概要
戦闘に至るまでの背景
両軍の戦力
戦闘経緯
合流地点に向かって行軍を進める
シャリアル国軍。しかし、エクレナ山地に差し掛かった時、濃霧によって足止めを受けてしまう。このままでは
バルド国軍との合流予定日に遅れる。この時
メスローは、麓の村に火をつけて見通しをよくさせた。国主として、というより人としてもはや常軌を逸した行動ではあるが、生まれた時から権力者であった
メスローには、自らの領土の民の苦しみなど目に留まらなかった。
こうして全軍は
エィディス平原付近に布陣した。
ベルザフィリス国は、山賊上がりで山岳戦のプロ
ベヌロゥズを密かにボルス山地へと向かわせて、奇襲を仕掛けるべくその気配を消した。
この時、
ルーディアは
レニィラの普段と違う進言に微妙な違和感を感じ、
レニィラに
エィディス平原への偵察を命じる。
レニィラの策を見破ったとはいえ、状況は何も変わっていなかった。
連合軍は2倍以上の兵力をもって高地を奪っている。そこで、
ベルザフィリス国軍は、
ルーディアの指揮の元、一か八かの勝負に出た。
誰もが
ベルザフィリス国軍は慎重になり、守りを固めると思ったこの状況下において、
ベルザフィリス国軍が連合軍に対して夜襲を仕掛けたのである。
まずは
ヴィルガス部隊が一直線にニィロゥ山の
ボルゾック本陣に突撃。
これを
ケーズ部隊が妨害するが、
ヴィルガスの突撃によって崩壊、
ケーズは
ヴィルガスによって一太刀で討ち取られる。
しかし、所詮は一部隊の特攻、冷静になった連合軍が三方から
ヴィルガスを包囲する。
だが、これを承知の上で突撃した
ヴィルガスは、
ボルゾック本陣に目もくれずそのまま北東方向へと駆け抜けていく。
ヴィルガスを包囲するため、一瞬とはいえボルス山地に隙を見せた連合軍、そこに間髪をいれず
ザガ部隊が現れ、ボルス山の陣地を奪う。
陣を奪われたことで焦った
バルド国の部隊が、山岳の陣を奪い返そうと攻めあがるが、二重に伏せていた
ベルザフィリス国軍によって挟撃されて壊滅する。
しかも、駆け抜けたと思っていた
ヴィルガス部隊がそのまま反転、再突撃を仕掛けてくる。
この突撃を食い止めるべく、
デイル、
ガズドの二将が勝負を挑むが、
ヴィルガスは二人まとめて相手にすると、これを難なく討ち取り、かつて
ゼノスとも互角に渡り合ったその武勇がまったく衰えていない事を証明させた。
続いて
ヴィルガスの前に立ちはだかるのは、
バルド国本陣への撤退に成功した
レニィラであった。
ルーディアを策にかけることには失敗したものの、
レニィラは
ルーディアの軍師を務めた程の器であり、一軍の将としても有能であった。さすがに
ケーズ達とは違い、猛将
ヴィルガスとも互角に渡り合うものの、
ヴィルガスは
レニィラとの勝負を避けて、今度は西方向へ部隊を移動させる。
更に真正面から攻めあがってきた
ガイヴェルドに、連合軍は守りを固めるが、
ガイヴェルドまでもが西へと進路を変える。この2部隊の動きに完全に浮き足立った連合軍本陣は、部隊を集結させるべく一旦後退する。
その瞬間再び伏兵となっていた
ザガ部隊が姿を現し、今度はニィロゥ山を占拠する。戦後
ザガは、「まるで空き巣泥棒だった」とこの戦いを振り返ったという。
更に
ルーディア自らも本陣を
エィディス平原へ移動させ、僅か一夜にしてボルス山地、ニィロゥ山、エィディス平原は連合軍のものから
ベルザフィリス国軍の旗に切り替わってしまう。
ところが11月26日、
ベルザフィリス国軍は、ニィロゥ山、ボルス山地の軍勢を全て退かせて、
エィディス平原に全軍を集結させる。
苦労して奪った敵陣を簡単に放棄した事に、連合軍は
ベルザフィリス国軍の罠を警戒して、陣の奪還は行わなかった。
更に翌日の27日、
ベルザフィリス国は、元々信頼関係など存在せず、利害で手を結んだ
バルド国、
シャリアル国の離間にとりかかった。
既に山地を巡っての戦いに敗れた事から、
メスロー、
ボルゾックは互いに責任を擦り付け合い、本陣をそれぞれ別々の場所に配備した。
そんな情勢で、
ルーディアから
ボルゾックへの書状を携えた密偵が送られるが、これが
シャリアル国軍の網にかかって囚われる。発見された書状は、特別かわったことのない季節の挨拶文であったが、わざわざ交戦相手にこの様な書状を送る不自然さから、何らかの合図ではないかと
メスローは勘ぐり始める。
同時刻、
バルド国軍にも
ルーディアから
メスロー宛の書状が発見されていた。しかし、
バルド国軍師
デスレーダは、これを
ルーディアの離間の策と看破するものの、
メスローを信じきれない部分もあり、
シャリアル国が突如裏切っても対処できる様に軍勢の布陣を移動させた。
この移動が、逆に
メスローに不信感を抱かせ、結局二国は疑心暗鬼の渦に飲み込まれていった。
もはや互いに連携をとれず、それどころかいつ相手が背後を襲ってくるか不安になった二国に、
ベルザフィリス国軍は真正面から突撃を仕掛ける。
数では未だ連合軍が倍の兵力を誇っていたが、だからこそこの無謀ともとれる正面からの突撃に「連合軍がこのタイミングで裏切るのでは」という疑問も生じ、完全に浮き足立った所を完膚なきまでに叩き潰された。
ルーディアは、この戦いでは完全勝利をおさめたものの、元来の兵力差は覆せるものでもなく、
ベルザフィリス国軍に追撃する余力まではなかった。
最終更新:2011年12月05日 18:04