サムルトン遠征

概要

サムルトン遠征とは、ラドリザン6894年、クルーディア帝国、が共和国サムルトンに対して行った遠征である。
長き戦乱に、一応の終止符を打つはずの戦いであった。

戦闘に至るまでの背景

ランドヴァルク作戦において、サムルトンクルーディア帝国に大勝利を収めた。
しかし、既に戦乱の大局はクルーディア帝国が支配権を握っていた為、この大勝利をもってしても、双方の立場を入れ替えるには至らなかった。
逆に、クルーディア帝国は、サムルトンにとって重要な役割を果たしていたパレスを攻め滅ぼし、更に再編された軍勢をもって、昔日の復讐戦を兼ねて、サムルトンへの進軍を開始した。
リアムス自治国家は既に大局を動かせるほどの力はなく、サムルトンを攻め落とせば、あとは無条件降伏の道しか残されていない為、事実上これが乱世を終わらせる最後の戦いとなる。更に万全を喫するため、既に祖国滅亡後を見据えて、密かに帝国に媚びを売ろうとしていたリアムス国議員たちを利用して、リアムス軍の動きを封じ込めさせた。
こうして、後顧の憂いを完全に排除したクルーディア帝国軍は、サムルトンに全ての戦力を差し向けることが可能となった。

両軍の戦力

攻撃側 守備側

クルーディア帝国
軍勢
共和国サムルトン
総兵力85000 兵力 総兵力40000
ファルス 総指揮
軍師
主要参戦者

フェリサス

カスター

ゼクト

フレイズ

ラヴァ

ムゥナ

ファルザ




グラスシード

リディ

シルフィ

アレス

ラグ

ラディナ

クリディス

フォーゼ
攻撃側 守備側

リアムス自治国家
軍勢
総兵力500 兵力 総兵力
コルカフォーン 総指揮
軍師
主要参戦者

コルカフォーン

ルーザ

国境突破

サムルトン遠征には、皇帝ファルス自らが陣頭に立つ皇帝親征が決定された。
当然、前線に立つことはないが、この戦いが乱世を終わらせる最後の戦いというアピールが内外に示されたこととなる。
帝国軍14部隊を動員し、それぞれのルートからサムルトンに同時進入し、指定された土地で合流する手筈となっていたが、その中でもフェリサスを中心とした北方ルートと、グラスシードを中心とした西方ルートが本命ルートとして大部隊が動員された。
皇帝ファルスは、サムルトンの首都に一番乗りした将軍に帝国元帥の地位を与えると公言、諸将はこの言葉に士気を高めたが、その中でもグラスシードフェリサスは、互いを最大のライバルと思い、それぞれの進軍を開始した。

グラスシードは、大きな抵抗もなく国境を突破、進軍を開始するが、フェリサスの前には、智将ムゥナが立ちふさがり、ここで一旦進軍が停止する。

カイザラス城攻略戦

快進撃を続けるグラスシードだが、彼の前にカイザラス城が立ちふさがる。
かつて、六柱将魔族の猛攻をしのいだ名城であり、まともに攻略するにはあまりにも時間がかかりすぎる。
そこで、アレスの策略により、あえて城を無視して進軍を開始、篭城部隊は自分達が無視されたことの怒りと、このままグラスシード部隊を追撃すれば、本国の部隊と挟撃できるという作戦により、城から出陣する。
しかし、こうして城からおびき出すこと自体がグラスシード軍の策であり、すぐさま反転、篭城部隊を野戦にて壊滅させると、再反転して挟撃の為に出陣してきた部隊をも撃破する。
だが、この戦いの中、計算外の部隊が突如戦場に乱入する。
リアムス自治国家のコルカフォーンルーザであった。
帝国の策略により、国としての軍勢は派遣されなかったが、滅亡をただ待つことに納得せず、意地を見せるために自らの意思で出陣したコルカフォーンと、彼に従う兵士、共感したルーザによる完全な私兵集団であった。
彼らの存在は確かに計算外ではあったが、あくまでも私兵集団であり、グラスシードは戦局に影響はないと判断、そのまま進軍を再開した。

