概要
戦闘に至るまでの背景
ベルザフィリス国の軍師となった
ディルセアは、元々素性の知れない流浪の者であった。
しかし、そもそも国そのものが無から生まれ、実力ひとつで出自を問わず集められたこの国においては、他国に見られる様な「出身も判らない者に対する偏見の目」といったものが存在しなかった。そんな環境もあり、比較的自然に受け入れられた軍師
ディルセアは、農民出身の
ラゴベザス、
デイロードを引きつれ、国境を進入してきた
バルド国軍と対峙していた。
リッドゾーンの戦いで大敗を喫した事もあり、この時期
ベルザフィリス国は攻撃より防衛に重きを置かれていたが、
ディルセアには一つの野望があった。
そろそろ自分自身も、歴史の表舞台に立とうとしていた彼は、この戦いで
バルド国を挫き、そのまま反撃して攻勢に出るつもりであった。
ルーディア包囲網の中で、唯一の「穴」ともいえた
バルド国を、少数の軍勢で攻め落とすことができれば、確かに戦局を大きく動かすこととなるが、その
ディルセアの前に、
バルド国一の智将
デスレーダが立ちはだかる。
しかし、
ディルセアは、「自分の(総指揮官としての)初陣には地味な相手だ」と洩らしたという。この言葉が諸将の肩の力を抜かせる冗談だったのか、それとも本気だったのかは判らないが、ともかく
ディルセアの自信が伺える。
両軍の戦力
戦闘経緯
出鼻を挫かれた
デスレーダは、自らの軍勢も前進させ、
ゾーグ部隊を北上させて2部隊で同時攻撃する策をとった。
だが、これも
ディルセアの想定通りの行動に過ぎず、彼はすぐさま準備していた行動に移った。
北上を開始した
ゾーグ部隊だが、その彼の前に
ディルセア部隊が姿を現す。
彼自ら最前線に立ち、降伏を促すが、
ナルザード部隊を失っても未だ数で勝る
バルド国軍は、
ディルセアの脅しに過ぎないと拒絶する。その瞬間、
ゾーグ部隊を完全に取り囲む様に
ベルザフィリス国軍の旗が姿を現し、
ラゴベザス、
デイロードが姿を現す。
この時、
ラゴベザス、
デイロード側には数十騎しか兵が存在せず、旗のみの無人部隊であった。
込み入った山地だからこそ可能なこの擬態は、
ディルセアが得意とする心理作戦であった。
自分が包囲されたと信じ込んだ
ゾーグは、実際は兵力の差がそれほどなかったのだが、混乱によってまったく機能せず、
ゾーグは生け捕られ、この後
バルド国への道案内を務める事となる。
ナルザード、
ゾーグ部隊を失った
デスレーダは怒り、撤退を進言した将を斬るという、彼らしからぬ行動をとり、決戦の覚悟を決める。
しかし、
バルド国一の智将を売り言葉としていた彼のこの取り乱し様に、先の展開を予見した将
メロゥドは、
デスレーダ陣の食料を焼き払ってそのまま
ベルザフィリス国軍に投降。
デスレーダは無念のうちに撤退していくこととなる。
戦いの結末
最終更新:2011年12月11日 21:51