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「第121話~第130話」(2009/08/10 (月) 01:05:13) の最新版変更点
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605 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/08/07(金) 00:32:05.07 0
&color(blue){>>604 }
第121回
なんてももと言い争ってると、愛理と熊井ちゃん(って呼ぶことにした)がやってきた。
なんと熊井ちゃんも入部してくれるらしい。
生徒会と掛け持ちだからあんまり顔は出せないみたいだけど。
初日で2人も入ってくれる子が決まるなんて出来過ぎだ。ほんとに・・・。
あと、12人。頑張るぞー。
と気合を入れてちょっと狭くなった部室の中、みんなでお弁当を食べた。
ももは連れて来た責任なのか、前田ちゃん(って呼ぶことにした)にはよく声をかけていた。
「あ、そうだ。後二人くらいは入ってくれそうな子がいるんだ」
熊井ちゃんが思い出したかのように言った。
「あ、私も。クラスの子が一人、興味あるって」
愛理も思い出したかのように言う。
「すごいねぇ、勧誘ってやってみるもんだぁ」
ももがびっくりしながらそう言った。うちも、同感だ。
「前田ちゃんは連れてこれそうな子いる?」
「へっ!?あ、えっと・・・憂佳は、あと3人くらいなら」
「おぉ!いいねぇー!よし、じゃあさっさと食べちゃってお昼休みもチラシ配ろー!」
部長、ももの掛け声は活気がある。うちらはお弁当をかっ込んで勧誘へ動き出した。
◇
案外、早く集まるかもしれない。
そのときはそう思っていたんだけど・・・現実はそう甘くはなかった。
688 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/08/09(日) 02:19:08.82 0
&color(blue){>>605 }
第122回
「んっー・・・・・・ふわぁ~・・・よく寝たー」
って今何時だ?・・・もうお昼休みは10分もない。
早く戻ろうっと。教室はちょっとだけ、遠い。
お昼休み、屋上へ上がってきて眠ってしまった。
転校初日からなにやってんだろー。でもいい場所だったなぁ。
廊下を早足で歩きながら、そんなことを考えていた。
そんなとき、ずっと会いたいと思っていた人が、前から歩いてきた。
背の高い、・・・いや、ものすごく背の高い髪の長い綺麗な子の隣で
屈託のない笑顔を見せている女の子。
・・・愛理。
「でね、ももちってばコケちゃってw」
「えぇ?もう、ももってばドジっ子ですよねw」
「そうそう、しかもさ・・・」
咄嗟に隠れてしまった。会いたかったんだから声をかければよかったのに。
・・・なんでいるの、って言われるのが怖かったのかな、あたしは。
後姿の愛理、背がすごく伸びてる。前はもっと小さかった。
雰囲気も大人っぽくなった。・・・あたしの知ってる愛理とは少し違った。
愛理が持っていたチラシかなにか。「文芸部」と書いてある。
そういえば、今朝何人かが配っていたっけ。
・・・文芸部。そこに行けば愛理がいるのかな?
・・・なんて考えてたんだけど、いよいよ時間がヤバイことに気付いて
教室まで走った。途中、誰かに走るな!って怒られたけど無視した。
ちょっとだけ、なんだか、ワクワクしていた。
689 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/08/09(日) 02:20:00.89 0
&color(blue){>>688 }
第123回
放課後、部活生以外学校に残っていないような時刻。
今日の分のチラシを配り終えて、今日の結果報告が行われた。
今日入部してくれたのは、結局2人。くまいちょーと前田ちゃん。
くまいちょーのお友達も前田ちゃんの友達も考え中らしい。
まあいきなり文芸部って言われても、普通は躊躇するよね・・・。
「明日も同じような感じで配ろうよ。とにかく文芸部って何?っていう
影の薄さだからさ、まずは知名度?上げてかないとね。」
「そだね。1ヶ月を有効的に使っていこう」
「あ、それとね、部活体験なんだけど、みやのとこの教室を使う許可もらってきたよ」
みやが担任からもらってきた、という許可証を見せてくれる。
よし、場所は確保だね。あとは細かくなにするか考えていかなきゃ。
そう思った矢先、コンコン、と部室をノックする音がして、
みんな一瞬、「入部希望者?」という期待をこめた顔をしてドアを見た。
