概要
戦闘に至るまでの背景
シャクティアナ領遠征は、一見すると
六界連合軍の快進撃に見えたが、
シャクティアナ帝国軍は、自分達にとって戦いやすいエリス・ラゴン平原に巧みに連合軍を誘いこんでいた。
六界連合軍もその意図に気付きながら、決戦を覚悟していた為あえてその誘いに乗り、両軍はエリス・ラゴン平原にて対陣。
シャクティアナ帝国は、帝王
ラスブロス自らが出陣し、両陣営は最後の決戦へと赴こうとしていた。
両軍の戦力
戦闘経緯
「余は随分と寛大な男だった様だ……わざわざ敵の決戦の希望に応えてやるとはな……だが、余と刃を交えるということが、奴らが想像していた絵空事とまったく異なる結末になる事を、思い知らせるのだ……奴らには、我が領土を騒がした報いとして、自らの血で敗北の戦記を綴らせよ」
長きに渡り
シャクティアナ帝国皇帝の地位に君臨した
ラスブロスが、自ら兵を率いて出陣し、将兵の士気は最高潮に達し、両軍は真正面からの決戦へと突入した。
シャクティアナ国時間 11時30分
先に綻びを生じ始めたのは
六界連合軍であり、
レンゲ、
スレイマンが南西戦線に、
サウラ、
アリンも援軍として軍勢を押し上げた。
被害は将兵だけではなく、戦場を走り回る伝令や、本来混戦においても驚異的な生還率を誇る
隠密にまで至り、
クルスが戦死する。
シャクティアナ国時間 14時20分
サルファーの決断により、全軍に総攻撃の合図が下される。いまだにシャクティアナ帝国前線を突破できず、むしろ押し返されつつあったこともあり、サルファーは賭けにでた。
シャクティアナ国時間 14時50分
ローラルは、目の前の陣を突破すれば連合軍を包囲できる為、突撃を何度も仕掛けたが、
グラーバルの勇戦により阻まれていた。そして、
イルザが、
サヌアとの戦いの末に戦死、ここにきてようやく連合軍が戦局を持ち直しはじめていた。
シャクティアナ国時間 15時20分
膠着した戦局に、
ラスブロスは、自ら本陣を前進させる。
シャクティアナ帝国将兵の士気は一気に上がり、あえて有利な守りを捨てて攻めに転じたこの前進に、主導権を握りかけた連合軍は、再び後手に回ることとなる。
シャクティアナ国時間 15時40分
エリシアは、部隊を動かさず、両軍の動きをひたすら見つめ続け、決定的な働きができるチャンスを待ち続けた。
そして、ついにそのときが来たと、部隊を一気に北上させ、北東戦線へ移動中の敵を襲撃、北東部隊を孤立させることに成功した。
中央決戦においては、連合側から寝返った
シュバインが戦死、強敵を求め続けた
バルザックも、かつての同胞だった
ザグリードに討ち取られる。
南西戦線では、
グラスシード、
ローラルの攻撃により
マルラ、
ミッドガルツが戦死、陣が突破されつつあったが、
グラーバルの奮戦、
ティアナ、
アゼルの支援により、かろうじて持ちこたえていた。
シャクティアナ国時間 16時20分
シュバインの穴を埋めるべく、
ライプリッヒが前線に向かい、
ラスブロスはさらに本陣を前進させる。
北東戦線では、孤立しながらも奮戦した
バーナもついに力尽きて戦死。
そして、
サウラは騎馬を奪うと、ただ一騎で戦場を駆け抜け、
ラスブロス本陣へと突入、ラスブロスに剣を振り下ろす。
混戦の中、単騎だからこそ見逃された奇跡の突撃であったが、二人の一騎打ちは、ラスブロスの静止を聞かず横槍を入れた部下たちによって遮断され、
サウラは脱出、生還を果たす。
ザグリード、
ルーインといった、指揮官としてより、一人の戦士として名を馳せた将達が、一気に攻勢を仕掛け、
ルーインによって
ヴィルが討ち取られるが、その
ルーインも
ラスブロスとの戦いから舞い戻ってきた
サヌアによって討ち取られた。
しかし、南西戦線がほぼ壊滅し、そこから殺到する軍勢に連合軍が包囲されるのはもはや時間の問題となっていた。
そのとき、
エリシアより各部隊に伝令が到着する。その伝令を聞いた各部隊は、一斉に四散して撤退をはじめた。
それは、後退とはとても呼べない蜘蛛の子を散らすかの様な無秩序な壊走であったが、それらは全て計算の上のことであり、逆に四散されることで、追撃も散開してしまい、連合軍は比較的損害を出さずにそれぞれの潜伏場所へと向かった。
ラスブロス強襲作戦
一見無秩序に撤退したかに思われた
六界連合軍だが、
エリシアの徹底した下調べにより、それぞれの部隊は指定された土地に潜伏していた。そして、撤退したと見せかけて、凱旋する部隊に紛れていた
サヌア傭兵団が、帝都に潜入、ラスブロスに勝利の祝い酒を持ってきた町民を買収してその酒樽に潜り込み、
ラスブロスへの強襲を仕掛けた。
これはもはや、戦術というより、おとぎ話か伝説の範疇であったが、もはやそれに賭けるしか
エリシアには選択肢が残されていなかった。
サヌア、
ロリスザード、
レイア、
リーザス、
シーナ、そして僅かな傭兵がラスブロスただ一人を狙って一気に襲撃を仕掛ける。
そして、それに呼応して、帝都を取り囲む様に、四方から同時に潜伏していた全部隊が殺到、それぞれが同時に「自分達こそ六界連合軍本陣部隊」と宣言しながら攻撃を仕掛けた。これも
エリシアの指示通りだが、既に兵力の差は歴然としていた為、サヌア達の強襲を成功させる為の陽動と時間稼ぎであり、サヌア達が失敗すれば自分達もここで全滅するという運命を共有した最後の賭けであり、実際この無謀な突撃により、
ガディア、
レイスが戦死している。
サヌアを
ラスブロスの元へ向かわせる為、
ロリスザード、
レイア、
リーザスが次々と落命、しかし
グラスシード、
ザグリードも討たれ、ついにラスブロスの元にサヌア一人がたどり着き、激しい戦いの末、帝王を討ち取る。
戦いの結末
ラスブロスは討ち取られ、内政面に発言力のあった
ヘドゥラは後を追って自害した為、
シャクティアナ帝国は大きく揺らいだ。後継者なき帝国に内乱は必定であり、そこに南方六界連合軍も到着、
シャクティアナ帝国は一気に没落していこととなる。
なお、
ラスブロスを討ち取った
サヌアだが、彼も戻ってはこなかった。
伝承によると、兄を討たれたときから、復讐の機会を伺い、精神が崩壊した芝居を続けていた
アイリによって刺されたとあるが、確たる目撃情報は存在しない。
最終更新:2011年10月12日 05:29