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「第81話~第90話」(2009/08/02 (日) 01:58:17) の最新版変更点
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56 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/07/26(日) 02:33:41.01 0
&color(blue){>>55 }
第81回
「愛理はどうなの、味方になりそうなの?」
「愛理の話はいいじゃん、せっかく2人でいるのに」
ももは愛理の話をしたがらない。
「いいじゃん別に。どうなのよ」
「・・・どうかな。ぼけーっとしてたよ愛理」
ももは面倒くさそうに口を開いてそう言った。
「え?」
「衝撃的・・・でもないよね?」
「どうかな。みやは若干引いたけど」
「なにそれーみやひどい」
「だって普通じさ、」
「みや!」
「ご、ごめん・・・・」
ももが大きな声を出してみやを叱った。
確かにここで言うべきじゃなかったかもしれない。
うちは反省してすぐ謝った。
でも、すぐにいつものツグさんに戻ったももはにこにこ会話を楽しんでいた。
難しい子だなぁ・・・って先輩なんだけどさ。
愛理は上手くいったかな・・・告白の結果は・・・。
って心配することない。きっとOKだ。あいつは愛理を好きになってた。
目が、それを物語ってた。
愛理は喜んでいるだろう。目尻を下げて幸せそうにしているだろう。
うちは祝福してあげなきゃいけない。おめでとうって言わなきゃ。
だけど、今すぐには言えないのかもしれない。
生クリームほど、うちの心は甘くないんだ。・・・なんて、かっこつけすぎかな。
95 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/07/27(月) 02:11:44.08 0
&color(blue){>>56 }
第82回
朝、愛理から先に行ってとメールが来た。
話はお昼休みにねってハートマーク入りで書いてある。
それを見た瞬間、
あー・・・・
って嬉しいのか悔しいのかよくわかんない気持ちがこみ上げてくる。
おめでとうって言えるかな・・・顔を見たら揺らぐかな。
愛理、でも、よかった。ほんと、よかったね。
「・・・・よかったね」
メールの差出人の「あいり」という文字に向かって声をかけた。
当然、返事はなくて虚しい気持ちになった。
途端にぶわぁっと涙が出てきて、家を出る前だってのに
目を真っ赤に腫らすことになってしまった。
昨日泣いてすっきりしたはずなのに。ツグさんに散々慰められて
キスも告白もされちゃったっていうのになぁ。
・・・愛理のこと、思ってた以上に好きだったのかな。
「・・・なーにやってんだ、うち。かっこ悪い・・・ズズッ」
目をゴシゴシと擦って涙をごまかす。
こんなときももでもいてくれたらいいんだけど・・・・。
そう思っているとチャイムが鳴った。まさか・・・・ね?
玄関にいたのはももで、朝から眩し過ぎる、
悪く言えばウザイほどの笑顔をキラキラ向けてくる。
96 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/07/27(月) 02:12:24.41 0
&color(blue){>>95 }
第83回
「来ちゃった」
「来ちゃった、じゃないんですけど」
「いいじゃん、怒らないで・・・あれ、目赤いよ」
「ももの家、学校の近くじゃん。あの、ここ5駅ほど離れてますけど」
ももに指摘されてうちはごまかすように話をした。
「まあまあ」
「なに、わざわざ電車乗ってきたとか言うの?」
「・・・だめ?」
「バカだよね、ほんと。」
「いいじゃんようー。みやと電車で行きたかったんだもん。2人きりで」
「愛理いるし」
「来ないよ、もも知ってるもん。くまいちょが愛理と行くからってメール送ってきたし」
「・・・・あっそ。・・・ちょっと待った、一緒ってなに?」
「え、愛理が泊まったってことでしょ?」
「・・・・・・・・・・・・・・え」
そこまで考えてなかった。ただ少し遅れるって意味かと・・・
そっか・・・そうなんだ・・・
昨日言ってたことが本当になるなんて・・・うちってバカだなぁ。
現実をつきつけられて、平気だと、諦めたと言っていた、考えていたものが
どんどん壊れていく。ももには愛理のことはもういいからなんて言ったのに。
格好悪すぎ。情けない。最低だ。
「みや?」
「・・・・・・・・・・・グスっ」
「ちょ、え?」
ももがびっくりしてる。そりゃそうだよね、ごめん。
でも、涙ちょっと止まりそうにないや。
97 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/07/27(月) 02:13:26.57 0
&color(blue){>>96 }
第84回
「・・・強がりさんだなぁ、みやは」
「う、うっさい」
「ほら、カバン持っておいで。家出ようよ、向こうに河原あるでしょ?そこ行こう」
「・・・・・うん」
ももに言われるまま、カバンを持って家を出て近所の河原へ向かった。
そこにあるベンチに2人して腰掛けて、ただじっと座ってると涙は自然と止まった。
「昨日と一緒だね、これじゃ・・・ごめん」
「いいよ。辛いときは泣くしかないじゃん」
「ありがと・・・もも」
