バルシオン


基本情報


略歴

没落貴族の子女で、幼い頃、生活に困窮していた所を、遠縁にあたるバルディゴスに引き取られて育てられた。
幼い頃から野心溢れるバルディゴスの才知に魅せられ、成人を迎えると自ら進んでその配下となった。
蟠踞乱戦争ではその意を受けて一隊を率い、皇帝一族の襲撃に参加。
虐殺行為に躊躇した部下を「陛下がこれまでお前達を養って来たのは何の為か。忠義を示せ」と叱咤し、自ら率先して、女子供を問わず次々と殺害していった。
バルディゴスが帝位を名乗るとその忠誠を買われて、正式にルディック帝国の将軍として取り立てられ、ジョロスらと共に反対派の粛清やルディック城の治安維持を任されていた。

バルディゴス討伐連合軍結成時にもルディック城に残留し、バルディゴスの凱旋を待ち望んでいたが、ルーズの戦いの最中、バルディゴスカルディスに暗殺されたことを聞かされ卒倒してしまう。
バルディゴスの死にルディック城の将兵達が動揺する中、徹底抗戦を主張するも、主だった将はカルディスロー・レアルス建国への同調を決意。
ロー・レアルス国軍が接近すると同調派によって捕縛されかけるが、バルシオンは僅かな手勢を率いて脱出。
その後、カルディスに反発する将軍達と合流し、ルディック国の将軍として、第一線で指揮を執り続けた。
しかし、次第に精神に変調を来たし始め、戦力差を考えずにロー・レアルス国へと攻め込み、カルディスを討つことを繰り返し主張したため、周囲からは疎まれるようになっていく。

691年、ゼイレアンの戦いで疲弊したロー・レアルス国に対しルディック国軍が侵攻を開始。ソルドレイカの戦いが勃発する。
この戦いでバルシオンはルディック国の先鋒としてロー・レアルス国の軍勢に攻めかかるが、カルディスの巧みな采配によって縦横に分断され、ルディック国の軍勢は各個撃破されていった。
味方が壊滅的打撃を被る中、バルシオンはカルディスの本陣目掛けて幾度も突撃を仕掛け続けるが、遂に果たすことなく戦場に散った。
この突撃は、「バルシオンの三段崩し」と呼ばれることとなる。

人物

  • 武官の一人として存在そのものは判っていたが、名前や性別といった素性は殆ど知られていなかった。長らく悪人と見なされてきたバルディゴスに関する資料が近年になって発見され、再評価が進められていく中で、バルシオンの人物像も浮かび上がってきた。
  • バルディゴスには強い思慕の念を抱いており、義兄の様に慕っていた。武術を学び、軍人となったのもバルディゴスの役に立とうという一念からであり、忠実な私兵としてその野望成就の為に働き、労いの言葉を掛けられることに大変、喜びを示したとされている。バルディゴスの死後は、カルディスを討つという執念によって自らを鍛え上げ、達人の域にまで達するもルディック国の衰退という大勢を覆すには至らなかった。事実、ソルドレイカの戦いでは、後に「バルシオンの三段崩し」と称されるほどの働きを見せるが、カルディスに辿り付くことなく力尽き、部隊も壊滅している。
  • 元々は静かで凛々しい物腰の持ち主だったとされているが、バルディゴスの死後から次第に精神に変調を来たし始めるようになったという。性格は激情的かつ攻撃的となり、過激で妄執染みた言動が多くなった。最高司令官となったバロムからは「扱い辛い娘だ」と評されるも、衰退しつつあったルディック国では数少ない戦力であり、また亡きバルディゴスへの盲目的な信奉から裏切ることはあるまいと判断され、軍の指揮を任され続けた。
  • バルディゴスの私兵的存在であったため、一部の同僚から「雌犬」と蔑視されることもあった。後世の物語の中には、バルディゴスとは愛人の関係だったと設定している作品もみられる。

関連項目


最終更新:2011年12月08日 23:58