概要
戦闘に至るまでの背景
バシュタルクと
シオンは、
ガライザラ内乱が始まってから、既に数回直接刃を交えた。
強大な力を持つバシュタルクを相手に、シオンはかろうじて負けずに済むという戦いを続けていたが、勝利をしても狭器を見せるバシュタルクと、敗北してもその器の大きさを見せるシオンの人としての差から、戦いが終わる度にバシュタルクの元から人が去り、シオンの元に人が集まった。
やがて、両軍の戦力は拮抗し、バシュタルクは一度も負けないまま、勝利から引き分けへと戦局が移る不思議な現象に見舞われていた。
バシュタルクは、親族である
レヴォルにシオンを討たせ、その実績により一族の力を更に強固にしようとしたが、レヴォルのはシオンの前に戦死。ついにバシュタルクは自分自身が一度も敗北しないまま、兵力が逆転する状態に追い込まれていた。
だが、それでもバシュタルク本人は、今だ負けていないという事実から、今だその兵力と人材の逆転に気付いていなかった。
両軍の戦力
戦闘経緯
自分は一度も
シオンに負けた覚えがない、なのになぜ自分の部隊が
シオンの大部隊に包囲されているのか、最後までバシュタルクはその理由がわからなかった。
シオンは、既に「守りを固めて」などという戦術を取る必要はなく、彼女の号令により全軍が一斉にシュタルクの陣に突撃する。
「駆け抜けろっ!!戦場を戦場と思うな、我等が自由に駆ける荒野だっ!!黒耀騎兵団こそ、最強の騎馬部隊だということを思い知らせるのだっ!!」
既に、父と同じか、それ以上の威厳を身につけた
シオンの号令により、
バシュタルク陣は切り刻まれた。
グラーバルは、戦場が必要以上に混乱することを避け、あえて動かなかったが、戦いはシオンの勝利で終わるかと思われた。
だが、バシュタルクが、最後の意地で、シオンを道ずれにするべく、特攻を仕掛ける。
この必死の特攻が、執念のみでシオンの元までたどり着き、これに他部隊も勇気付けられ勢いに乗り始める。ここまで全く動かなかった
グラーバル部隊が、
バシュタルクを
シオンと挟撃するが、既に撤退など全く考えていないバシュタルクの特攻はすさまじく、ついに本陣にまで到達、
シオンの右肩を斬るまで肉薄した。
しかし、武運はそこで尽き、バシュタルクは全身に矢を受けて絶命。こうして
ガライザラ内乱は終わりを告げた。
だが、それは、次なる戦いの為の布石だったことがこの直後に判明する。
戦いの結末
バシュタルクの死によって、ガライザラ内乱はシオンの勝利で幕を閉じた。損害は想像以上に大きく、その傷を癒すのにしばらくは戦いを起こすことはできないだろうと考えていたシオンだが、その彼女の前に突如謎の軍勢が姿を現す。
その正体は
ヴァン・フレイ国軍であり、部隊から姿を現したのは、かつて親友だと信じ、そして裏切られた
ティアナだった。
ティアナは、騎馬民族の戦い方にのっとり、自ら名乗りを上げ、シオンに宣戦布告をすると、その場は一時撤退していった。
これまで、ティアナはバシュタルク側の密偵だと思っていたシオンは、ここにきて、自分達の内乱が
ヴァン・フレイ国の掌の上で踊らされていたことを知るが、それと同時に、奇襲を仕掛ければそれで終わったのに、騎馬民族の儀礼にのっとって名乗りだけあげて立ち去るティアナの背中に、親友としての笑みを浮かべた。
そして、戦局は、そのまま
フィヨルドの戦いへとなだれ込む。
最終更新:2011年04月22日 15:22