「は、はーい!」
ももは1テンポ遅れて返事をした。ガチャ、とドアを開けると・・・
「あれ?昨日の・・・」
「ん?あぁ、道を教えてくれた人だ!昨日はほんとありがと!あ、ここ文芸部であってる?」
ももがびっくりしてちょっと固まっていると、その人は一方的に喋った。
「あ、あってるけど・・・何か用?」
「部員、募集してるんだよね?ほら、これ」
その人はチラシをを差し出した。
「そ、そうだけど・・・」
「入る、入れてくださーい!」
「え?ほんと?入ってくれるの?」
「うんうん!」
ニコニコして楽しそうに笑う、転校生こと入部希望者さん。
691 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/08/09(日) 02:24:43.63 0
&color(blue){>>689 }
第124回
「・・・・ウソ・・・なんで」
そう聞こえたのは転校生を部室に招き入れたときのことだった。
「愛理?どした?」と声を発した愛理に声をかける。
「え、な、なんで?なんでいるの?え?」
混乱した様子の愛理は転校生のそばまで寄って行った。
転校生は相変わらず、笑顔だった。
「・・・なんでいるの!?舞美ちゃん!」
「なんでって・・・転校生だもん」
「はぁ!?なにそれ!?」
「ちょ、愛理落ち着いてよ。」
「落ち着けるわけないでしょ!?舞美ちゃんは東北の高校に行ったじゃん!」
「そりゃまぁ、行ったけど、転校してきたの」
「だから!なんで!」
「と、とりあえず落ち着いてよ愛理、ね?」
「落ち着けないの!ばか!」
愛理がすごく、怒っている。愛理が怒ってるところなんてみたことない。
・・・愛理の知り合いなのかな?すごく親しそう。
みやとかくまいちょー、前田ちゃんはポカーンって感じで見てる。
ん?・・・舞美ちゃん・・・舞美・・・・あれ、この顔どこかで見たような・・・
あっ・・・・・・・!!!!
「舞美っ!??」
ももは思わず、大声をあげた。
709 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/08/09(日) 12:33:24.62 0
&color(blue){>>691 }
第125回
「えっ?なに、もも知り合い!?」
愛理がももに言う。まだ怒ってるから、ももが怒られたみたい・・・。うぅ、愛理怖いよー。
「あ、うん・・・たぶん。矢島、舞美でしょ?」
「ほえ?そうだけど・・・あなたはだーれ?」
・・・覚えてないんだ、舞美は。首を傾げてる。
「もも、嗣永桃子。ほら、小学校のときの」
「・・・もも・・・あぁ!!!知ってる!あぁ、ももなんだぁ・・・へぇ、懐かしい。」
舞美はニコニコしたままももの頭を撫でた。
この、すぐに頭撫でたりする癖変わってないなぁ。
「で、・・・舞美ちゃんなんで転校してきたの?」
愛理の鋭い声が入って、ももの回想が遮断される。
「まぁまぁいいじゃん」
「よくないっ!!」
「愛理、落ち着きなってば。よくわかんないけど、一方的に責めたら
言えることも言えなくなっちゃうよ。ほら、落ち着きなさい。」
怒り続ける愛理に見かねたみやが口を挟んだ。
「そ、そうだよ愛理。落ち着いて。」
くまいちょーも同調して愛理をなだめにかかる。
「・・・・うん。」
二人にそう言われて渋々頷いた愛理は元いた席に座った。
転校生、こと舞美は頭を掻きながら「ごめん」と小さく言った。
「と、とりあえず解散しよっか。前田ちゃんゴメンネ、騒がしくて・・・」
「いえ・・・平気です・・あ、じゃあ憂佳帰りますね・・・また明日」
終始おどおどしてた前田ちゃんは深々と頭を下げて帰って行った。
・・・悪いことしちゃったなぁ。せっかくの新入部員なのに。
明日来てくれなかったらどうしよう・・・・あぁ、もう頭痛い。
710 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/08/09(日) 12:35:03.72 0
&color(blue){>>709 }
第126回
「・・・もう、明日前田ちゃん来なかったら愛理のせいだよ」
みやが低い声でそう言った。
「ごめん・・・でも」
愛理は口を尖らせて、立ったままの舞美を見た。
「あ、あたしの・・・せいかな・・・あ、あはは」
舞美は乾いた声で笑った。・・・が、しかしあまりに場違いな感じ。
「愛理、うちよくわかんないけどさ、2人で話しておいで?待ってるから」
「・・・・はい。」
くまいちょーが優しく言うと愛理は「行くよ、早く!」と舞美の腕を掴んで
部室を出て行った。・・・この2人、どういう関係なんだろう?
