エンパイアコスモスの戦い

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概要

エンパイアコスモスの戦いとは、蜉蝣時代の戦乱の中で、アルファ694年1月、ベルザフィリス国軍とアル国軍の間に起きた海戦である。
正式には「第2次シーア海戦」であるが、戦いの部隊となった海上要塞エンパイアコスモスから、「エンパイアコスモスの戦い」と呼ばれている。

戦闘に至るまでの背景


▲693年11月における勢力図

シーア海戦で勝利したアル国の猛攻はとどまらず、艦隊を海上から自由に扱える様に、海上大要塞エンパイアコスモスの建築を始めていた。
ただし、軍港に恵まれたアル国が、隣国であるベルザフィリス国を攻めるのに海上要塞まで必要な局面ではなく、これは国主ザグルスの個人的趣向による建造命令であった。
この建築に反対を述べた配下の者、技術的に不可能と述べた技術者がザグルスによって処刑されている。

ルーディアディルセアは、この局面を打開するべく連日軍議を行う。
しかし、もともとの艦隊戦力で劣っている上、海上要塞に立て込まれては、もはや手のうちようがない、それでも、進軍するしかない……との結論に達した。
その一部始終を、軍議に潜んでいた内通者がアル国に伝える。
内通者の姿が国内から消えたと知ったルーディアディルセアは、顔を見合わせて笑った。
そう、この軍議そのものが、彼らの仕組んだ罠だったのだ。
ザグルスの個人的趣向によって建造された要塞、その詳細は既に彼らの知るところであった。技術的な問題から、当初の予定ほど巨大な要塞とならなかったこともあり、逆に自分達の行動の自由を制限する弱点になることをルーディアたちは気付いていた。
まともに真正面から対陣するより、自分達で行動の制限をつけてくれる「出来損ない」の要塞に篭ってくれたほうが、ベルザフィリス国には有利なことであった。
とはいえ、元々の戦力差は明白であり、「絶対的不利」を、かろうじて「不利」に持っていけるだけであったことも事実であった。

両軍の戦力

攻撃側 守備側

ベルザフィリス国軍
軍勢
アル国軍
総兵力9700 兵力 総兵力11100
イェーガ 総指揮 ネイゲイ
軍師
主要参戦者

イェーガ





フェザリアード

ザーブ

セルシア

ネイゲイ


戦闘経緯


1月23日、ベルザフィリス国艦隊は、要塞への奇襲を計画、しかし、ルッダリザ艦隊を奪われたとはいえ、海戦においては名将であるフェザリアードの前では、ベルザフィリス国艦隊はまたしても苦戦を強いられ、イェーガは、もはや特攻とも呼べる猛攻を仕掛けてようやく要塞に肉薄。
この一見無謀な突撃が奇跡への布石を作る。
風に乗った流れ矢が、甲板から戦局を見ていたフェザリアードの左目を貫き、彼は一時的に戦線から離脱する。
更にルッダリザ艦隊を任されていたネイゲイが、海戦における無能ぶりを発揮、エンパイアコスモスによる行動の制限もあり、艦隊の性能をいかせないまま旗艦ドラゴンファントムは海の藻屑となり、ネイゲイも戦死する。

それでも、エンパイアコスモスに取り付くことはできず艦隊は後退、海戦そのものはまたしてもベルザフィリス国軍の敗北であったが、ルッダリザ艦隊を完全に沈黙させる事には成功、ベルザフィリス国軍はザルド、ムーン両艦隊を合流させ、最後の艦隊戦を仕掛けることとなった。

決戦は2月4日、後のないベルザフィリス国軍は、全艦隊をもってエンパイアコスモスに総力決戦を挑む。
能力の高さとは裏腹に、反骨精神が災いして、ザグルス派で固められた指揮官からの受けが悪いフェザリアードは、目の負傷を理由に、ついに艦隊指揮権まで剥奪され、エンパイアコスモス要塞に駐屯する陸上部隊の指揮を命じられる。
こうして、海の名将不在の海域で両艦隊が至近距離で入り乱れ、互いの艦に抜刀隊を乗り込ませての壮絶な白兵戦が続き、フェザリアード子飼いの将も次々と戦死を遂げる。
ベルザフィリス国軍も、艦隊司令官イェーガ自らが特攻を仕掛け、エンパイアコスモスへの突破口を開くものの、艦と運命を共にする。
既に艦隊戦はお互い指揮系統を失い収拾の付かない乱戦となり、エンパイアコスモスに上陸した部隊と防衛軍の白兵戦がはじまっていた。フェザリアードは要塞にて最後の指揮をとるが、艦隊を率いてこそ羽ばたく彼も、要塞守備の白兵戦においてはもはや翼をもがれた存在でしかなかった。彼の子飼いの将で、最後に残ったセルシアもまた要塞内の戦いで瓦礫の下敷となり、フェザリアードも、艦隊を奪われた悲劇の海将としての名を残して炎上し、崩壊していく要塞と共に果てた。

艦隊の質、量、有数な海将、全てにおいてアル国が優勢であった、にも関わらず戦いはベルザフィリス国の僅差の勝利で幕を下ろした。
アル国が、自らエンパイアコスモスに篭って行動の制限を作ったこと、ルッダリザ艦隊の指揮権をフェザリアードから取り上げたこと、これらの要素も大きいが、理屈では説明のつかない何かがベルザフィリス国に味方したことも事実である。

鳴鳳の海将

エンパイアコスモス要塞の戦闘に関してだが、これは前述した外伝「鳴鳳の海将」での戦闘描写が史実よりも有名となっている。
指揮官でありながら、その座をイェーガに譲り、自ら友となった兵卒を率いて剣を振るうヒサヴェヌア。混戦の中、親友ザガの仇フェザリアードを見つけ、彼の片目を射抜くが、その猪突が原因で彼を退かせる為にしんがりを務めたライドルを死なせてしまう。これが原因で彼らの結束も一度はばらばらになりかけるが、結局は更なる絆で結ばれる。
そして最終決戦の日を向かえ、ヒサヴェヌアフェザリアードは甲板で壮絶な一騎討ちを繰り広げる。子飼いの将ベルナがこれに横から割ってはいるが、オリアがそのベルナに踊りかかり、両者は縺れ合って砲台へと流れていく、そこに主砲が火を吹き、二人は一瞬にして蒸発する。
一方、要塞内へ侵入したエレーナだが、セルシアの槍に貫かれて落命、そこに駆けつけたヒサヴェヌアセルシアは壮絶な戦いを繰り広げるが、爆発で落ちてきた瓦礫によってセルシアも飲み込まれていく。
己を死神と比喩するフェザリアードヒサヴェヌアは崩れ落ちる要塞で最後の一騎討ちを繰り広げ、悲劇の海将も散っていく。
ただ一人生き残ったリィザは皆を故郷の村に弔うと言い、ヒサヴェヌアに別れを告げて去っていく。

戦いの結末

こうして、ベルザフィリス国は、アル国との戦いにおける制海権を奪うが、ベルザフィリス国自体も、艦隊戦力を著しく削られていた。
この後、両国の間で海戦は行われず、決戦は地上へと持ち越される為、戦略的という意味では「引き分け」ともいえる戦いである。