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175 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/07/02(木) 02:06:31.33 0 &color(blue){>>169} 第11回 「ってことなんだけど、ももどう?」 お昼休み、部室へ行ったら愛理がいて今朝のことを話してくれた。 「どうって・・・・なんか興味ない、そういうの。 くまいちょーらしいよね、なんか話し合いで解決しようみたいな優等生な感じ」 くまいちょーっていっつもそう。人は話せば分かり合えるとか本気で思ってる。 ばかみたいって言ったこともあるけど意味わかんない理屈でねじ伏せられる。 コドモのくせにむかつく。ガキって思ってる分、むかつく。 今回もそうなのねと思ったらまたむかついてくる。 喋らないって言っておいてよかった。 「そんな言い方ないじゃん、熊井先輩はもものためって言ってたんだよ?」 「そういうのはため、って言わないの。わかってないんだから、あのばか」 「でも、ひどいよ。熊井先輩・・・可哀相。みやも同じようなこと言ってたし・・・」 え?みや?なんでみやが出てくるの。 「なんか、あいつはわかってない。ももはそんなの喜ばない、もものことわかってない。とかなんとか」 「・・・・ふーん、で、理由喋った?みやは」 「ううん、なんか怒っちゃって」 さすがみや。もものこと、よくわかってる。 まぁみやもちょっとした当事者だから・・・かな。 「教えてよもも、なんか2人とも隠してる」 「・・・別になんも隠してないよ?」 「ウソ、ももがこの部屋に拘ってる理由もわかんないしちゃんと説明して!」 って愛理が迫るもんだからももは放課後ね、とそれだけ言って黙り込んだ。 お昼休みが終わるまでいろいろ思い出していた。 なんだか、ちょっとだけ泣きそうになった。 204 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/07/03(金) 00:06:23.20 0 &color(blue){>>175} 第12回 「もも・・・来ないし。」 放課後ね、と言いながらもったいつけたくせに授業が終わって1時間、ももは部室に来ない。 ももは絶対部室にいるはずなのに。いなかったことなんて記憶にないくらい、 いつも部室にいるような人なのに。よっぽど話したくないことなのかな。 聞いちゃいけなかったのかな。 それにみやも来ない。私一人ぼっちだ。さみしいなぁ・・・・ 二人が知ってて私が知らないことってなんだろう? 皆目見当もつかない。みやは皆目って何?って聞いてくるからみやには言わないけど。 コミケの思案でもしようかとノートを広げたところでさっきからやっているのは ラクガキだけ。「熊井愛理」とか書いちゃって恥ずかしい! あーでもそれもありだな。先輩のお嫁さん・・・キャッ! 私にする?それともご飯?なんてベタなこともやってみたいし・・・! 「って・・・止めてくれる人いないとつまんないー!」 キキーッとキャスターつきのイスが悲鳴上げるくらいにふんぞり返って んーっと背伸びをしてみる。 「うんー!!・・・・・はぁ、寂しいよぉ誰かー」 なんて呟きは部室の外から聞こえてくる音でかき消された。 『ばっかじゃないの!?そんなの頼んでないから!!』 それは紛れもなくももの声で。激高って言葉がふさわしいくらい怖い声で。 ケンカって見ちゃいけないものだと思うけど、 気になって小さくドアを開けた。 部室から少し離れた階段の踊り場に、ももと熊井先輩がいた。 208 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/07/03(金) 00:36:41.65 0 &color(blue){>>204 } 第13回 放課後、いつもならすぐに部室に向かうけど・・・今日は行きたくなかった。 愛理が話を聞きたくてウズウズして待っているはずだから。 本当は話さないつもりだった。みやともそういう約束をしてた。 だけどそうもいかない事態になった。廃部になるなんて思ってもみなかった。 だから話さなくちゃいけない。話してもも側に引き入れなきゃいけない。 でも・・・気が進まないのは楽しい話じゃないからで。 どうしようか迷っていたら1時間も経っていて教室にはもう誰もいなかった。 「・・・今更こんな話聞かせてもなぁ。」 「愛理に話すの?」 「!ちょっと背後から現れないでよみやー」 急に声がしてびっくりして振り返るとそこにはみやが腕を組んで立っていた。 