◆
「愛理ってあんな風に怒るんだね、びっくりした」
2人がいなくなって、ももは息をつきながらそう呟いた。
「てか、もものどういう知り合い?」
みやが机に頬杖をつきながら言う。
「小学校のときの友達なんだ。舞美、中学に上がるときに引っ越したの。」
「ふーん・・・」
聞いといてそれだけかよっ!って言いたかったけど黙っておいた。
「・・・なんかすごく親しそうだったよね」
くまいちょーがポツリとそう言った。ちょっと、寂しそうな、そんな感じだった。
「そ、そう?友達とか、幼馴染とかなんじゃないの?」
「そうかなぁ・・・」
もものフォロー?も虚しく、くまいちょーはそれ以上何も言わなかった。
だからももとみやもそれ以上何も言わなかった。
732 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/08/10(月) 00:57:01.65 0
&color(blue){>>710 }
第127回
舞美ちゃんの腕を引っ張って空いている教室へ連れて来た。
あぁ、もう!!
「・・・で、なんでここにいるのか聞かせて」
「あ、いや・・・うん」
私はとても怒っている。当然だ。なんで急に目の前に現れて
転校生だよってそんなの納得できない!
「愛理に会いにきた」
「はぁ?なにそれ」
「そのままの意味」
「だから、舞美ちゃんの高校は東北の学校でしょ!」
「だから、転校してきたって言ったじゃん!」
「だから、なんで!?」
「だから、愛理に会いにきたの!」
「・・・・・・・もういい」
何言ってんだか全然わかんない。答えになってない。
会いにきた?なにそれ。わざわざ転校してくる理由じゃないじゃん。
意味わからない。
舞美ちゃんは困惑って顔をしてるけどそれもまたむかつく。
「・・・理由なんて別にいいじゃん。あたしは愛理に会いたかったの。
愛理は会いたくなかったの?」
そう言われて、私は言葉に詰まった。
733 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/08/10(月) 00:58:26.82 0
&color(blue){>>732 }
第128回
「それは・・・・」
「あたしはずっと会いたかった。2年以上会えなかったんだもん、辛かった」
「・・・自分からいなくなったくせに」
「ごめん、ばかだったなぁっていまさら思ってる」
「・・・遅いよばか」
「ごめん愛理、ごめん」
そう言った舞美ちゃんが私に少しずつ近づいてくる。
身構える私を・・・舞美ちゃんは上から包み込むように抱きしめた。
私がやめて、と言う前であまりにも素早い行動だった。
だから私は、抱きしめられたままその腕の中から動けなくなった。
「ダメだよ、離して」
「いやだ」
「・・・舞美ちゃん、シャンプー変えてないんだね。匂い一緒」
「まあね。愛理は変えたみたいだね」
「・・・うん。」
舞美ちゃんの頭がすぐそこにあって、匂わなくても香ってくるいい匂い。
舞美ちゃんは私の頭に鼻をくっつけてクンクンと嗅いでいた。
懐かしい香り、感触に私は油断していた。すっかり、油断していたのだ。
605 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/08/07(金) 00:32:05.07 0
&color(blue){>>604 }
第121回
なんてももと言い争ってると、愛理と熊井ちゃん(って呼ぶことにした)がやってきた。
なんと熊井ちゃんも入部してくれるらしい。
生徒会と掛け持ちだからあんまり顔は出せないみたいだけど。
初日で2人も入ってくれる子が決まるなんて出来過ぎだ。ほんとに・・・。
あと、12人。頑張るぞー。
と気合を入れてちょっと狭くなった部室の中、みんなでお弁当を食べた。
ももは連れて来た責任なのか、前田ちゃん(って呼ぶことにした)にはよく声をかけていた。
「あ、そうだ。後二人くらいは入ってくれそうな子がいるんだ」
熊井ちゃんが思い出したかのように言った。
「あ、私も。クラスの子が一人、興味あるって」
愛理も思い出したかのように言う。
「すごいねぇ、勧誘ってやってみるもんだぁ」
ももがびっくりしながらそう言った。うちも、同感だ。
「前田ちゃんは連れてこれそうな子いる?」
「へっ!?あ、えっと・・・憂佳は、あと3人くらいなら」
「おぉ!いいねぇー!よし、じゃあさっさと食べちゃってお昼休みもチラシ配ろー!」
部長、ももの掛け声は活気がある。うちらはお弁当をかっ込んで勧誘へ動き出した。
◇
案外、早く集まるかもしれない。
そのときはそう思っていたんだけど・・・現実はそう甘くはなかった。
