ルティエ


基本情報


略歴

ローザ国の奴隷の子として生まれる。
ルティエが12歳の時、奴隷層が反乱を起こそうとして失敗、両親が見せしめの為に魔族によって公開処刑された。これにより、魔族に対する復讐を決意するものの、無策ではすぐ捕まる事を理解した彼女は、ひとまず魔族から金を奪って貧しい人間達に分け与える義賊として活動する事になる。
ローザ国の奴隷は、それ自体がひとつの社会を形成するほどの規模だった為、限られた地域内だが、ある程度の自由が許されていた。
ルティエは昼は奴隷として働くが、夜はその地域から密かに脱出して義賊という二つの顔を使い分け、仲間を集めて15才で旗揚げした。この義賊団は奴隷監視役のリオンに壊滅されられるまで3年間活動する事になる。

リオンに捕えられた後は、義賊の仲間共々背中に奴隷以下の烙印を押され、また、連帯責任として無関係の奴隷が処刑され、本人はあえて生き残らされた。これにより、今まで仲間だった筈の人間からも軽蔑の目で見られ、心に深い傷を負った彼女は、人間に対する信頼も無くし、魔族に対する復讐心もいつしかリオン個人への恨みへと変わっていく。
この生活は一年弱続いたが、とある貴族(魔族)の息子に不憫に思われ、リオンの元を離れる事が出来た。しかし、その真相を知らなかったルティエは、護送する兵士の目を盗んで脱走、そのまま海へ飛び込んだ。(もし彼女がここで逃亡しなければ、彼女は貴族の元でそれなりに幸せな運命を辿ったと思われる)

脱出と密入国を繰り返し、アルビス国へ流れ着いたが、他人を信用出来なくなっていたルティエは、生きていく為に非常に人懐っこく、悩みの無さそうな人間を演じながら、傭兵としてアルビス国軍に入隊。義賊として活動していた経験を生かして頭角を現し、2年も経つ頃にはカルディナの副官的な立場にまで大出世する。

1737年、リアリッピの戦いに参戦。渡河部隊という重要な役割を受けるが、バーン国の智将サザンクロスに策を読まれ、ライウングノーの攻撃を受けて撤退する。その後、第2次リアリッピの戦いにも参戦するが、本人が望む大きな戦果は得られなかった。
そんな折、アルビスへやって来たサヌア達と出会い、彼らを仲間に引き入れて出陣した第3次リアリッピの戦いでは一応の戦果を挙げる。

その後、リオンと偶然の再会を果たし、自分を追ってきたと勘違いしたルティエは、過去を断ち切る為にリオンに決闘を挑むが、デルアーミー一派の壊滅により行く宛を失っていたリオンは、自分を雇ってほしいと懇願。ルティエは肩透かしを食らったが、バーン国との戦いも激化していた為、これを承諾する。
カルディナ失脚後に始まった第4次リアリッピの戦いでは第3次の手柄から総指揮官として参戦するが、バーン国の智将サザンクロスに翻弄されて未だかつて無い程の大敗北を喫し、同期のグロゥドビッツテルトルナリアをはじめとし、優秀な将軍を数多く失ってしまう。
ストリアブの戦いにおいて、サヌア達の活躍によりかろうじてバーン国を撤退させる事に成功するが、国を守る為にはやはりカルディナが不可欠だと感じたルティエは、カルディナ復権の為にサヌア達と奔走。この時にエリシアと初めて会うのだが、ルティエは彼女の存在の事は気にも止めていなかった。
カルディナ復権後は、カルディナ、ルティエ、エリシアレクシアラギレイスリオンと共にアルビス主力軍を構成する。しかし、基本的に軍団を指揮する能力を決定的に欠いていたルティエは、傭兵であるサヌア達の指示を元に軍団を指揮するという指揮官としては散々たる有り様であった。
その代わり、ルティエは中隊程度の人数を率いる能力は随一であり、第5次リアリッピの戦いでの活躍から、ルティエはカルディナ、エリシアと共に三麗将として名を馳せる事となる。
両国最大の決戦となるカオスギアの戦いでは、開戦から戦い抜き、終盤に最後の手勢を率いてバーン国軍本隊を攻撃し、「まるで虎の様」と言わしめる程の目覚ましい戦果を上げた。
カオスギアの戦いの後、ルティエは傷を癒す為にしばらく入院していた。今までバーン国という相手が居たからこそリオンともそれなりに上手くやっていたが、最早ルティエ個人としてはリオンを雇っておく必要など全く無くなってしまう。その結果、リオンとの仲は急激に悪化し、エリシアやシーナを初めとして、多くの者がそのとばっちりを食う事になった。