ったく・・・背後霊じゃないんだから。顔は濃いくせに。 「ごめんごめん。部室に行ってないみたいだったから来てみた」 「まったくもう・・・・ってみやは反対?」 「ううん、話せばいいとおもうよ。愛理賢いし、茶化したりするような子じゃないもん」 「・・・だよね、ももも思ってた。・・・ところでみやはもものこと応援してくんないの?」 「んー・・・まあツグさんにとってあの場所が特別なのはよーくわかってるつもりだけど 人数のこととか突きつけられて対抗できると思わないだけ。 それに昨日も言ったけどあそこカビくさいしうちはニガテだから・・・あんまり行かないしね」 「部室に助けられたくせにー薄情ものー!」 「なんとでも言ってよ。・・・まぁうちはももほどの思い入れがないだけなんだよ。」 「・・・・そっか。」 思い入れ・・・。 ももにとって特別な場所。でもみやにとってはそうでもない場所。 生徒会にとってはどうでもいい場所。他の部にとっては欲しい場所。 なんとかなるだろうなんて思ってた昨日とは違い、廃部が急に現実味を帯びてきて頭が痛くなった。 211 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/07/03(金) 00:53:36.56 0 &color(blue){>>208 } 第14回 「・・・ま、あの熊井とかいうのむかつくから抵抗してもいいけどね 廃部だけは免れるかもしれない、もものためって・・・廃部が問題じゃないんだよね」 みやがももがいる近くの机の上に座った。 先輩の教室で遠慮ないなぁ・・・・この子は全くもう。 「・・・うん。そう。だからお子ちゃまなんだよくまいちょーって。背ばっかり伸びちゃってさ。 幼馴染だからってもものことわかってる気になってる。」 「癇に障ったよ、みやはね。いいことした気分になってるとこが余計に腹立つ ・・・・って早く愛理のとこいきなよ。待ってるよきっと」 「・・・だね。みやは来ない?」 「行かない。二人の方がいいよ」 「じゃあ・・・行ってくる!」 いってらっしゃい、とみやに送り出されて部室へ向かった。 みやと話して気が楽になったみたいで、今なら話せる、そう思った。 ◆ 「ももち!」 部室の手前にある階段の踊り場、呼ばれて振り返るとくまいちょーがいた。 「よかった。ここに来るだろうなと思って待ってたの」 「・・・・・・・・・」 「ね、愛理ちゃんから聞いてくれた?どう?廃部だけは・・・さ。 部屋はしょうがないよ。どうしようもないことだと思う!でも、部が残ればどこでだって・・・ね!?」 やけにテンションの高い生徒会、副会長さん。 みやの言ってたとおり、いいことした気分になってる。そんな顔してる。 いや、いいことだと思う。廃部が免れればまた新たな部屋を探すことも出来る。 でも・・・そういう問題じゃない。それがわかってない。 くまいちょーは何も知らない。なんでももが拘ってるのか、知らない。 だからももが怒るのは筋違いかもしれない。だけど、・・・だけど・・・ 「ばっかじゃないの!?そんなの頼んでないから!!」 気付いたら思いっきり大きな声で怒鳴っていた。感情は抑えられなかった。 233 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/07/03(金) 20:58:35.39 0 &color(blue){>>211 } 第15回 「そ、そんな言い方ないじゃん!うちはももちに悲しんで欲しくないから・・・! それになんとかしろって言ったのはそっちでしょ!?」 「そんなの頼んでないから!なにそれ生徒会が廃部をエサに部室空けろって そう言ってるようなもんじゃない!なんでそれがわからないの!?」 「・・・・わかんないよ!なにも言ってくれないくせにわかれ、なんておかしいよ!」 「とにかく、意見交換会とかやめてね。出る気ないし、廃部も認めないから!」 あぁ、ズバっと言ってすっきりした。くまいちょーは黙ってしまって拳を握り締めていた。 まーちょっと可哀相かなと思うけど、おっせかいなんて勘弁して欲しいから。 「じゃあ、もも用事あるから」 「あ、ちょっ・・・!・・・ゴメン、勝手なことして・・・でもうちはももに喜んで欲しくて・・・」 「もういい。バカじゃん」 「・・・・・・・・」 くまいちょーは弱々しい声で言った。大きな背中を丸めてる。言い過ぎたかな・・・・? ももはくまいちょーの前を通り過ぎて部室へ向かった。 小さく戸の閉まる音がして、あぁ、愛理聞いてたんだなと思った。 「よっ!あいりん」 「・・・・・・・」 部室に入ってさっきまでの空気を消そうと軽い感じで愛理に話しかけた。 