アルダスの戦い

グラスシードがカイザラス城を無力化させている頃、フェリサスもアルダス渓谷でムゥナと決戦を行っていた。
戦いは、当初は地の利を生かしてムゥナが優勢に進めるが、フェリサスの用意した火計によって、誘い込まれたサムルトン軍主力部隊は一瞬にして壊滅する。
士気を高めるべく、ムゥナフェリサスに論戦を挑むが、ムゥナが叫ぶサムルトンの正当性は、全てフェリサスに論破され、言葉を繋ぐことができなくなったムゥナは、吐血して落馬、そのまま落命した。

レンシアの戦い

ムゥナを失った国王ミッツは、ファルザを呼び戻し、更にカオスゼロを配備する様に命じた。
グラスシードフェリサスは、それぞれのルートから進軍を続けるが、その交差点になるレンシアの地にカオスゼロが配置され、ファルザに防衛を命じた。
先に到着したフェリサスカオスゼロに挑むが、先陣を切ったフレイズカオスゼロの破壊力の前に全滅し、フレイズも負傷する。はじめて目にした未知の兵器の威力にフェリサス部隊の動きが止まるが、カオスゼロは連射ができないことから、続いてゼクトが突撃を仕掛けるが、ファルザによって撃退される。
グラスシードもレンシアに到着し、ここに両軍の進軍速度の差はなくなったが、カオスゼロファルザという鉄壁の防衛が立ちはだかることに変わりはなかった。
両軍は数日に渡るにらみ合いを続けるが、ここで予期せぬ事態が起きた。
コルカフォーンが再び乱入するが、ファルザが仮眠中だったこともあり、将軍達は焦って帝国軍の攻撃と思いカオスゼロリアムス軍に向けて放った。
連射できない貴重な砲撃を乱入者に使ってしまい、結果的に帝国軍に行動の自由を与えてしまったサムルトン軍に、帝国軍が総攻撃を仕掛けて殺到、乱戦の中カオスゼロは破壊され、ファルザも後退せざるを得なくなる。

王都サムルトン攻略戦

もはや切り札の全てを失ったサムルトン軍。首都になだれ込む帝国軍を相手になすすべはなかった。
先のレンシアの戦いでカオスゼロによって、残された兵さえ失ったコルカフォーンもこの戦いに単身乱入、軍勢を持たない個人での移動だったからこそ、逆に混乱の王都に自由に進入できたのか、誰よりも早く国王ミッツの元にたどり着き、その鎌でミッツを討ち取った。
これまで苦労して王都までたどり着いた帝国軍にとっては屈辱に近い行為であったが、そのコルカフォーンも戦死、サムルトンクルーディア帝国に完全に併合された。

戦いの結末

帝国は、サムルトンを完全に併合する為、降伏の使者をあえて無視していたとの説もあるが、真相は謎である。
ともかくも、パレスに続いてサムルトンも完全に併合されると、皇帝ファルスによる論功が行われた。
グラスシードは、旧サムルトン領の南半分を授かり、それまで統治していた旧パレス領地はラグに与えられた。これにより、ラググラスシード隊所属将軍から独立し、ラグ部隊となる。
ラディナは、幼き皇太子ケルカになつかれたこともあり、その個人的な理由で帝室近衛隊長に命じられ、帝都に異動。
フレイズは帝国北部に新領地を、カスターは旧サムルトンの北部を授り、それぞれフェリサス隊から独立。
そしてフェリサスは、帝国総司令官たる元帥の称号が与えられた。
グラスシードフェリサスは、ほぼ同格の戦功をたて、ほぼ同時に王都にたどり着いたが、皇帝ファルスがより手柄が大きいと判断したのはフェリサスであり、グラスシードはこの「敗北」に打ちひしがれたという。


最終更新:2013年04月14日 15:48