概要
ティファーナの戦いとは、
アルファ1740年10月、
リヴォル帝国と
シーフィールド国の間で行われた戦いである。
リヴォル帝国はシーフィールド国侵攻を行っていた為、数々の小競り合いを行った上での最後の決戦であるが、この遠征全てを含めてティファーナの戦いと呼ぶ事が多い。
戦闘に至るまでの背景
リヴォル帝国と
シーフィールド国は、これまでも何度も戦ってきた宿敵ではあったが、
カオスギアの戦いのとき、
アルビス国の要請を受けて、
リヴォル帝国の注意をひきつけるため兵を挙げている。この戦いは、それを撃退し、更にシーフィールド国へ進軍するものであり、言うなれば
三国同盟と
三国連合の戦いの延長戦のようなものであった。
既に
バーン国は崩壊し、三国同盟は自然消滅したが、リヴォル帝国はそれに関係なく、シーフィールド国首都を目指し進軍を続けていた。
更に、勝利するとわかった途端、
フェングランド国軍が「援軍」と称して合流を申し込み、甘い汁を吸おうとしていた。
シーフィールド国と何度も戦い、その強さをよく知っている
シャラダンは、シーフィールド国が自分を倒す唯一の方法は、わざと敗北を重ねて領土深く誘い込み、奇襲をもって自分を討つことだとわかっていた為、
フェングランド国軍を前面に出し、罠の有無を確かめる様に利用した。
だが、この行動が予期せぬ結果をもたらす。
距離を置くため一旦進軍を止めた
リヴォル帝国軍を見て、
フェングランド国軍は自分達が敵陣に孤立すると、あわてて引き返す、しかしこの突然の反転に、今度は
アスタルが、
フェングランド国軍が裏切ったのではと思い、そこに痺れを切らした
シーフィールド国軍の一部隊が偶然姿をあらわしたため、
フェングランド国軍の裏切りを確信、
アスタルが攻撃を仕掛け、半壊させた。
この行動により、
フェングランド国は
リヴォル帝国に遺恨を残すこととなる。
だが、
リヴォル帝国軍はそのまま進軍を再開、
シーフィールド国が用意していたあらゆる奇襲は、慎重に慎重を重ねた
シャラダンの進軍によって頓挫した。
シャラダンは決して智謀の人ではなく、どちらかといえば猪突の趣を持つ武人であったが、
ガルゾーマ、
ジルダーといった他の魔王と唯一違う点は、「現実的」であるということであった。
その生き様や言動の全てが伝説になるかの様に、レッドカーペットの上を歩き続けた
ガルゾーマ、翼の魔王として畏怖を与え続けた
ジルダー、彼らの生き方は、自分達の生死すら演出し、どこか芝居染みた部分があった。しかし、
シャラダンはそういった伝説的な生き方を選ばず、二人には到底届かないという自らの身の程をよく知り、現実的で確実な方法を取り続けていた。その結果が今回の奇襲の隙を与えない進軍であった。
対する
シーフィールド国も、当初の奇襲に固執せず、分散させていた部隊を呼び戻し、首都までの進軍を許さずにかろうじて全軍を再布陣させた手腕は、さすがに魔王と長年覇を争っただけの強国であることを証明させていた。
両軍の戦力
戦闘経緯
両軍はティファーナの地で対峙、まずは
ベルンハルトが先陣を切り、いつもの通り
ウルフェンリッター部隊が法術を無効化させ、接近戦で敵を食い止め、その間に両翼部隊を押し出す、という戦術をとった。
更に、伏兵として隠れていた部隊が
シャラダンの本陣を目指して突撃を開始。
リヴォル帝国軍は完全に裏をかかれた。
だが、流石は魔王の軍勢である。シャラダン自らが剣を振るう事態となっても、全く動じることなく、それぞれの持ち場を離れなかった。
敵の動揺に全てのチャンスを賭けていた
シーフィールド国軍は、全く動じないリヴォル帝国軍によって徐々に押し返されていく。
そして、ついに限界に達した
シーフィールド国軍は、本陣奇襲部隊も壊滅し、このまま全滅まで戦うのか、撤退して次の機会を狙うのか、迷いが生し、次々と壊滅していった。
戦いの結末
シーフィールド国はこの戦いで壊滅的打撃を受けた。
しかし、
リヴォル帝国軍の損害も大きく、結局シャラダンはこの戦いの後に帰国、シーフィールド国は首の皮一枚で滅亡を免れた。
だが、シーフィールド国が軍事的にリヴォル帝国と敵対する事は事実上不可能となり、結局和睦の使者を送ることで、休戦となった。
その和睦とは降伏に近い内容であり、リヴォル帝国は実質上
アディス国とシーフィールド国を支配下としていたが、度重なる戦いにより、その支配力は空洞化も進んでいた。
遠征を終え、ようやく安堵に息をついたシャラダン。そこに、
ミリアス陥落の報告が届く事となる。
最終更新:2011年04月22日 19:30