ロードレア遠征

概要

ロードレア遠征とは、蜉蝣時代の戦乱の中で、アルファ708年12月、ベルザフィリス国軍とロー・レアルス国軍が、それぞれのルートからロードレア国へ侵攻した戦いである。この遠征により、ロードレア国は滅亡する。
ギルラ高地の戦いクルス山地の戦いもこの中に含まれている。

ヴェリアの死

706年7月14日。
良将は失われ、国主は聡明さを失い、兵は暴力に走る。
ロードレア国は、完全に衰退していた。この隙を逃さずベルザフィリス国、ロー・レアルス国、そしてフェルスデッド国が一気に国境を突破してロードレア国に侵入する。元々唯一他4国の全てと国境を接していた国である。ヴェリアという存在が睨みを効かせていた時代が終わりを告げると、一瞬にして脆さを露呈した。
ディルセアを総大将とするベルザフィリス国には、ファルザスレイアスグロライドを、国主ベルザウス自らが指揮をとるフェルスデッド国には、アルガードナッシュレイバードを派遣し、ヴェリア自身はルーが総大将を務めるロー・レアルス国の軍勢に向けて出陣。

ルーはこの戦いで、ロードレア国の先発隊4将を次々と打ち破りその名を高めた。ロー・レアルス国の猛将ゼノスは、病によってこの戦いに出陣してこなかったが、この報告を聞くと「ルーがいる限り自分は病の快復のみを待つことができる」と我が事の様に喜んだという。
しかし、酒と、陣中にまで連れて来たルフィに溺れたといっても、ヴェリアの天才的戦術眼は健在であり、ルーをもってしても突破は困難であった。
「敵の主力を、国主自らが食い止めている」その報告が各地に伝わる事で、ロードレア国軍の士気はかろうじて維持され、ベルザフィリス国、フェルスデッド国の攻撃も各地の将が奮戦して食い止めていた。

各戦線の戦いは1年にもおよび、国境を巡る地図は、時に侵略され、時に奪還しと日々変化しながら707年の夏を迎えていた。
8月9日、この日、ヴェリアは酒に酔い、ロードレア国最盛期を思い出していたのかもしれない……
突如ラディアアリガルといった、既に亡き将たちの名をあげると、亡霊に向かって出陣を命じる。
そして、3年で天下をとれると天を仰ぐと、そのまま吐血して倒れこんだ。
これが天下に名を轟かせた天才の、あまりにもあっけない末路であった。

707年8月9日深夜、ヴェリア、陣中にて病没。この時、彼は夢から醒めた。そして、自らの時間を永遠に止めた……

ロードレア国最後の柱がいま音を立てて崩れ、ロー・レアルス国は総攻撃を仕掛ける。メファイザスガルダドゥバ、そしてグローリヴァス、病の癒えたゼノスロードレア国に派遣し、ヴェリアを失った国境守備部隊を一気に突き崩す。
敗走するロードレア国軍は狂乱し、全ての元凶となったルフィを見つけ出すと、彼女を斬り殺した。
ヴェリアの死は、かろうじて保っていたロードレア国の最後の糸を寸断させ、これによりベルザフィリスフェルスデッドとの国境戦線も崩壊、ロードレア国の領土は急速に削られていった。
ロードレア国は、内政総指揮官ミリフォンが国主となることでかろうじて混乱を収拾するが、もはやロードレア国は日々隣国に領土を献上するだけの存在となりつつあった。
レイディックの死によってはじまったロードレアの内乱の様な、国主争奪戦もこの時は起きなかった。
それは、ロードレア国国主という地位が、「天下を狙う国の国主」から、「沈み行く船の船長を押し付けられる」にまで落ちぶれていた証拠でもあった。