688 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/08/09(日) 02:19:08.82 0
&color(blue){>>605 }
第122回
「んっー・・・・・・ふわぁ~・・・よく寝たー」
って今何時だ?・・・もうお昼休みは10分もない。
早く戻ろうっと。教室はちょっとだけ、遠い。
お昼休み、屋上へ上がってきて眠ってしまった。
転校初日からなにやってんだろー。でもいい場所だったなぁ。
廊下を早足で歩きながら、そんなことを考えていた。
そんなとき、ずっと会いたいと思っていた人が、前から歩いてきた。
背の高い、・・・いや、ものすごく背の高い髪の長い綺麗な子の隣で
屈託のない笑顔を見せている女の子。
・・・愛理。
「でね、ももちってばコケちゃってw」
「えぇ?もう、ももってばドジっ子ですよねw」
「そうそう、しかもさ・・・」
咄嗟に隠れてしまった。会いたかったんだから声をかければよかったのに。
・・・なんでいるの、って言われるのが怖かったのかな、あたしは。
後姿の愛理、背がすごく伸びてる。前はもっと小さかった。
雰囲気も大人っぽくなった。・・・あたしの知ってる愛理とは少し違った。
愛理が持っていたチラシかなにか。「文芸部」と書いてある。
そういえば、今朝何人かが配っていたっけ。
・・・文芸部。そこに行けば愛理がいるのかな?
・・・なんて考えてたんだけど、いよいよ時間がヤバイことに気付いて
教室まで走った。途中、誰かに走るな!って怒られたけど無視した。
ちょっとだけ、なんだか、ワクワクしていた。
689 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/08/09(日) 02:20:00.89 0
&color(blue){>>688 }
第123回
放課後、部活生以外学校に残っていないような時刻。
今日の分のチラシを配り終えて、今日の結果報告が行われた。
今日入部してくれたのは、結局2人。くまいちょーと前田ちゃん。
くまいちょーのお友達も前田ちゃんの友達も考え中らしい。
まあいきなり文芸部って言われても、普通は躊躇するよね・・・。
「明日も同じような感じで配ろうよ。とにかく文芸部って何?っていう
影の薄さだからさ、まずは知名度?上げてかないとね。」
「そだね。1ヶ月を有効的に使っていこう」
「あ、それとね、部活体験なんだけど、みやのとこの教室を使う許可もらってきたよ」
みやが担任からもらってきた、という許可証を見せてくれる。
よし、場所は確保だね。あとは細かくなにするか考えていかなきゃ。
そう思った矢先、コンコン、と部室をノックする音がして、
みんな一瞬、「入部希望者?」という期待をこめた顔をしてドアを見た。
「は、はーい!」
ももは1テンポ遅れて返事をした。ガチャ、とドアを開けると・・・
「あれ?昨日の・・・」
「ん?あぁ、道を教えてくれた人だ!昨日はほんとありがと!あ、ここ文芸部であってる?」
ももがびっくりしてちょっと固まっていると、その人は一方的に喋った。
「あ、あってるけど・・・何か用?」
「部員、募集してるんだよね?ほら、これ」
その人はチラシをを差し出した。
「そ、そうだけど・・・」
「入る、入れてくださーい!」
「え?ほんと?入ってくれるの?」
「うんうん!」
ニコニコして楽しそうに笑う、転校生こと入部希望者さん。
691 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/08/09(日) 02:24:43.63 0
&color(blue){>>689 }
第124回
「・・・・ウソ・・・なんで」
そう聞こえたのは転校生を部室に招き入れたときのことだった。
「愛理?どした?」と声を発した愛理に声をかける。
「え、な、なんで?なんでいるの?え?」
混乱した様子の愛理は転校生のそばまで寄って行った。
転校生は相変わらず、笑顔だった。
「・・・なんでいるの!?舞美ちゃん!」
「なんでって・・・転校生だもん」
「はぁ!?なにそれ!?」
「ちょ、愛理落ち着いてよ。」
「落ち着けるわけないでしょ!?舞美ちゃんは東北の高校に行ったじゃん!」
「そりゃまぁ、行ったけど、転校してきたの」
「だから!なんで!」
「と、とりあえず落ち着いてよ愛理、ね?」
「落ち着けないの!ばか!」
愛理がすごく、怒っている。愛理が怒ってるところなんてみたことない。
・・・愛理の知り合いなのかな?すごく親しそう。
みやとかくまいちょー、前田ちゃんはポカーンって感じで見てる。
ん?・・・舞美ちゃん・・・舞美・・・・あれ、この顔どこかで見たような・・・
あっ・・・・・・・!!!!