けど愛理は黙ったまま何も言ってくれない。黙ったまま、下を向いていた。 「愛理?」 「・・・ひどいよもも。先輩のこと・・・・・そんなのひどい」 「そう?そんなことないよ。わからせないとあのお節介ずっと続くんだから・・・」 「・・・出てくる」 愛理はそれだけ言うと部室を出て行った。ももは何も言わずに見送った。 263 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/07/04(土) 23:59:03.54 0 &color(blue){>>233 } 第16回 信じられない。なんであそこまできつく怒れるわけ?もものこと全然わかんない。 自分からは何も言わないくせに人にそれ以上を求めるなんておかしい。 ももは自分が悪いなんてこれっぽちも思ってない。それがまたむかつく。 お節介?確かにそうかもだけどそれは全部もものためじゃん。 あーもう! とりあえず部室を出て熊井先輩を探した。あの丸まった背中を思い出すと胸が痛い。 私が先輩に憧れてるからとかそういう単純な理由じゃなくて なんだか可哀相で放っておけなかったから。 先輩は階段に座って、組んで思いつめたような顔をしていた。 私の知ってる先輩とは全然違う顔で見たことのない表情だった。 もものせいだよもう!っていうかももなに隠してんのよーっ! 「・・・熊井、先輩?」 私は小さく声をかけた。先輩は顔を上げて 「あぁ、・・・愛理ちゃんか。どうしたの?」 精一杯の作り笑いをして微笑んでくれた。その顔に胸が苦しくなる。 「あの、えっと・・・ももとの会話聞こえちゃって・・・」 「・・・そっか。バカでしょ、うち。バカなんだ。」 話を聞いていたとわかった途端先輩は笑顔を消して悲しそうな顔で言った。 「ももが悪いです!何にも教えてくれないのに・・・・」 「だよね・・・なんでかなぁ。お節介だよねうちのやってることって・・・ もものためだって思ってたけど空回りだーっ・・・最近そんなのばっかで・・・ さすがにちょっと・・・落ち込んじゃった」 先輩は膝に顔を埋めて言った。 私は何も言えなくなって先輩の隣に座った。 しばらくして、隣から嗚咽が聞こえてきた。 267 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/07/05(日) 00:13:52.45 0 &color(blue){>>263 } 第17回 「先輩っ・・・・」 「ご、ごめん・・・グス・・・ごめんねかっこ悪いよね・・・ごめん」 「あ、あの!ここ人も結構通るんであ、えっとこっち来てください!」 先輩が泣き出して妙に焦ってしまって、同時にこれは誰かに見られたらまずいと思って 私は無意識に先輩の腕を掴んで立ち上がっていた。 早足で階段を上って、すぐ近くの空き教室へ入った。 電気が消えていて夕日が差し込んでいる、こういう状況じゃなきゃなかなかロマンティックな場所。 あぁ、こんなところで告白されてみたい・・・ってそれどころじゃない! 「ありがと・・・愛理ちゃんは優しいね」 「あ、・・・えっと・・・す、すいません!」 先輩は目を真っ赤に腫らして涙目で笑顔を作った。 その綺麗な瞳に吸い込まれそうになって一瞬時が止まったような気がした。 ・・・けど私は先輩の腕を掴んだままなことを思い出して慌てて手を離した。 「いいよ気にしないで・・・確かにあんな場所で泣いてちゃだめだよね・・・ズズ・・・ありがとう」 私が先輩を見上げると、先輩はそっと私の頭を撫でた。 大きくて柔らかい手のひら。優しく3度撫でてくれた。 嬉しくて舞い上がってしまいそうになる。学園のアイドルを独り占めしているような気分になった。 「私は何も・・・ただももがひどいって思っただけです・・・」 「・・・グス・・・あーだめだ・・・ごめん、うちもうちょっと泣く・・・」 私がももの名前を出した途端、先輩は下を向いてしまってまた泣き出してしまった。 「ご、ごめんなさい私・・・」 「・・・愛理ちゃんのせいじゃないよ、グズっ・・・でもじばらくぞごにいで」 鼻声で、聞き取りにくい声で先輩は言った。 机に腰掛けて泣く先輩の横で私は先輩が泣きやむのを待っていた。 273 :&color(green){&bold()名無し募集中。。。}}:2009/07/05(日) 01:17:13.26 0 &color(blue){>>267 } 第18回 「・・・もう平気。ゴメン」 あれから何分経ったか。わからないけれど結構な時間先輩は泣いていて 泣き止むとそう言って私が差し出していたハンカチを受け取った。 