「どういたしまして。・・・どうする?今なら1時間目間に合いそうだけど」
「・・・サボる」
「感心しないなぁ。」
「じゃあ、行けば」
「もう、ひどいなぁ。もも、こうしてるから」
ももはうちにもたれかかってくる。自然な重みが肩周辺にかかる。
「・・・2時間目は出ようね?」
「まあ、気が向いたらね」
「もう・・・」
「ねえ、もも」
「んー?」
「・・・多分、愛理見たらまた泣いちゃうと思うんだよね」
「うん」
「熊井と一緒のとこ見ても泣くと思うんだよね」
「うん」
「・・・そのときはさ」
「一緒にいてあげるよ」
「・・・ありがと。ごめん、なんか・・・」
「いいよ、ももは・・・・・好きなんだから」
98 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/07/27(月) 02:14:31.98 0
&color(blue){>>97 }
第85回
小さな声で好き、と言われてドキドキした。
自分が想うばっかりだったのに、想ってくれる人がいるなんて。
なんて嬉しいことなんだろう。はっきり、そう思った。
「・・・泣いちゃって、泣いちゃって、早く忘れるのがいいよ」
「うん。」
うちは小さく頷いて、空を見上げた。
真っ青な空が美しかった。
うちとももは、結局2時間目から出席をした。マジメなんだから、ももは。
そして、お昼休み、うちは部室へと向かうのだった。
◆
「ももち!」
ちょうど1時間目と2時間目の間に学校へ到着した。
みやと分かれて、教室へ着くと後ろから呼び止められて教室へ入りかけた足を戻した。
振り返ると、くまいちょーが手を振ってやってきた。
「遅刻?」
「あぁ・・・まあね」
「そっか、あのね、話があって・・・」
「うん、じゃあ次の休み時間またおいで。」
「わかった、ありがと」
「ううん、いいよ」
くまいちょーはまた手を振って去っていった。
なにあの嬉しそうな顔は・・・。ニコニコしてほんと幸せそう。
今朝のみやとは真逆だ。あいりんって罪作りなやつかも。ほんとに。
くまいちょー、直接付き合うことになったって言いたいんだろうなぁ。
なんて想像しながら、ももは教室へと入っていった。
140 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/07/28(火) 02:10:38.22 0
&color(blue){>>98 }
第86回
「・・・と、いうことでして」
「そっか、よかったね。すごい、幸せそうな顔してる」
「そう?」
「うん、ものすごくね」
「えへへ・・・まあ、事実だし」
だらしなく笑うくまいちょー。
ももたちは人通りの少ない階段の踊り場で話をしていた。
だらしくなく、とは言うものの、マジメな子だから真剣ってのは伝わってて
ほんとによかったね、と思えてくる。
みやは傷ついてるだろうけど・・・でも、そのおかげ?でみやに告白できたし。
まぁ、感謝しておこう。
「・・あ、でね、・・・あの、ももちのこと話した」
「え・・・」
「ごめん、勝手に・・・でも、隠し事はしたくなくて・・・」
いいけどさ。愛理のやつ、なんで断るの!?信じられない!とか言いそうだ。
・・・なんで断ったかってそりゃ・・・いや、その話はまた今度にしよう。
「いいよ、気にしないで。とにかくよかったよかった」
「うん」
「あ・・・ところで、・・・えっちした?」
手招きして屈んでもらって、そっと耳打ちをした。
言い終えると、くまいちょーの耳が真っ赤に染まっていくのが見えて笑いそうになる。
「し、し、したわけないじゃん!ばか!ももちのばか!」
「あははーごめんw」
「も、もう・・・」
顔も真っ赤になって怒る様子が、小さな子どもみたいで可愛いやつ。
まぁ、ももより30cmくらい大きいんだけどね、くまいちょー。
141 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/07/28(火) 02:11:25.38 0
&color(blue){>>140 }
第87回
「あ・・・忘れる前に。」
「ん?」
くまいちょーは妙に真剣な顔になって、人差し指を前に突き出した。
ももは首を傾げて話の続きを待った。
「意見交換会なんだけど、今度の土曜日の放課後に決まったよ」
「・・・出ないって言ってるじゃん」
「いや、会長にも言ったんだけど・・・もう決めたからって。
出席しない部活は無条件で廃部にして活動も禁止にする・・・とか。
ちょっとやりすぎだとは思うんだよね・・・でも、決まったからって言われて・・・。」
かーっと怒りがこみ上げて来る。ばっかみたい!考えられない!
「なにそれ、独裁者じゃん!くまいちょー言いなりなの!?副会長でしょうが!」
「無理だよ・・・ごめん。2年生には何にも出来なくて・・・」
「・・・・はぁ、もう」
どうしよう。なんか・・・もう嫌になってきた。
「と、とにかく出席だけは・・・さ?お願いだよ、うち廃部にはさせないから!」
「・・・何も出来ないって言ったの誰?」
「・・・・・・うぅ、ごめん」
「まぁいいや・・・了解だよ、わかった」
「うん、伝えたからね。詳しい時間と場所はまた言うからさ」
「・・・・うん」
ももたちはそこで分かれてそれぞれ教室へ向かった。
さて・・・どうしたものか。出席・・・したくない。みやだって反対するはず。
どうせ出席だけさせて、廃部免除をエサに部室を奪う気なんだ。
みえみえだよ、まったくもう!
