概要
戦闘に至るまでの背景
ガルゾーマを倒すために行われた
フェローラの戦いは、
ムストア湾海戦、
カインヴァルザの戦いと、順調にフェローラ国主力部隊をおびき寄せていた。
更に、
アリアス国を再占拠して間もないこともあり、アリアス国にも部隊を駐屯させていたフェローラ国、さすがのガルゾーマも、兵士が無限に湧く魔法の壷を持っているわけではなく、彼の元には最低限の兵士しか残らなかった。
あとは、
サヌア傭兵団を中心とした強襲部隊が、ただひたすら突き進み、ガルゾーマ一人を討つだけであった。
だが、強襲という作戦上、あまり多くの兵士を連れて行けず、行軍速度、突破力、王都に残る兵力、それら全てを考えてギリギリの戦力での出陣となった。
こうして、ヴァン・フレイ国の存亡すら占い、ルナティスにとって人生最大の賭けとなった戦いがはじまろうとしていた。
両軍の戦力
戦闘経緯
主力部隊を東西に派遣したフェローラ国の領土内の砦は、駐屯兵も少なく、ましてや国境ではない内地の自分達の砦に攻撃がくるとは思ってもいなかった。
足音を消す雨という、幸運にも恵まれた強襲部隊は、砦を強襲し、次々と突破していった。最初のうちは、敵兵を一人も外に出さず、闇夜に乗じて攻撃し、次の砦に自分達の存在を知られない様にする形をとっていたが、東西に派遣された部隊が戻るよりも先にガルゾーマに到達できる場所まで来ると、一気に加速して強行突破に打って出た。
だが、砦から脱出した敵兵が、フェローラ本土ではなく、
ガライザラ方面に脱出、砦が次々と落とされていると知った
シオンは、急ぎ軍勢を引き連れてこの謎の強襲部隊(当初はフェローラ国内の反乱と思っていた)に猛追する。
ガライザラの追撃部隊に対しては、
ガリックが反転して食い止める。ガリック自身は戦死するが、シオンを食い止めることに成功し、
サヌア達はガルゾーマの居城に到着する。
サヌア、
ロリスザード、
レイア、
ダイルーガ、
シーナをガルゾーマの元へ向かわせる為、ヴァン・フレイ国の将軍がそれぞれの場所でフェローラ国軍を食い止める。
フェローラ国首都に駐屯する兵士は、強襲部隊の倍はいたが、突然の奇襲にどの部隊がどこへ行けばいいのか迷い、数ほど機能はしていなかった。それに対して強襲部隊は、たった1人のガルゾーマを討てばいい為、ただひたすらに突き進んでいた。
ガルゾーマは、「魔王」としての矜持から、脱出を考えず、城内で堂々と彼らを待ち受けた。これもまたヴァン・フレイ国、サヌア傭兵団にとって幸運なことであった。もしガルゾーマが一時撤退をすばやく決断していれば、ここで討たれることはなかっただろう。(もっとも、その様な魔王であれば、ここまで脅威になるほどのカリスマ性を発揮していなかったとの指摘もある)
ガルゾーマは、サヌア達を相手に互角以上の戦いを演じるが、それも限界が訪れ、ついに討ち取られる。
ガルゾーマ戦死の報告を聞いた各戦線は、一気に戦意を失い、そのまま戦い続ければ、数の上でヴァン・フレイ国軍を壊滅できたにも関わらず、彼らの撤退を黙って見送るしかなかった。
戦いの結末
副官
ロアリーは、ガルゾーマの後を追うべく燃える城に身を投じ、急ぎ戻ってきたが間に合わなかった
ガミランは、この後浪人となってサヌアを付けねらう。
こうして
フェローラの戦いは終わりを告げた。
ラ・ディアス帝国は、一度はフェローラに上陸しながらも、撃退されて帰国。後に自らの出兵がヴァン・フレイ国に利用されていた事を知り、皇帝
ロンディーナは怒りに身を震わした。
フェローラ国はガルゾーマを失い、完全に混乱状態となり、腹心の部下であった
ガミラン、
ヴィルは姿をくらまし、
カインヴァルザの戦いでヴァン・フレイ国軍と睨み合っていた
マルンは、急ぎ軍勢を撤退させるが、ヴァン・フレイ国軍の激しい追撃によって壊滅し、マルン自身も壮絶な戦死を遂げる。
ガルゾーマの保護下にあったフェローラ国王は、ヴァン・フレイ国に降伏の意思を伝えた。
長きに渡って魔王に頼り切っていたフェローラ国は、突然の自立を強要されるものの、自分達で何を行えばいいのか判らず、とりあえずはヴァン・フレイ国と不戦協定を結ぶこととなった。
最終更新:2011年04月22日 17:44