▲707年8月における勢力図

フェルスデット併合

ベルザフィリス国が、ロッド国遠征により、ロッド国を併合したと聞いたメファイザスは、一旦その矛先をロードレア国からフェルスデッド国へと向けた。
ベルザウスの決起は、かつてヴェリアの策により大きく遅らされた事がある。これにより、フェルスデッド国は、華々しい建国劇を遂げたものの、その後大きな領土拡大ができず、領土、人材共に打ち止めとも呼べる状態となっていた。最もそれをあらわしている例が、ラケイトの戦いで、大勝利を飾ったにも関わらず、彼らが成し遂げたのは「自国防衛」のみで、領土拡大という現実的な利益は、ロードレア国といった周辺国に、横槍を入れられる形で奪われている。
そこに追い討ちをかけ、ベルザウスが右腕と信じていたエルドスグフスを相次いで流行り病で失っていた事もあり、彼は自身の力で天下統一ではなく、天下を狙える国の軍師としてその力を振るうという転進を余儀なくされていた。
708年3月8日、ベルザウスは、メファイザスの降伏勧告を素直に聞き、ロー・レアルス国の傘下に入ることを決意。
こうして天下はロードレア国、ロー・レアルス国、ベルザフィリス国の「二強一弱」時代へと入るが、それは同時にロードレア国滅亡への加速でもあった。

ロードレア遠征


8月に、ベルザフィリスロー・レアルス2国から、ほぼ同時にロードレア制圧部隊が出陣した。
別に、連合を組んだわけではなく、示し合わせた訳でもない、それぞれの国が準備を済ませ、「相手の国が出陣する前にロードレア国を削る」と決意した結果、ほぼ同時期の出陣となっていた。
ベルザフィリス国は、ガイヴェルドをはじめとするヴィルガスラゴベザスギザイアレニィラディグドの総兵力18万、ロー・レアルス国はメファイザスを総大将に、ゼノスドゥバルーの総兵力14万、更にお互い留守となった本拠を突かれる事を警戒して国境に留守部隊を駐屯させる。

ロードレア国は、ロー・レアルス国国境へアルガードレイバードナッシュを、ベルザフィリス国国境へファルザスグロライドレイアスを派遣したが、もはや兵力でも将の質でも勝ち目はなく、全ては国に殉じようと決意した者達の自己満足にも近い特攻であった。

クルス山地の戦い 両軍の戦力

攻撃側 守備側

ベルザフィリス国軍
軍勢
ロードレア国軍
総兵力180000 兵力 総兵力33000
ガイヴェルド 総指揮 ファルザス
ギザイア 軍師
主要参戦者

ガイヴェルド

ギザイア

レニィラ

ヴィルガス

ラゴベザス

ファルザス

グロライド

レイアス

ファクト


ディグド

ロミ

ギルラ高地の戦い 両軍の戦力

攻撃側 守備側

ロー・レアルス国軍
軍勢
ロードレア国軍
総兵力140000 兵力 総兵力28000
メファイザス 総指揮 アルガード
ルー 軍師
主要参戦者

メファイザス

ゼノス

ルー

ドゥバ

フェリシア

アルガード

メネヴァ

ナッシュ

レイバード


ガイズ

第三の対陣

実際に戦火を交えたわけではないが、もう一つの戦いが存在していた。
ロー・レアルス国、ベルザフィリス国は、共に国主自らが出陣する大掛かりな遠征を行っていたが、その留守に互いの国が攻め込んでくることを警戒して、残留部隊にも一流の人物を用意しなければならなかった。
そこに選ばれるのは、「祖国」であるロードレア国侵攻に参加させるのを、心理的配慮によりはばかられた、一月の別離酒で亡命してきた将軍たちである。
その結果、彼らは思わぬ場所で敵、味方に別れて対陣することとなる。
ベルザフィリス国からは、ディルセアリヴァイルシアバイアラスリディが、ロー・レアルス国からは、グローリヴァスベルザウスガルダが派遣され、バイアラスグローリヴァスが対陣することとなった。


ロードレア滅亡

12月13日、ギルラ高地の戦いにてアルガードナッシュが戦死。
12月24日、クルス山地の戦いでファルザスグロライドレイアスが戦死。
これにより、ロードレア国軍は最後の戦闘部隊を失った。
各地の城は次々と降伏、または玉砕を遂げ、709年3月12日、レイディックがかつて天下に最も近い所まで育て上げたロードレア国は、僅かな兵と城に立て篭もっていたミリフォンの戦死をもって終焉を告げた。


▲708年12月における勢力図(ギルラ高地の戦い、クルス山地の戦い終了直後の地図)


幾多の邂逅

そして別離

乱世の炎を纏いし国

その炎は静かに眠る

幾多もの魂を抱いて

(アルディア著「蜉蝣戦記」行雲編より)