ロールソレアの密書

概要

ロールソレアの密書とは、アルファにおける、蜉蝣戦記のきっかけとなった書状。

書状がもたらした連合軍

アルファ684年、バルディゴスは皇帝を暗殺、その一族を蟠踞乱戦争で皆殺して帝位を簒奪した。
これに対して、皇帝の補佐をしていたロールソレアは、諸国にバルディゴスを討つべく連合軍を結成する檄文を送る。
しかし、バルディゴスによって察知され、ロールソレアは殺害され、書状を持った使者も追手によって次々と討ち取られた。
結局、バルド国のボルゾックにのみ無事届くが、ボルゾックは、その書状の出所を隠匿し、「自分の提案」として、諸国に檄を飛ばし、バルディゴス討伐連合軍を結成させた。

正確な文面は残されていないが、(簒奪とはいえ)仮にも皇帝を名乗るバルディゴスに弓を引くのに十分な説得力と正当性を持ち、諸将の心を揺り動かしたほどの美しい文章で書かれ、それ自体が洗礼された文学の様だったと記録には残っている。

書状の亡霊

後に、ルーズの戦いにおいてバルディゴスは、自身が軍師として雇ったカルディスによって暗殺される。
カルディスは、単身ボルゾックに会見を申し込む。当初はこの暗殺を、「目先の褒美欲しさに実行した小賢しい背信行為」として罵ろうとしたボルゾックだったが、カルディスが見せた書状により顔面蒼白となる。
それは、自分しか持っていないと思っていた「ロールソレアの密書」であり、カルディスは、ロールソレアの実弟であった。
プライドの高いボルゾックは、今更連合軍結成に使われた名文が、他者から奪ったものだとは言えず、事実を黙ってもらう代わりに、「兄であるロールソレア様の仇を討つ為、危険を承知で敵軍に潜入した、なんという美談」と、諸将に説明しなければならなかった。
その後、カルディスは戦後処理の混乱に乗じて、「ルディック国内での反乱を防ぐため、自分に同調する者を集めて勢力をつくりたい」と提案、戦後処理に謀殺されていたボルゾックは、適当な相槌でそれを承認した。
すると、カルディスは急ぎ本国に戻り、あらかじめ用意していた人材に一斉蜂起させ、あっという間にロー・レアルス国を作り上げてしまった。

ロー・レアルス国の、あまりにも速すぎる建国劇は、その背後にロールソレアの密書に宿された亡霊が暗躍していたとも言える。

関連項目


最終更新:2011年11月30日 16:47