リン


基本情報


略歴

アゾル国将軍。
元々はエルザイア城の軍医兼飼育員であり、過去に部隊長としての経歴はあるものの、将軍としては認識されていなかった。
しかしバルディゴス討伐連合軍の戦いで、アゾル国は主力の騎馬隊が壊滅的打撃を受け、前任の責任者及び副官等、主要な指揮官が相次いで戦死した為、階級序列による繰り上がりで将軍となった。
もっとも、これは一時的な人事で、状況が落ち着いたら適任者を派遣するつもりであったが、状況が落ち着く前にゲーリー国が攻め込んで来たこともあり、彼女はエルザイア城守備の為、それまで仲間同様だった兵士たちをよくまとめ、不慣れな戦場に立つ。

エルザイア城は、かつては騎兵の精鋭部隊が駐屯する城だったが、前述の通り主力部隊壊滅により、数十騎の精鋭を除いて、後はほぼ全てが飼育員か見習い騎馬兵という訓練学校の様な状態であった。そんな状況でゲーリーゾリメック連合軍との戦いに突入、685年10月、アゾル国で本城に次いで堅固であると言われたエルグライ城が遂に陥落し、エルザイア城も戦場と化す。
ゲーリー国軍が、ゼイレアン平原を抜けてエルザイア城に一気に攻撃を仕掛けてくると考えたリンは、ゴルの裁可を待たずに戦力をかき集めて出陣。僅かに残った精鋭と猛訓練を積んでいた新兵を良く率い、ゼイレアン平原ゲーリー国軍を足止めする。その後志願兵等を加え、エルザイア城を野戦病院兼補給所としながら、ゲーリー国軍を押し返す事に成功した。
ところが、ゾリメック国軍までもがこの戦線に参戦すると、今まで何とか耐えていた守備軍は圧倒的な兵力の前に遂に決壊してしまう。
リンは敗残兵を纏めて撤退していたが、追撃する敵兵の前に味方は次々と倒れて行き、ニィズ砦まで進出してきたラディアと合流した時の兵力は僅か500人にも満たなかった。

その後はラディア部隊に所属し、彼女の指揮により、アゾル国軍は3度も連合軍を退けるも、別働隊が首都に肉薄、もはやここに踏みとどまる意味はなくなってしまい、ラディアは砦を捨てて首都へと向かう。
その背後をマラ部隊が追撃するが、リンが指揮する200人の兵が、ラディアの制止を聞かず反転すると、マラ部隊に突撃。追撃を食い止めてラディアの脱出の時間を稼ぐが、それと引き換えにリンを含めて全員が戦死した。

人物

  • 父は医者であり、自身も部隊長→軍医としての経歴を持つ。
  • 明るく、人を疑う事を知らず誰とでも仲良く出来る性格。世間知らずな所が多分にあるので人に騙される事もよくあったが、持ち前のポジティブシンキングで全てを良い方に捉えがち。敵に対しても戦が終われば善意で接する。
  • 同じアゾル国将軍のラディアとは歳も近く、共にお菓子を作る等、非常に仲が良かったが、キルレイツに対しては「冷徹」さが美点か欠点かで、意見が真っ二つに別れた。実は二人が結ばれる裏では、彼女が水面下で動いていたのでは、という手紙が後世発見されているが、その一方で、キルレイツラディアの仲を引き裂いたニィズ砦の戦いにおける火攻め(パザルアンの戦い)の指揮を取ったのが彼女ではないかという説もある。
  • 細腕に似合わぬ凄まじい怪力を誇った為、並みの男二人掛かりでも持ち上げるのがやっとの鉄製の昆を片手で振り回していた。余興として、力自慢の男達と有料の腕相撲勝負をして、挑みかかって来る男を相手に全勝したことがある。そのとき男たちから巻き上げた金は、趣味の薬学の研究費に使われていたという。
  • ラディアの制止に「今までわたし達の為に何百の人達が盾になって逃がしてくれました。だから、今度はわたし達が盾になる番です」と答えたという。リン達が戦死したニィズ古戦場には現在も忠魂碑が残っている。

関連項目



最終更新:2014年01月29日 01:17