フランツィスカ



基本情報



略歴

代々神官をつとめるシェレンベルク家の次女として生まれる。
素直で平凡だった姉とは正反対であり、両親に対して反発を繰り返す攻撃的な性格であり、法術の才能に恵まれた為15歳のころにはもはや両親の魔力をも凌駕し、手がつけられなくなっていた。
シェレンベルク家には小さな図書館に匹敵する書庫があったが、そこには破壊の神座 であるガウデバに関する書物が眠っていた。
長い間誰の目にもつかずに埃をかぶっていたその書を見つけ出したフランツィスカは、古文書を自室に隠しガウデバを見つけることを目的にしていたといわれる。

1700年ごろに家を出て、ティネゼリアの治安維持部隊へ入隊、ルーン国との国境付近でレジスタンス狩りや密偵狩りで多大な成果を挙げ、幹部にまで出世する。
功績をあげるその裏で、逮捕したレジスタンスや密偵に必要以上の拷問と虐待を加えていたが、この組織では拷問も虐待も合法であったためそこまで問題とはならなかった。
だが、同僚ですら眉を顰めるその姿に、彼女の残虐な性格がよく現れていたといえる。

1737年にティネゼリア国がロヴェリア遠征の準備を始めると、古文書の情報からその地に眠っていると思われるガウデバを探すチャンスがきたと治安維持部隊を退官し、ロヴェリア遠征に従軍して、密かに永久凍土の中で眠っていたガウデバを見つけ出す。
だが、その巨体は彼女一人で掘り起こしたり輸送できるような存在ではなかったこともあり、彼女は自分と共にこの破壊神とも呼べる危険な玩具に魅了され、協力してくれる権力者を探す為、まずはヴァン・フレイ国に入国する。
しかし、ヴァン・フレイ首都の街角でぶつかった男と口論になり炎の法術で攻撃、男を全身火傷の半殺しの目にあわせ、通報から駆けつけた警備隊から逃亡するも、2時間後に疲弊したところを逮捕された。
そこで、囚人部隊を指揮するゴトラスに見初められ、自由と引き換えに囚人部隊への参加を要請されると、ここで手柄をあげれば国の上層部へ近づけるチャンスと囚人部隊へ参加。
ノスタル高原の戦いに従軍すると、ゴトラスの指示を無視してガライザラの騎馬隊を炎の法術で追い返す。
勝手な行動をゴトラスから咎められるも、フランツィスカはむしろ敵を撃退した自分に感謝しろと猛反論するが、ゴトラスに叱責され、表向きは受け入れたが、内心で彼に激しい恨みを抱く。
フェローラの戦いでは強襲部隊に従軍、砦の局地戦で「敵兵を逃すな」という指令を必要以上に守り、逃走する守備兵への虐殺を行うやりすぎな面もあったが、戦いそのものは勝利したため、戦功によって罪状は消滅、以後の身の振り方の自由を手に入れたフランツィスカは、ヴァン・フレイ国で協力者は見つけられないと悟り、クレアティボ国へと渡る。

クレアティボ国に仕官したフランツィスカは、発言権を得るため、戦略会議に出席する将軍に賄賂を渡し戦線を拡大させ自身の戦功をあげる機会をつくる。
レフティアの戦いでもその戦いぶりは変わらず、わずか200名の法術部隊で次々と敵部隊を打ち倒すも、部下を省みない戦い方は消耗も激しく後衛の部隊と交代したときにはその数はわずか40人になっていた。
その後、味方の防衛網を破って突撃してきたアストリア国軍の勢いを見て、これは止めきれないと悟ると迎撃を指示し自らは翼を使い逃亡、見捨てられた40名の残存兵はアストリア軍の突撃で壊滅した。
本陣まで逃げ戻ると、浮き足立っていた本陣部隊の一部を勝手に指揮して追撃して来たアストリア国軍を撃退し、レフティアの戦いは幕を閉じる。
戦後処理で味方を見捨てて逃亡したことを非難されるも、本人は悪びれもなく「たった40名の兵では、食い止められないのは明白、だったらそれを盾にして時間を稼ぎ、後衛の遊んでいた兵力を有効に使って撃退したほうが確実だった」と、非を認めるどころか逆に浮き足立っていた本陣部隊の指揮官を非難した。
結果的に、200名の部下を全滅させながらもその倍以上の損害をアストリア国軍に与えていたため、この行為は不問となった。

その後、アストリア国へ攻め込むために必要な橋頭堡としてレセッソ国へ攻め込むが、この時も占拠して利用する筈だった敵軍の砦や食料を気まぐれで燃やし、指揮官アドス(未作成)と正面から対立、疎まれた挙句僅かな兵で敵軍の前に送り出されるという戦死を期待される作戦を受ける。
彼女は自分を一旦戦死したことにさせ、密かにクレアティボ国に帰還、それまでの接触から自身の協力者になる可能性を秘めたリルムに、破壊をつかさどる神座ガウデバの存在を知らせる。
リルムは病的なまでの潔癖症で、穢れの消えない世界ならなくなってしまえばいいという過激な考えを心の奥底に隠していた。
それを見抜いていたフランツィスカは、ガウデバという存在により彼女の奥底に眠る願望を目覚めさせ、これ以後リルムの最も信頼する重鎮となり、国内での発言力を強める。

こうして、ついにガウデバの発掘に力を貸してくれる国を見出したフランツィスカはその力を手に入れ、1741年ヴァン・フレイ国との決戦であるリーズライディの戦いに参戦。
この時、総指揮官ヴェスパーを差し置いて、リルムからガウデバを好きに扱っていいという密命を受けていた為、彼女はついにこの破壊神を戦場に投入、ヴァン・フレイ国軍を恐怖のどん底に落としいれ、かつての私怨のあるゴトラスを見つけ出し討ち取るが、ガウデバが眠りより完全に覚醒し「寝ぼけ状態」の自分に好きに命令をし続けていたフランツィスカに怒りを感じ、彼女を捕まえるとそのまま握りつぶしてしまう。
自分が眠りから目覚めさせた相手に恩を仇で返された形となったが、それはまさしく彼女の人生そのものを投影していた。


人物

  • 性格は残虐で冷酷、フェローラの戦いでは逃走する守備兵を虐殺、レセッソ国境戦では敗走するレセッソ国軍を待ち伏せしたフランツィスカは、負傷兵も残らず焼き尽くし壊滅させた。
  • 上記の行動から後世の歴史でも悪女として名高く、負の歴史を紹介した書籍等ではたびたびその名前が出てくる。
  • フランツィスカの血統についてだが、父は人間で、その両親もともに人間である、母は翼在りし者だが魔族と翼在りし者のハーフであったことがわかっている。姉は翼を持たないが、魔族の血が強く出た人間と魔族のハーフの特徴を示しており(1816年に140歳で病没)、シェレンベルク家は複雑な混血であったことがわかる。


関連項目



最終更新:2023年11月03日 17:02