ルディック城の人々

概要

 アルファ1900年頃、シーザルス国で発表された小説。後世になって戯曲などの作品となった。
 蜉蝣時代では他の強国と比較して(比較的)取り上げられることが少ないロー・レアルス国の成立と滅亡を扱った叙事詩的作品である。戯曲版は小説版を48章に再編したものであり、後の作品ではこの48章構成が基礎となっている。


解説

 蜉蝣戦記執筆当時は比較的資料が少なかったロー・レアルス国の内情が埋もれていた資料によって明らかになった後に作成された作品である。当時としては最新の歴史学的知見を取り入れた部分が大きいが、資料の一部は推測・創作によって補わざるを得なくなっており、このことに対して批判が寄せられることもある。だが、本作品を皮切りに対してロー・レアルス国の文献調査など歴史研究が進んだ面も存在する。
 以下の4人が作品全体の主人公・準主人公として考えられている。後世の作品では、準主人公2人の片方(または両方)が語り部・ナレーターを兼ねることが一般的である。

リヴァドル・ケイン
主人公その1。本作品ではルディック城出身・643年生まれ。若い頃のロルズメナケルスティンとは自宅や実家の職種が近かったため面識があったとされる。物語はこの3人にメファイザスを加えた4人を中心に展開していことになる。2回連続となる国主殺しに関わることとなった彼の行動原理については、「郷土愛(小説)」「立身出世欲(戯曲)」という2通りの説明があり、どちらの立場を取るかが作品によって分かれている。どちらの場合でも、最終的にはメファイザスと相互に信頼しあう関係となる。戯曲版ではルディックの陣を取り上げる第48回の前半で退場。
メファイザス・クルイア
主人公その2。前歴など基本的な部分は正史と同じだが、本作品では謀略だけでなくその治世も取り上げられている。彼とリヴァドルをはじめとする諸将らとの会話が、物語の中では大きな役割を果たしている。また、正史と比較して一層慎重に行動しており、その慎重さが劇的な逆転勝利自らの破滅の両方をもたらしたかのような描写が存在する。戯曲版では第46回で退場。
ロルズメナ・ガイア
準主人公その1。本作品ではルディック城の商人出身。後に立身出世に目覚めてロー・レアルス国に仕官するが、ロードレアロー・レアルスベルザフィリスと所属国を転々とする辺りは正史と同じ。高齢になってからの仕官であったことを考慮し、最前線で戦う将軍ではなく、駐在武官のような「文官の仕事をこなす武官」として描かれている。ロー・レアルス国外の情勢を説明する際には、彼の視点が用いられている。
ケルスティン・ベルツェーリウス
準主人公その2。リヴァドルを年上の相談相手として慕う官僚(実際にリヴァドルとここまで親しかったのかどうかは不明)。親バルディゴス派に属し、混乱したルディック国の改革と立て直しに意欲を燃やす。カルディスが国主だった時代には国内南部に「追放」されたとされている。そのような経緯があり、同僚であるメファイザスからカルディスに対するクーデターを持ち掛けられた際には、水面下でクーデターを支援していたように描写されている。


補足



関連項目



最終更新:2013年04月29日 03:11