・・・愛理はなんて言うだろう?味方になってくれるかな・・・。
幸せいっぱいな愛理の決心は先延ばしにしてあげるつもりだったけど、もう時間がない。
今日中にでも返事を聞かなきゃ・・・!
143 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/07/28(火) 02:18:01.12 0
&color(blue){>>141 }
第88回
「・・・愛理、早いね」
「うん、ちょっと早く授業が終わって」
「そっか」
お昼休み、部室に入ると愛理がすでにいて、お弁当を開いていた。
顔見るだけでほんとうに幸せなんだろうなとわかる。
見たことのない、いい顔してる。すごく、可愛い。
今までは見せてくれなかった顔・・・あいつが引き出したんだ。
あー・・・もううちってこんな泣き虫だっけ?泣きそう。
でもだめだ。ももはまだ来てないし、ここで泣くのはみっともない。
必死で堪えて笑顔を作って会話を続けた。
◆
「・・・で、今日は一緒に登校したの!」
「そっか。心配してたから安心した。よかったね、愛理」
「うん!みや、ありがと」
「・・・ううん、みやはなにも・・・」
愛理に手を握られてありがとう、そう言われた。
純粋無垢とはこのことか?ってなくらいキラキラな笑顔を向けてくる愛理。
・・・いいなぁ、幸せって。羨ましい。・・・・そして、悔しい。
「・・・・と、泊まったってさ・・・あの、うちが言ってたような・・・」
「襲われちゃうぞってこと?」
「そ、そう」
「ないよ、そんなこと。あり得ないもん、先輩優しいから」
「そ、そうなんだ・・・へー」
へーなんてごまかしたけど内心ほっとした。そんなことホントにしてたら
愛理の口からそんなこと聞いちゃったら、叫んでしまっていたかもしれない。
189 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/07/29(水) 00:56:23.15 0
&color(blue){>>143 }
第90回
「お待たせー・・・」
授業のあと、教材を運べって言われて手伝ってたら遅くなっちゃった。
みや、泣いてなきゃいいけど・・・。
「もも、遅いよー」
「遅いぞー」
2人はにこやかに話をしていて、少しだけほっとした。
「あ、あのね、もも」
愛理が顔を赤らめて話し出そうとしている。
「うん」
「・・・先輩と付き合うことになった!」
「おめでとー。さっきくまいちょーに聞いてきたw」
「そっか・・・ありがと!」
愛理は嬉しそうに笑いながら、お弁当のプチトマトを口に入れた。
◆
「で、・・・おめでたい雰囲気の中申し訳ないんだけど・・・」
「「??」」
「・・・生徒会が勝手に意見交換会の開催を決めたんだって。
今度の土曜日放課後。出席しないと無条件で廃部決定・・・」
「はぁ!?なにそれ!?」
みやが途端に怒り始めて、ももとみやはおかしい、とか欠席してやる!とか
そんなことを言い合っていた。
愛理は隣で、どうしたらいいんだろう・・・という迷った困った戸惑った表情をしている。
お願い、味方だと言ってよ愛理。そうじゃなきゃ、困るよ愛理。
ももがそんな目で愛理を見つめると、愛理はゆっくり口を開いた。
191 :&color(green){&bold(){名無し募集中。。。}}:2009/07/29(水) 01:05:30.40 0
&color(blue){>>189 }
第90回(前回は89回だった)
どうしよう?なんて言えばいいんだろう?
みやも、ももも、私の答えを待ってる・・・でも・・・
生徒会とモメるのはどうかと思うし、先輩もいるし・・・・
廃部になるのはいやだ・・・・
私だけでも出席して・・・でもそれじゃ二人を裏切るような・・・。
もものしてくれた話がよぎる。
・・・なんだか辛い話だった。私まで悲しくなるような・・・。
でも、その苦しい状況からももを救ったのは紛れもなくこの部室なわけで。
あ、あとあの人も・・・か。
ももがこだわる理由も気持ちも良く分かったつもりでいる。
「・・・私は、・・・わからないの」
「なにが?」
ももが優しい声で聞いてくれる。
「何が正解なのかわからなくて・・・」
「正解はないよ。愛理がどうしたいか、それだけ」
みやが鋭い声でそう言った。ちょっと、ビクっとした。
「うん、確かにそうだけど・・・・」
「・・・みやの言うとおりだね。愛理がどうしたいか、だよ」
ももの声は相変わらず、優しい。でも、早くして欲しいという気持ちもこもっている気がした。
「私は・・・この部室が好き」
「じゃあ、決まりじゃん。・・・でしょ?」
「・・・うん、そうだね」
愛着の湧いてきた、ボロボロの机を見て、好きだと思った。
この机とおさらばするのは寂しい。悲しい。
だから、守ろう。ももの、味方になる。そう、決めた。
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