アイリ




略歴

フェルトビーン帝国将軍。四牙将の一人、「猫」の称号を持つ。
エルフの娘で、孤児であったが、四牙将の一人ウィッカーに拾われ、彼を兄と慕い付き添い続けていた。
フェルトビーン帝国の周囲には、数多くの小国が存在するが、それらの中にはフェルトビーン帝国と正面から敵対し、国境を脅かす国も多い、そこで帝国の中でも最も精鋭部隊で結成された四牙将と呼ばれる部隊が生まれ、四方の国境をそれぞれ守備していた。彼等は戦死、または引退の度に将を引き継ぎながら、数百年に渡って国境を守り続けていた。国境での戦いで四牙将であり智将だった男が戦死した時、動揺する兵士をみたウィッカーは、兵の士気を落とさない為機転をきかせて咄嗟に「実はアイリが彼の作戦を裏で作っていた、我が軍の智謀は未だ死んではいない」と公言し、戦場でアイリを四牙将に任命。戦後も自身の褒美を辞退してそのまま正式任命させた。
その後アイリが四牙将であり続けるのは、実力でその地位を維持しているというより、剥奪されるミスをしていないから、という方が合っている。四牙将の「猫」という称号も、兄の威光を借りただけという皮肉が込められている。彼女自身その立場に不満を持ち、実力で兵士達に認めてもらおうと機会を待ち続けていた。だが、その日が来るより先に六界連合軍によるフェルトビーン帝国侵攻がはじまる。この過去にない帝国存亡の危機に、女帝チカは国境より四牙将バスティアーナ要塞へ呼び寄せた。
エイクレアに迫る六界連合軍に奇襲を仕掛けるべく兄と出陣するが、連合軍に隙なしと見ると、軍勢は引き返しアイリは個人で町に潜入する。そこでサヌアと出会い、奇妙な友情に結ばれることとなる。
ゲルトエルトの戦い、そしてカルダザルスの戦いサヌアと再会し、剣を交えるが、そのサヌアが自分の目の前で兄ウィッカーを討ち取るのを見てしまう。
バスティアーナ要塞攻略戦により、要塞まで失い本国へ撤退。

ゴルゴダの乱勃発によりフェルトビーン帝国が降伏すると、同じ四牙将カルザイアと共にシャクティアナ帝国に亡命して仕官、再び連合軍と対峙する。
しかし、カルザイアサヌアに討たれ、アイリは戦いでも知略でも勝てない事を悟ると、一つの決意を実行に移した。
自ら捕虜となり、兄と仲間の戦死で精神が崩壊し、サヌアを兄と思い込むことでかろうじて均衡を保っているという「芝居」をはじめた。最も憎むべき兄の仇を、最も敬愛していた兄と信じ込む、これは想像以上に彼女の精神を蝕む芝居であったが、これを演じきり、サヌアラスブロスを討ち取るという最高の舞台で彼の背中を刺した。
サヌアは残された力を振り絞りアイリを刺し返すが、この時彼女は兄のいない世界に未練はないと、それを避ける事もしなかった。

関連項目


最終更新:2011年04月22日 13:09