第5次リアリッピの戦い

概要

第5次リアリッピの戦いとは、アルファ1739年4月に、アルビス国とバーン国の間で起きた戦いである。
正式名称は「ラストリアの戦い」というが、リアリッピ川地帯も戦場となった為、それまで行われた第1~4次に倣ってこの戦いを第5次リアリッピの戦いと呼ぶ。

戦闘に至るまでの背景


第4次リアリッピの戦いで大勝利を収めたバーン国軍は、アルビス国へ本格的な侵攻を始めるべく、後顧の憂いをなくす三国同盟を結んだ。
それに対して、ストリアブの戦いで、かろうじて敵軍の侵攻を死守したアルビス国軍は、守り続けながらも、反撃のチャンスを待ち構えていた。
ただ待つだけではなく、アルビス国は、上流のコルタス地帯に密かに砦を築いていた。
リアリッピ川の上流は険しい山地で、戦略的にも戦術的にも無視される土地であった。アルビス国軍は、上流で砦を作り、これを分解し木材を川で流してコルスタ地域にて組み立て、未開の地にかろうじて部隊駐屯が可能な砦を作ると、木々でカモフラージュさせ、密かに部隊を駐屯させていた。

それを知らないバーン国軍は、いよいよアルビス国との決着を付けるべく、大軍を動員してストリアブ砦へと向かった。
これに対してアルビス国は、ストアリブ砦で篭城するのではなく、全軍を西に出陣させた。守備に徹すると思っていたバーン国軍はこの出陣に驚き、リアリッピとストリアブの中間地点であるラストリアの地までアルビス国軍が進軍することを許してしまう。
こうして両軍はラストリアにて対峙、アルビス国軍は主力をにらみ合わせて時間を稼いでいる間に、別働部隊をコルスタ地域の砦から出陣させ、バーン国軍の背後から襲わせようとしていた。

両軍の戦力

攻撃側 守備側

バーン国軍
軍勢
アルビス国軍
総兵力68000 兵力 総兵力35000
サザンクロス 総指揮 カルディナ
軍師 エリシア
主要参戦者

サザンクロス

ライウン

グノー

ガミラン

ヴィル

サヌア

ロリスザード

レイア

ダイルーガ

エリシア

ハカン

ディルギオフ




カルディナ

レクシア

リオン

ラギ

レイス

ルティエ

戦闘経緯


密かにリアリッピ川上流に伏せていた別働隊は、計算を得意とするラギの出した時間を信じて筏を出発させた。

バーン国軍は、決してアルビス国軍をなめていた訳ではないが、それでも前回の大勝もあり、アルビス国軍があえて篭城を捨て、野戦に打って出たのは、単に「奇跡を信じての一か八かの勝負」くらいだろうと考えていた。
サザンクロスは、念のため、全軍が集結するまで攻撃を仕掛けず、自らの到着をもってこの最終決戦の火蓋を切った。ただし、最後の決戦になるであろうと考えていたこの戦いにおいて、部下に手柄を譲る為自らは積極的に動かなかった。
前線においてはレクシアライウンが激突、互いを認めるほどの激戦を演じた。

だが、この決戦が始まると、ラギの計算通りに筏が到着、アルビス国軍別働隊がバーン国軍本陣の背後から襲いかかった。
しかし、そこに智謀ではなく「戦士の勘」で前線に出なかったガミランが待ち構え、サヌアを足止めする。
挟撃奇襲作戦もこれで止まるかと思われたが、第二陣のエリシアが予定より早く到着し、ガミラン部隊を食い止め、その隙に第一陣は本陣のサザンクロス部隊を目指した。


後方の混乱が前線にも伝わり、バーン国軍は浮き足立つ、その隙を逃さずアルビス国軍の本隊も、防御から一転、攻撃に出た。
しかしこの攻撃を、ライウンが獅子奮迅の采配によって食い止める。


しかし、ライウンが後退した時、代わりにそこをふさぐべきグノーが、自らの保身に走って撤退、これによりバーン国軍の前線が崩壊を始める。
この時点ならまだ引き分けで終われると判断したサザンクロスは、全軍に撤退を命令、その際、逃走中のグノーは、ヴィルを捨て駒にしようと殿軍に任命されたと嘘の伝令を送る。

撤退を開始したバーン国軍が、リアリッピ川を渡河しようとしたその時、上流で川の水を堰きとめていたレイス将軍が、一気にその堰を切る。
怒涛の如く流れくる水によって、バーン国軍の兵士は多くが流されていった。

その光景を見た猛将ディルギオフは、「全てがアルビス国の掌の上だったか……こんな筈は…こんな筈はないっ!!!我等がアルビス国を追い詰めた立場にいたはずっ!!前回の勝利は何のためかっ!!三国同盟は何の為かっ!!全てはアルビスに華を持たせる前座だったとでもいうのかっ!」と憤慨した。

戦いの結末

周辺諸国の誰もが、危急存亡のアルビス国に止めを刺すバーン国の遠征だと信じていたその戦いで、バーン国軍は敗れた。
更に、撤退中のバーン国軍に、せき止められたリアリッピ川の水が一気に襲い掛かり、渡河中の兵士は一瞬にして流され、渡河前だった部隊は恐怖に竦み、戦意を喪失した所を追いつかれたアルビス国追撃部隊によって散々に撃ち破られた。
アルビス国の中でも特に勲功の高かったのは、勝利を導く策を編み出したエリシア、自軍が半壊しながらも、バーン国軍に撤退を決意させる止めの一撃を与えたルティエ、そして前衛部隊をよく指揮した総大将のカルディナであった。
三人が「アルビス三麗将」と呼ばれるのは、この日からであった。

また、敵中に孤立したヴィルは、奮戦むなしく捕虜となったが、後日サヌア達の説得により、彼らサヌア傭兵団の一員となる。

関連項目


最終更新:2013年10月03日 18:06