アレス (ロードレア国)


基本情報


略歴

戦災孤児を集めて共同生活を送っていた兵法学者エザリアンの弟子で、メファイザスヴェリアの妹弟子にあたる。孤児院ではある程度に年齢に達すると、それぞれ志を持って旅にでる為、アレスも孤児院を後にして諸国を回って天文、気象から歴史地理に至るまであらゆる勉学に励んでいた。

ロードレア国滞在中に彼女の笛の音に聞き入ったレイディックに招かれる。この時代、各地を旅していた人間は、国主にとって重要な情報源であったが、会話をするうちに、彼女の卓越した知謀に興味を持ったレイディックは、彼女に仕官を勧め、アレスも特に断る理由もなくこれを引き受ける。

ゼノグリアの戦い(692)で、天候を読んだ作戦を授け、現場にいないにも関わらず大勝利をおさめると、ヴェリアを紹介して自らは副軍師となる。
こうしてロードレア国に仕官したアレスだが、その後も進言する策に間違えはなく、フィードの戦い(693)頃からは誰もが認める「ロードレア四天王」と呼ばれるようになる。
この頃からロッド国の不穏な動きを感じ、再三レイディックに警戒を促すが、リヴァイルシアとの友情を盲目的に信じていたこの頃の彼は、この言葉だけは聞かなかった。
そのために舞姫散華によってラディア、更にアリガルまでも失ってしまう。
レイディックは激怒してアレスにロッド国討伐令を発令、奪われた国境の最大拠点グルファ城を、第2次グルファ城の戦いで奪回する。

698年、シャリアル遠征の最中にレイディックが突然の横死を迎えると、わずか3千の兵を巧みに使って、3万の包囲網を1兵も失わずに脱出。この時のアレスには鬼気迫るものがあり、兵士達に必ず故郷へ帰すと誓い、その証として自らの美顔に傷を付けた。この左頬の傷は生涯消えることはなく、後々までアレスの代名詞となっている。

ベルザフィリス国との決戦となったディースの戦い(701)では、死を覚悟した特攻で五舞将さえも寄せ付けず、ロードレア国軍壊滅を食い止める。親衛白牙団に助けられて帰還するも、その傷が癒えていないにも関わらず、ヴェリアが計画した大遠征に携わり、過労のため倒れる。
703年、ヴェリアの大遠征に参加するが、ヴェリアと徐々に意見の食い違いが発生、本隊がリアーズ冬の陣で敗れると、ジース砦にこもり本隊の帰国を助けて自らは囮となる。
この時部下であるワイズに襲われた彼女は、自分がそこまで皆を追い詰めていたのかと覚悟を決めると、メファイザスと刺し違えようと会見を行うが、寸前で取り押さえられその場で斬り殺された。

常に誰かの為に生きようとしたその小さな体には、いつも無数の傷があったという。

人物

  • ゼノグリアの戦いで、居ながらにして勝利を授けたとされているが、これは物語上の演出であり、実際はアレスは一人旅をしていたわけではなく、ヴェリアや、他にも数名、エザリアンの元で共に学び、将来の職を隠密と定めた者達と集団で行動していた。彼女の指示を受けた隠密が、既にゼノグリアに潜伏し、アレスは逐一情報を受け取っていたのである。だが、その真相は彼女の評価を落とすことはなく、逆に僅か数名しかいない隠密をこの時期にバルド国に集中させた先見力を再確認させる結果となった。

関連項目


最終更新:2011年12月17日 17:45