概要
戦闘に至るまでの背景
両軍の戦力
戦闘経緯
この予期せぬ突撃により、
アレスは
ガイヴェルド、
デイロード部隊の間を突破し、その先に立ちはだかる
ディルセア部隊、
レニィラ部隊を抜き、ついに
ルーディア本陣へと辿り着く。
知略に生きる
アレスが、何故このような蛮勇ともとれる行動に走ったのか……
彼女自身、この決戦において勝ち目が少ないということが見えていた。
そして、その来るべき敗北の結末を覆すには、誰もが想像しない行動をとり、そこに活路を見出すしかないと悟っていたのである。
アレスの鬼神に憑かれた突撃により
ルーディア本陣の旗は倒れ、激しい乱戦の末
ルーディア自身までもが流れ矢で負傷する。
だが、一時の混乱から立ち直った本陣に加え、
レニィラ、
ヴィルガス部隊が
アレス部隊を包囲し、今度は
アレス自身が左肩を斬られる。
もはやこれ以上の突撃は不可能と悟った
アレスの副将たちが、自らの命を犠牲にして彼女を後退させ、両軍共に一旦陣を退き、再び対峙することとなる。
しかし、2月20日、突如
ヴェリアが陣を引き払って本国へ撤退。
殿軍に
バイアラスを配備、追撃に出ようとする
ベルザフィリス国軍を牽制し、本隊の後退を成功させた。
その撤退の素早さと正確さに
ベルザフィリス国軍師
ディルセアは、罠の危険性を考慮してそれ以上の追撃は命じなかった。
そして、
ディルセア自身も、もし
ラディアや
アリガルが存命していれば、この地を放棄したのは自分たちであっただろうと洩らしたという。
戦いの結末
ディースの戦いは、
ベルザフィリス国軍が一応の勝利を飾ったが、
ロードレア国軍は戦線を維持したままであり、どちらかというと「守るに適していないディース高地を放棄した」という状況であり、
ベルザフィリス国は、勝利の実感を一切もてなかった。
そして、
アレス部隊の特攻により負傷した
ルーディア。この一本の流れ矢が
ベルザフィリス国の運命を大きく揺さぶった。
ルーディアは、2月24日に突如国主の座から引退することを発表。その地位を養子の
ガイヴェルドへ譲ると宣言した。
周囲の者は当然反対したが、
ルーディアの決意は固かった。彼女は元々好戦的な人物ではなかったが、先王
ディアルの遺志を継ぐ為にあえて自らを修羅と化して戦っていた。強靭な精神力で支えてきたその仮初の姿も、1本の矢によって簡単に断ち切られ、自らの精神力の限界を感じたのである。
ルーディアの説得を諦めた諸将は、彼女の決意を尊重し、2月26日、
ベルザフィリス国国主は
ガイヴェルドへと受け継がれた。
だが、
ベルザフィリス国ではなく、
ルーディア個人にほれ込み、
独眼竜だからこそ忠誠を誓ったと豪語する
五舞将の
デイロードと
シレン。彼らは昨日まで同格であった
ガイヴェルドに頭を下げるつもりはないと、この後継に反対。反乱罪をかけられた為、3月1日に2人は挙兵する。
ここに
五舞将は真っ二つに分かれ、一枚岩を誇っていた
ベルザフィリス国で始めての大規模な内乱「
血の16日間」がはじまった。
最終更新:2011年12月13日 22:27