「舞美っ!??」
ももは思わず、大声をあげた。
709 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/08/09(日) 12:33:24.62 0
&color(blue){>>691 }
第125回
「えっ?なに、もも知り合い!?」
愛理がももに言う。まだ怒ってるから、ももが怒られたみたい・・・。うぅ、愛理怖いよー。
「あ、うん・・・たぶん。矢島、舞美でしょ?」
「ほえ?そうだけど・・・あなたはだーれ?」
・・・覚えてないんだ、舞美は。首を傾げてる。
「もも、嗣永桃子。ほら、小学校のときの」
「・・・もも・・・あぁ!!!知ってる!あぁ、ももなんだぁ・・・へぇ、懐かしい。」
舞美はニコニコしたままももの頭を撫でた。
この、すぐに頭撫でたりする癖変わってないなぁ。
「で、・・・舞美ちゃんなんで転校してきたの?」
愛理の鋭い声が入って、ももの回想が遮断される。
「まぁまぁいいじゃん」
「よくないっ!!」
「愛理、落ち着きなってば。よくわかんないけど、一方的に責めたら
言えることも言えなくなっちゃうよ。ほら、落ち着きなさい。」
怒り続ける愛理に見かねたみやが口を挟んだ。
「そ、そうだよ愛理。落ち着いて。」
くまいちょーも同調して愛理をなだめにかかる。
「・・・・うん。」
二人にそう言われて渋々頷いた愛理は元いた席に座った。
転校生、こと舞美は頭を掻きながら「ごめん」と小さく言った。
「と、とりあえず解散しよっか。前田ちゃんゴメンネ、騒がしくて・・・」
「いえ・・・平気です・・あ、じゃあ憂佳帰りますね・・・また明日」
終始おどおどしてた前田ちゃんは深々と頭を下げて帰って行った。
・・・悪いことしちゃったなぁ。せっかくの新入部員なのに。
明日来てくれなかったらどうしよう・・・・あぁ、もう頭痛い。
710 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/08/09(日) 12:35:03.72 0
&color(blue){>>709 }
第126回
「・・・もう、明日前田ちゃん来なかったら愛理のせいだよ」
みやが低い声でそう言った。
「ごめん・・・でも」
愛理は口を尖らせて、立ったままの舞美を見た。
「あ、あたしの・・・せいかな・・・あ、あはは」
舞美は乾いた声で笑った。・・・が、しかしあまりに場違いな感じ。
「愛理、うちよくわかんないけどさ、2人で話しておいで?待ってるから」
「・・・・はい。」
くまいちょーが優しく言うと愛理は「行くよ、早く!」と舞美の腕を掴んで
部室を出て行った。・・・この2人、どういう関係なんだろう?
◆
「愛理ってあんな風に怒るんだね、びっくりした」
2人がいなくなって、ももは息をつきながらそう呟いた。
「てか、もものどういう知り合い?」
みやが机に頬杖をつきながら言う。
「小学校のときの友達なんだ。舞美、中学に上がるときに引っ越したの。」
「ふーん・・・」
聞いといてそれだけかよっ!って言いたかったけど黙っておいた。
「・・・なんかすごく親しそうだったよね」
くまいちょーがポツリとそう言った。ちょっと、寂しそうな、そんな感じだった。
「そ、そう?友達とか、幼馴染とかなんじゃないの?」
「そうかなぁ・・・」
もものフォロー?も虚しく、くまいちょーはそれ以上何も言わなかった。
だからももとみやもそれ以上何も言わなかった。
732 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/08/10(月) 00:57:01.65 0
&color(blue){>>710 }
第127回
舞美ちゃんの腕を引っ張って空いている教室へ連れて来た。
あぁ、もう!!