「本当にゴメン、巻き込んじゃったみたいで・・・」 「いいえ・・・うちの部長のせいですから」 「そっか・・・・・・うちとももちって小さい頃はよく遊んだんだ。仲良くて・・・ 中学の頃もよく可愛がってもらった。うちって兄弟で一番上だから ももちによく甘えてたんだ。・・・だから全部わかってる気でいた、ももちのこと。 全然そんなことないのにそうだって思いこんでた。バカみたいでしょ?ほんと・・・」 「・・・ももって本当のことは全然言わないんです。明るい顔して本音は心に秘めてる」 ももとは入学してからの短い付き合いだけど、でも、もものそういうところには気付いていた。 ニコニコしててぶりっこなフリして心を開かせるけど自分の心は閉ざしたまま・・・。 それから先輩はももとの思い出をいくつか教えてくれた。 楽しそうに色んな話を聞かせてくれた。 私は先輩とごく自然に話せている自分に驚いていた。 見ているだけの、写真の中の憧れの人だったはずなのに。 その人は目の前にいて吐息を感じる距離で話をしている。 信じられなくて夢かなぁと一瞬思ってしまいそうなほどで。 先輩の横顔を見て綺麗だなぁと思った。私のためだけの笑顔。 そう思うと嬉しくて嬉しくて、私は終始笑顔だった。 ◆ 「じゃあ・・・帰ろうか。ごめん遅くなっちゃったね」 しばらくの沈黙のあと、先輩は立ち上がって時計を見た。もう帰らなきゃ・・・ 「送るよ、一緒に帰ろう」 先輩の申し出は一瞬聞き漏らした。いや聞こえていたけど本当かどうか自信がなかったから・・・ 278 :&color(green){&bold{名無し募集中。。。}}:2009/07/05(日) 02:04:45.97 0 &color(blue){>>273 } 第19回 「へ?」 「帰ろう、送る」 「は、はい・・・いいんですか?」 「うん。先輩に任せて」 先輩は胸をこぶしでトントンと叩いた。 私たちは下足室で待ち合わせをして一旦別れた。 え、どうしよう送ってもらうって・・・家まで? あの熊井先輩に?みんなの憧れ熊井先輩に? いいの?・・・いいに決まってる!これを機会に先輩ともっと距離を近づけたい! 憧れ?ううん、違う。こんなこと思うのはきっと・・・ いや、この気持ちはまだ口に出さないでおこう。もう少し暖めてから・・・ 私は部室を乱暴に開けた。ももが驚いた顔をして私を見た。 「あ、あいりん?どうした?」 「・・・帰る。」 「あぁ、そっか荷物か」 「うん」 机に置きっぱなしだったカバンを掴む。 「もも・・・明日絶対聞くから」 「・・・・・・わかってる」 ももの返事を聞いて部室を出た。先輩を待たせちゃいけない。 下足室までちょっと距離があるから走った。 胸がドキドキするのは走っているせいじゃない。 早く先輩に会いたい。 私は一段階スピードを上げた。 293 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/07/05(日) 14:43:02.91 0 &color(blue){>>278 } 第20回 「愛理ちゃん早いね」 てっきりうちが先かと思っていたらもう愛理ちゃんは靴を履き替えてうちを待っていた。 「あ、はい!」 「ちょっと待ってね」 うちは慌てて靴を履き替えた。 愛理ちゃんはニコニコしててなんだか楽しそうで見ていて癒される。 「よし、じゃあ行こっか」 「はい」 2人で歩き出す。愛理ちゃんの歩幅に合わせて少しゆっくり歩く。 「あ、そういえば、家どこ?」 聞いてなかった。送る、とは言ったけど遠いとちょっと困る。 「えっと、○○駅の近くで・・・」 愛理ちゃんはうちを見上げて話す。 さっきからずっと思っていたことだけど目がしっかりうちの目を捉えていて それでいて上目遣いでものすごく可愛く見えた。 いや、実際愛理ちゃんは可愛い。モテるだろうなぁと思った。 「あれ、電車通学?」 「はい・・・言ってませんでしたっけ?」 「うん・・・知らなかった」 どうしよう送るって駅までじゃすぐに着いちゃうしなぁ。 ・・・・・なんだか今日はもう少し一緒にいて話がしたい。 落ち込んで、泣いて、全部愛理ちゃんに見られてしまった。 格好悪いところ曝け出してしまった。 だから、もう少しかっこ悪いうちに付き合って欲しい。もう少しうちのことをその笑顔で癒して欲しい。 「ね、愛理ちゃん、うちに寄ってかない?すぐ近くだし、帰りはうちの車で送らせるからさ」 気付いたら愛理ちゃんを誘っていた。愛理ちゃんは「え?」とビックリした顔をしていた。

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