ベルザウス


基本情報


略歴

出自不明の男、本人はロッド国で生まれ、10歳にして見聞を広めるため故郷を離れたと言っている。
その後流れ着いたリューグ国で将軍として席を置くが、彼が目指すのは将軍などではなく、すでにその胸の中には簒奪の心があった。

国主ライグにそれとなく近づき、警戒されないように必要以上の手柄は立てず、それでいてそのにじみ出る才能を感じて近づいた者を、同志として自らの派閥に組み込んでいく。
その最たるものはエルキバーナの戦い(694)であり、彼はこの戦いに参戦、本隊の敗北を予期していながらも、いずれ来る政変を見据え、ライグ直属の部隊を崩壊させる為にあえて進撃を止めなかった。
予想通りライグの本陣が敗れると、自らは神出鬼没の伏兵戦を展開、自軍の損害をほとんど出さずに一夜にしてその勇名を敵味方へ広めることとなる。
こうして、「国主ライグは頼りにならず、ベルザウスは才気溢れる男」という空気が国内に蔓延し、更に彼に近づく者は増えていった。(ベルザウス自身が情報を操作して国内に噂を流していたこともある)

しかし、ロードレア国の軍師ヴェリアは、早い段階で彼の才能と野心を見抜き、将来の敵になると確信。遠隔地からの離間の策を仕掛ける。これにかかってしまったベルザウスは、ガザ刺殺事件を起こし、辺境のノードゥ城へ左遷される。
こうして一度は地に落ちたベルザウスだが、辺境の地においても、奇策を使い、隣城の城主を反乱軍に仕立ててそれを討伐する等、徐々に派閥を広げていき、ついに697年に決起、ライグを追放して国主の座につく。

しかし、ヴェリアの策によって、ベルザウスの予定から大幅に遅れてしまった国主簒奪。
彼がリューグ国を乗っ取りフェルスデッド国と改名した時には、すでに覇権争奪戦の大勢は決し、ロードレアロー・レアルスベルザフィリスの三強時代を向かえていた。そのため、単独で天下を狙うことはもはやできず、ロー・レアルス国への帰順を余儀なくされる。
この時メファイザスはベルザウスに「私はようやく軍師を得た」と言い、歓迎している。

天下分け目の決戦となるヴァイグの戦いには参戦せず、本国の防衛を全て任されていた。
この決戦によってメファイザスを失ったロー・レアルス国は、分裂、崩壊の危機にあった。これをよくまとめて後にルディック城で運命を共にした将軍を、ロー・レアルス将星将軍と呼ぶが、ベルザウスはルーと共にその筆頭にあげられる。
彼らの働きでロー・レアルス国は一応の統一を維持するが、翌年のルディックの陣でベルザウスは、他の将星将軍や城と運命を共にすることとなる。

ヴェリアの反間の計がなければ、彼はもう数年早く決起し、天下を争う「第4の国」が生まれ、歴史はまったく違う局面を迎えていただろう。

人物

  • デルタ自らの書において、ベルザウスを非常に優秀な将軍として高く評価していたが。後に各国の公文書等を調査する過程で、彼の持つ外交官としての才能や戦略眼に対して特に注目が向けられるようになり、レーションによる再評価では、外交官・戦略家としてトップクラスの評価が与えられた。
    • ベルザウスに対する「外交官・戦略家としての」再評価は、ケルスティンに対する「将軍としての」再評価と同様、デルタの資料では欠けていた、グレシアミリフォンに対応する人物が、ロー・レアルス国にもいたのではないか」という指摘への回答としての側面も有している。

関連項目


最終更新:2011年12月05日 16:19