「・・・で、なんでここにいるのか聞かせて」
「あ、いや・・・うん」
私はとても怒っている。当然だ。なんで急に目の前に現れて
転校生だよってそんなの納得できない!
「愛理に会いにきた」
「はぁ?なにそれ」
「そのままの意味」
「だから、舞美ちゃんの高校は東北の学校でしょ!」
「だから、転校してきたって言ったじゃん!」
「だから、なんで!?」
「だから、愛理に会いにきたの!」
「・・・・・・・もういい」
何言ってんだか全然わかんない。答えになってない。
会いにきた?なにそれ。わざわざ転校してくる理由じゃないじゃん。
意味わからない。
舞美ちゃんは困惑って顔をしてるけどそれもまたむかつく。
「・・・理由なんて別にいいじゃん。あたしは愛理に会いたかったの。
愛理は会いたくなかったの?」
そう言われて、私は言葉に詰まった。
733 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/08/10(月) 00:58:26.82 0
&color(blue){>>732 }
第128回
「それは・・・・」
「あたしはずっと会いたかった。2年以上会えなかったんだもん、辛かった」
「・・・自分からいなくなったくせに」
「ごめん、ばかだったなぁっていまさら思ってる」
「・・・遅いよばか」
「ごめん愛理、ごめん」
そう言った舞美ちゃんが私に少しずつ近づいてくる。
身構える私を・・・舞美ちゃんは上から包み込むように抱きしめた。
私がやめて、と言う前であまりにも素早い行動だった。
だから私は、抱きしめられたままその腕の中から動けなくなった。
「ダメだよ、離して」
「いやだ」
「・・・舞美ちゃん、シャンプー変えてないんだね。匂い一緒」
「まあね。愛理は変えたみたいだね」
「・・・うん。」
舞美ちゃんの頭がすぐそこにあって、匂わなくても香ってくるいい匂い。
舞美ちゃんは私の頭に鼻をくっつけてクンクンと嗅いでいた。
懐かしい香り、感触に私は油断していた。すっかり、油断していたのだ。
734 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/08/10(月) 00:59:27.02 0
&color(blue){>>733 }
第130回
「愛理?」
後ろから声をかけられて咄嗟に振り向くと、そこには・・・・友理奈先輩がいた。
私はそのまま固まってしまって動けなくなった。
舞美ちゃんはじっと先輩の方を見つめてる。
「・・・愛理なにやって・・・」
「あ、え、あ、ち、違うんです!あの、違うんです!」
「え・・・・」
「せ、先輩誤解です!ちょ、舞美ちゃん離して!」
「やだよ」
「え?ちょっともうほんとに離して!」
呆然とした様子で固まっている先輩。
舞美ちゃんの腕の中でもがく私。
それでも舞美ちゃんは腕を解いてくれなかった。それどころか、
さらにぎゅっと抱きしめられる。舞美ちゃんの力は強くて
非力な私じゃちょっとやそっとじゃ抜け出せない。
なんでこんなことするの?会いたかったってそういうことなの?
自分からいなくなって自分から全部捨てたくせに?
都合がよすぎるよ舞美ちゃん、ひどいよ。
離して!!!
736 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/08/10(月) 01:00:08.96 0
&color(blue){>>734 }
第130回(前回は129回でした)
「・・・先に帰るね」
「先輩待ってください!先輩!!」
私が大声を張り上げても、先輩は待ってくれなかった。
悲しそうな顔をしてその場からいなくなった。
私の胸は張り裂けそうで辛い。どうしよう、絶対誤解された。
先輩を傷つけた・・・どうしよう?
先輩は隠し事が嫌いなのに。私、最低だ。
最低だ・・・・。
「舞美ちゃん、ほんとに離して!!」
「・・・はいはい。」
「ばか!もうだから嫌いなの!ばか!!」
舞美ちゃんから離れて吐き捨てた。
「愛理・・・」
「なに?」
「・・・あの人と付き合ってんの?」
「そうだよ。だったらなに?」
「・・・いや、なんでもない」
舞美ちゃんはそれ以上何も言わなかった。
私は空き教室を出て先輩の跡を追った。
とにかく走って走って先輩を探した。
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