概要
神器衆クーデター事件とは、
ザールック3333年に
アーズ国で勃発した政変である。
ただし、「結果的に政変になった」というものであり、実情は異なる。
推移と真相
アーズ国はこの頃
ザールックで最大の軍事力と発言力を持っていた。王女である
アルスレーナは、その巨大な力を背景に暴走をはじめ、更に、世界に戦いの火種を撒き続けたい死の商人
コルディアがアルスレーナに接近し、周辺諸国の武力統合を薦めた。
この頃アーズ国はその経済力の大半を軍事力維持と上層部の贅沢で浪費し、経済を支える市民層は困窮していた。煌びやかな都市部の周辺では、スラムが広がる傾向にあった。
現状を憂い、出費を削減して経済の復興に当てるべきと進言する者もいたが、女帝たるアルスレーナはその進言を取り入れようとせず、むしろ外征にその力を使おうとした。
3333年2月、アルスレーナは自国のパーティに招いていた
モルコア国王を謀殺し、モルコア国の統合に取り掛かる。それを察知したモルコア国将軍
スレイマンは、かつて救出の為に尽力した
ナスティを経由して
神器衆に「アルスレーナのモルコア侵略を止めて欲しい」というメッセージを送った。
これまでの経緯からもはやアルスレーナに通常の説得では効果がないと考えた神器衆は、擬似クーデターを起こし、アルスレーナをこらしめるという強硬手段を選択する。(発案者については後述)
モルコア国攻略を命令された神器衆が、出陣前の閲兵式と称してアルスレーナの前に兵を率いて現れ、そのままアルスレーナを捕らえて「現状と今後のこと」を説得(実際は脅迫)し、更に
ビーストバリア国、
フレイミスト国、そして
モルコア国にはあらかじめ今回の件を伝えておき、「神器衆に私心なし」という真意の証人になってもらう。
ここまで準備して行った擬似クーデターであったが、アルスレーナに私怨を持つナスティは、アルスレーナをわざと取り逃がし、密かに用意した兵を使って本当に彼女を殺害し、「彼女を憎むスラム街の民衆によって殺害された不幸な事故」として報告。
進退窮まった神器衆は、結局本当に政変を起こしたこととなり、「王家の跡継ぎがなき時は神器衆から王を選べ」という昔からの言葉を理由に、
サウラがアーズ国王となる。
ビーストバリア国、
フレイミスト国、そして
モルコア国は、これまで共に戦ったこともあり、サウラに対して信頼をおいていた為、多少の疑問点を抱えつつも、サウラの国王就任を歓迎するメッセージを送ることで、「民衆の為の世直しの蜂起」を内外に印象付けた。
発案者
この擬似クーデターの正式な発案者ははっきりと判っていない。
以上の説が存在するが、現在は「神器衆が持ち込み、ナスティが便乗した」が大筋となっている。また、その曖昧な出自から、「実は擬似などではなく、最初から神器衆は本当のクーデターを計画していた」という陰謀説も根強く残っている。
関連項目
最終更新:2011年04月22日 14:00