと言うから・・・昨日はありがとう」 「無理はしなくていいんだからね」 「・・・わかってる」 「よし、いい子だ」 みやは私の髪を撫でてニコっと微笑んでくれた。 みやの優しい笑顔に癒されて、目の前に座って寝ちゃってる舞美ちゃんのことなんて もう忘れてしまいたかった。 ・・・先輩は来てくれるのかな・・・・。 話をちゃんと、聞いてくれるだろうか?

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