城砦都市ミリアスをエリシアの策で攻略した際、リオンが裏切った怒りも手伝い、大戦果を挙げたエリシアの作戦を真っ向から否定し、怒鳴り散らしてしまう。エリシアはその事を引きずる様な事は無かったが、ルティエはその後しばらくはエリシアに口を聞かなくなってしまう。
その後、スカルオーネの戦いにおいて、リオンと再会するが、彼女に裏切られ、再び大怪我を負った上にリオンを取り逃がしてしまう。
リヴォルの戦いにも参戦し、リヴォル帝国の終焉を見届ける。

六界連合軍によるルーイガルド侵攻作戦がはじまると、ルーイガルド17327年カティアの戦い、大敗したハイネスブルの戦い、その後再編成を果たし、仕切りなおしとなったカスタリアの戦いにも参戦。
連合軍が陸路、海路へ別れた後は、海路側の所属となり、グラドリア上陸作戦においては想像以上の苦戦を強いられながらも、ベレル国上陸に成功すると、ルーティス砦攻略戦にも参戦して、ベレル国陥落に貢献する。
陸路、海路部隊が合流し、ビアスコア帝国を降伏させた後、フェルトビーン帝国に進軍。エイクレア攻略戦ゲルトエルトの戦いを経て、17328年8月、両軍最大の決戦となったカルダザルスの戦いに参戦して勝利を収める。

17329年8月、シャクティアナ帝国との決戦となったエリス・ラゴンの戦いに参戦するが、ラスブロスの猛攻により一度は撤退、六界連合軍はその直後にラスブロス強襲作戦を行い、サヌア傭兵団の強襲を成功させる為の陽動部隊として帝都で奮戦、六界戦争を勝利に導く。

アルビス国に帰国してからは将軍職を辞し、しばらくは世界中を旅して見分を広める事に努めた。
帰国後は闇の商人と戦う為の特殊部隊を組織し、その隊長に就任。特殊部隊は全部隊から精鋭を集めた事とルティエの巧みな指揮によって敵対する組織を次々と破って行った。ある時アリアという志願兵を仲間に加えてからは闇の商人のアジトを多数発見するなどし、特殊部隊の評価はうなぎ登りでカルディナエリシアもその功績を喜んでいた。
しかし、実はこれは全て闇の商人の手の内であり、アリアもまた闇の商人の手先であった。そしてある時アリアの罠にかかり、特殊部隊は全滅。ルティエは行方不明となった。
カルディナとエリシアもルティエの行方を捜したが、エリシアはその直後商人の妨害により失脚、以後は政治から姿を消す事になった。残ったカルディナは以後も捜索を続けるが、結局見つける事は出来なかった。

人物

  • 初めはサヌア達の事も軍功を得る為の只の駒程度にしか考えていなかったが、自由奔放なサヌア達に関わっている内に徐々に持ち前の明るい性格を取り戻して行く。また、ひょんな事からレイアに対して演技ではない自分の言葉で会話をする事になり、それ以来レイアに心を開く様になった。
  • ある日神妙な顔で街のブティックを訪れ、ふりふりフリルの服を試着するが、試着姿を店員にも見せずに真っ赤な顔でぶつぶつ言いながら急ぎ足で帰って行ったのが目撃されている。
  • 各地を見分中に路銀が尽きて、漁師をして生計を立てていた時もあるらしい。所有していた小舟は改造に改造を重ね想像を遙かに上回る速度で走る事が出来たので、その足でアルビスに帰国した。その小舟は安価で高性能だった為アルビス軍沿岸防衛隊に多数配備され、敵の戦艦を強襲するという白兵戦専門部隊も設立された。

関連項目


最終更新:2011年04月22日 14:03