セルレディカ


基本情報


略歴

幼い頃から利発で文武に優れた彼を、父である皇帝グラディエストは長男サーレスを差し置いてセルレディカ溺愛した。
17歳で初陣を飾るが、3倍の敵に包囲されて壊滅、それでも味方を鼓舞して追撃をしかけた敵軍を火攻めの罠に掛けて撃退している。
帝国軍の動きが筒抜けだったこの戦いは、彼を戦場で亡き者にしようとした兄サーレスの策謀だった事が発覚、追い詰められたサーレスは反乱を起こす。
セルレディカは兄の助命を嘆願するものの聞き入れられず、軍を率いて対陣して兄を打ち破る。

その3年後、父の崩御によりセルレディカが即位する。
彼の時代、国内には文化と芸術が取り入れ、戦場では父の代より引き継ぎ、さらに強力になった精鋭部隊が常勝の名を欲しいままにする。
彼は合理的かつ柔軟な政略で攻略相手によってその手段を自由に変え、戦いだけではなく外交と謀略も多用し、次々と他国との戦いに勝利し、1245年にはアウドムラ帝国を攻め滅ぼすと、1247年南方の大国レヴァイアローグライスの戦いでうち破る。

強敵を求めていた彼の前に、突如巨大なカリスマが現れた。共和国のラヴェリア、そしてこの時点まで眼中になかったクレアムーン月風麻耶である。
セルレディカはこの遅すぎるライバルの登場に新たな生き甲斐を見つけたものの、既に勢力図は帝国一強時代を迎えていた。

1251年3周期、国境を巡って一触即発だったラグライナ帝国とクレアムーンだが、祭りの火を勘違いしたところから両国国境部隊が激突、これにより、セルレディカはクレアムーンとの本格抗争を決意。
その数日後、旅の一座であった翼在りし者エルと遭遇、彼女を軍師として迎える。

自らは帝都に居ながら、東西に派遣した将軍達は、この皇帝の為ならと懸命に戦い、ガルデス共和国、クレアムーンを追い詰めていく。
セルレディカ自身は、1255年フェルグリアの戦いに参戦する筈であったが、この時は病を理由にエルを派遣している。しかし、翌年の第3次モンレッドの戦いには自ら兵を率いて出陣、この戦いでラヴェリアに勝利し、帝国は一気に独走態勢となる。
そのまま共和国首都陥落までセルレディカが指揮をとる筈であったが、突然吐血し、病状を隠したまま「凱旋」と偽って帝都に帰還する。
その後、エルに全権を委ね、自らは帝都にて療養していたが、既に彼の体は不治の病に取り付かれていた。
一度は小康状態となり、回復したかと思われたが、突如病状が再発、1257年2周期12日目、巨大なカリスマは流れ星となって散った。

人物

  • 治世、戦争、魅力の全てを兼ね備え、覇王として君臨した傑物。
  • 初対面でエルの智謀を見抜き、軍師として招いたとされているが、実際は亡き妻の面影を持つエルを妾として招いたが、「結果的に」エルが智謀の人だった。
  • 第3次モンレッドの戦いでは、決戦前にラヴェリアと言葉を交わし「息子を持つならお前の様な男がよかった」と語ったという。皮肉にも、彼は息子がいなかった事から、後の帝国内乱戦争が起きることとなる。
  • 彼は、人生において一つだけ大きなミスを犯した。それは、明確な後継者指名を行わなかったことである。確かに長女である「ルディ」を指名すると公言していたが、これはあくまでも口約束であり、はっきりと書状として残していなかった。このことからセリーナは遺言書を捏造、彼女の暴走を招いた一因を作ってしまった。こればかりは、彼が巨大すぎる自分の存在を過信し、口約束でも十分公文書と同じ束縛力を持っていると思い込んでいたミスである。
  • セルレディカは、幼き頃読んだ他国の物語で、智謀に優れた男が国王になるまでの栄光と、その後老人となってから、わが子可愛さに耄碌しながら諸将に何度も誓約書を書かせた哀れな姿、そこまでしたにも関わらず、忠臣だった男にその後国はのっとられるという戦史を読み、自分はこの様な晩年は送らないと決心していた。彼は「自分の言葉にはそれだけの重みがある」と信じ、後継者を明文化しなかったが、皮肉なことに、彼ほど巨大なカリスマにおいても、一度鬼籍に入ってしまえば、その言葉は捏造され、利用されてしまうという別の「前例」を後世に残す結果となってしまった。

関連項目



最終更新:2011年04月22日 18:06